東日本大震災で多大な被害を受け、未だに復興の目処が立っていない状態にあることは本当に心が痛む。震災からの復興、これは誰もが望むところで、反対する人はいないと思う。しかし、復興税として特別に税金を徴収し、復興に実際に使われた金額は税収に較べてかなり下回っているようで、予算は付けられたが、その予算が未消化のまま残されているのが現状である。
要するに、復興のビジョンが明確化されていないにもかかわらず、やみくもに税を徴収し、金を集めているが、使い道はまだ決まっていないという状態なのだ。まず、国や地方公共団体がやることは、復興の青写真を作ることだろう。それなくして、復興はあり得ない。ただでさえ、過疎化が進んでいた地域、余程の有効なプランを立てない限り、被災地が復興していくことはかなり難しいと思われ、神戸の震災と事情が大きく違うところだ。被災地それぞれに思いやプランは色々あるだろうし、具体化しているプランも数々あるだろう、しかし、それらをまとめて、復興プランを作り上げ、被災地に提示し、被災者の合意を得た上で、予算化し、計画的に復興を進めていくことが求められる。まず、金を集めて、それからプランを作るでは、本末転倒も甚だしい。予算を配られても、何に使っていいものか分からずに、使えないでいる自治体が如何に多いことか。
必要額以上の金を集めれば、無駄なところに使われ、不正が生じる。金を目当てに集まってくる亡者たちの餌食にされ、食い荒らされ、馬鹿をみるのは、まじめに税金を納めている国民なのだという。金を集める前に、プランを示して欲しいものだ。