妻のトイレの腹押しも始めてからかなり続いていることになる。始めのうちは、朝一度出てしまえば、次に出るのはしばらく経ってからと思っていた。腹押しを要求され、押してもなかなか出てこない、腕は疲れ、それでも、腹押しを要求され、ほとほと嫌になってきたときに、妻が更に、「もっと力を入れて押して!」と要求してきたので、私は、「朝出たのから、出るはずないだろう!」と妻にクレーム付けていた。妻は、「便意があるから言っている。出るから押して!」と私のクレームを頑として受け付けようとしない。しぶしぶ更に押していると、何と出ない筈の便が、出てしまう。妻にとっては成功体験、私にとっては失敗体験だ。妻の態度はより強固なものになってしまった。一方、私は、それでも、便は一日一回出ればそれでいいものという体験上の考えは変わらず、たびたび言い合いになっていた。
最近では、一日9回(起床時、朝食前、朝食後、昼食前、昼食後、入浴前、夕食前、夕食後、就寝前)の腹押しが日課となってしまった。5分で済むときもあれば、20分、30分と掛かるときもある。量は少しでも、便が出ることが多くなっている。習慣というのは恐ろしいもので、毎日続けていると、体もそれに適応してきているのだろう。これは凄いことだと思う。最近は、妻に反発するのをやめ、妻のトイレに付き合っている。
しかし、食事の前の腹押しはとにかく不都合なことが多いので、やめてほしいというのが本音だ。調理を全て済ましてからトイレに連れて行くと、トイレ中に料理が冷めてしまうし、調理の途中で行くと、いったん中断した料理を再開し、完成までまた時間が掛かってしまう。これは料理の手順としては、とても不都合なことなのだ。
こんなにトイレに拘るようでは、施設での適応を困難だろうし、入院生活もままならぬことだと思う。これは今後のことを考えると、一大事だ。何とか、対処していかなければいけないと思うのだが、果たしてどのように妻の態度を変えていくか、皆目検討が付かないというのが現状だ。妻の頑固頭は本当に困ったことだ。