自民党は教育の無償化を公約として、政府は無償化を検討中のようだが、どうも所得制限を考えているという報道がなされている。そもそも自民党が教育を無償化しようという理念は何なんだろう?国民が等しく教育を受ける権利を保障するというのであれば、金持ちも貧乏人も関係なく等しく平等であるべきだろう。自民党にはそれ程の覚悟はなく、単に票集めの公約で、公約した以上は、適当にお茶濁し的に、無償化に手を付けたという印象がしてならない。
だいたい無償化云々する前に、公立の幼稚園や保育園に誰もが入れるようにするのが先決だろう。無償化はそれ以降の課題だと思う。公立の幼稚園、保育園に入れず、仕方なしに私立や無認可の保育園に入らざるを得ない人たちについては、手厚い助成を行うというのが筋というものだ。
次に、所得制限についていうならば、どうも住民税が非課税世帯を考えているようだが、夫婦とも正規社員として働いている場合、非課税ということはあまりないように思う。対象を非課税世帯ということになると、真面目に働いている、真面目に働こうとしている世帯は、教育無償化の恩恵に与かれないということになりかねない。これは、非常に不合理な話ではないか?少子化が進行する理由の一つに、こうした人たちが子どもの教育費が膨大になり、将来的に育て上げることが難しそうだという思いが挙げられる。その人たちの不安をきちんと解消せずに、非課税世帯にだけ援助をしても、少子化の歯止めにはなりえないということだ。
明治維新で、全ての国民に等しく、義務教育を受けさせるという英断が、今日の日本の繁栄を生む出したことを考えると、教育というのは如何に大事なことかということが分る。党利党略というさもしい考えからではなく、真に日本の将来を考えて、きちんとした教育政策を立てて欲しいものだと切に思う次第です。