読む日々

テーマばらばらの読書日記

カレンの眠る日

2011-12-09 | 
「カレンの眠る日」アマンダ・エア・ウォード/作 務台夏子/訳


死刑囚房で執行を待つカレンは、娼婦であり、客として自分に暴力をふるう者を次々と殺し、最後は撃たれたあとコンビニまで逃げた客を追って殺害し、偶然店に入ってきてしまった無関係の男性を殺してしまった。

その刑務所で医師として働いた叔父が亡くなり、葬儀に来て結局そこで働き始めた女医のフラニー。幼いころ事故で両親を亡くし叔父に育てられた彼女は、小児がんの患者を亡くした事で落ち込み、そういった諸々が重なり婚約者とひどい別れ方をしてしまう。


そしてカレンにコンビニで殺されてしまったヘンリーの妻、シーリアもまた、夫の死を乗り越えられずにいた。

そしてカレンはエイズに侵されていて、死刑などしなくても近々死ぬのに、知事は恩赦をしてくれない。
カレンを自然に死なせてやりたいと願う弁護士リックと、フラニー。そこに、カレンに会いに来たシーリアが絡んで、思いがけない結末へ。


・・・心理描写というか、こうなってこうなるから、その人の内面はこう変わる、みたいなものが、ものすごく伝わる小説でした。最後、カレンにとって、そしてシーリア、フラニー、リックにとって、みんなにとって「よかったな」とホッとする、でも悲しい結末でした。

面白かったです。
満足度100