読む日々

テーマばらばらの読書日記

モノレールねこ

2012-10-17 | 
加納朋子「モノレールねこ」


ちょっと不思議な、そして心がふんわりしてジーンとする、素敵な短編8つ。

どれも、すごくよかった。
以下覚え書き&ネタバレ

・モノレールねこ 自宅にやたらとやってくる、デブでブスなモノレールみたいなネコ。そのネコが行き来する二件の家の、同い年の子どもが、首輪に手紙を挟んで文通する。ある日ネコは事故で亡くなり、10数年後、顔も知らなかった親友同士は、同じ会社で初めて会う。男同士かと思いきや、相手は女子で。ネコの首輪がラブレターの運びやくに代わる。

途中で、片方は女子かも!とは思ったけど、素敵なラストでよかった。

・パズルの中の犬

待つことが苦手な女性が、待たせないだんせいと結婚する。夫の帰りを待つのも苦手で、ジグソーパズルをしながら待つ。フリマで見つけた真っ白いジグソーパズルを作る内に、その面に犬を感じるように。

母親との確執の遠因が、犬を通して浮かび上がり、これまたハッピーエンド。

・マイ・フーリッシユ・アンクル

題名通り、バカな叔父さんの話。家族旅行中の祖父母と両親がホテル火事で亡くなり、残された中学生女子と、ニートな叔父さん。叔父さんがニートになった理由と、姪のため、亡くなった義姉のため奮闘。
これはちょっと、叔父さん気持ち悪いかも。

.シンデレラのお城

幼い頃、仲良しの男の子を自分のせいで亡くしたトラウマを持つ女子と、妊娠してた婚約者を亡くした男性の偽装結婚する話。かなり泣ける。

・セイムタイム・ネクストイヤー

娘を亡くした母親。記念のホテルに、1人で泊まると、亡くなった娘が目の前に。

周囲の善意がすごい、感動。

・ちょうちょう
伯父のラーメン屋の二号店を任された男の子。自信満々からどん底へ。でもみんなの善意で立ち直る。

・ポトスの樹

ダメ親父に苦しめられて育った息子。ダメ親父がそうなった理由は祖父にあった。
そしてダメなりの息子や孫への愛情。孫を助けるために身を投げる姿。息子には命は欠片れないけど孫ならいい、というのは、理由がわかると感動。最初一番つまんなかったけど、最後一番感動できた。

・バルタン最期の比

小学生男子に釣り上げられたザリガニが、人間に相上を持ち、その家庭を守るため命を落とす物語。

泣けた。


全編よかったです!満足度150

ここがわたしのおうちです

2012-10-17 | 絵本
「ここがわたしのおうちです」アイリーン・スピネリ文/マット・フェラン絵/渋谷弘子 訳


新聞かなにかで紹介されてて、手帳に書き留めてはおいたけど、探してはいなかった本。

昨日図書館で見つけました。


お父さんかリストラされて、遠く離れたおじいちゃんの家に引っ越さなきゃならなくなった少女ダイアナの物語。

最初、元の家での素敵な生活、親友がいて、充実した暮らしぶりが描かれています。

父親の失職で、突然、車で6時間も離れた場所へ引っ越さなきゃならなくなったダイアナの気持ちが切ない。

でも、その気持ちを、担任の先生が受け止めてくれ、親友のローズも励ましてくれて、ダイアナは両親と妹と、4人で引っ越します。

詩を書くことがダイアナのアイデンティティー。書くことで気持ちに整理がつき、また
同じく天文が趣味の、サムという、新しい友達もできます。

サムは男の子だから親友になれないと悩むダイアナにお母さんはアッサリと「いいじゃない」と言ってくれます。

元の家から今の家への移り変わりを通して、少女が何かを乗り越えて行く物語。素敵です。
挿し絵も、鉛筆で描かれててとてもいい感じ。

これは息子に読ませたい!

満足度100