読む日々

テーマばらばらの読書日記

うさぎ幻化行

2012-10-23 | 
北森鴻「うさぎ幻化行」


これ、借りて初めて知りました。作者が亡くなっていることに。
2010年の冬にお亡くなりになられていたそうで・・。私がこの方の本を読み始めた時はもういらっしゃらなかったのか。

じゃあ、もう、冬狐堂や香菜利屋のシリーズは読めないってこと?と、軽い衝撃を覚えました・・・

が、気を取り直して、本に集中。


父の再婚相手の連れ子だった義兄の突然の死と、遺書に込められた言葉の意味を探り、音の専門家だった義兄が遺した音源を辿る旅に出る妹、リツ子。

リツ子を「うさぎ」と呼んで可愛がっていた義兄との思い出がところどころ散りばめられ、そしてこの義兄妹は、口には出さないけれど愛し合っていたんだな、という雰囲気が伝わってきました。

が、

なんだかよくわかんないんですよね。
飛行機事故で義兄は亡くなった、と思わせておいて実はただの自殺で、その遺体を偶然義兄がアリバイ工作の為に買ってあった航空券に該当する飛行機が落ちた現場に運んだのはリツ子だった、・・・って最後の方で明かされても。

そして「うさぎ」がもう一人いて、それは義兄の恋人で、どっちが身代わりでどっちが本当に愛した相手なのか、まあリツ子の方なんだろうけれど、恋人の方も一体なにがしたかったのか、何をしてしまったのか、義兄が死ななきゃいけないほどの理由は犯罪絡みなのか違うのか、リツ子への果たせない愛のせいなのか、

何が何だかさーっぱり。

好きな作者だっただけに、少しがっかりです。

満足度60