エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

浜益三山(浜益御殿、雄冬山、浜益岳)

2018年03月09日 | 山紀行 (増毛・夕張・芦別)
ブログ開設前の山紀行を編集しました・・・
         (1039m)          (1198m)         (1258m)
浜益御殿  雄冬山  浜益岳

浜益岳頂上直下から望む 左から「中ノ沢岳」「西暑寒岳」「暑寒別岳」

■ 山 行 日    2008年4月8日(木)~9日(金)   1泊2日
■ ル ー ト    幌村・浜益御殿南西尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №16
■ 登 山 形 態     山スキー
■ 地 形 図    1/25000地形図   「浜益」「雄冬」
■ 三角点・点名   浜益御殿・・・三等三角点  点名「牛石 ベコウシ」
           雄冬山・・・三等三角点  点名「雄冬山 ウフイヌプリ」
           浜益岳・・・一等三角点  点名「浜益岳 ハママスダケ」

■ コースタイム   1日目  登り 登山口~C1テン場 1時間30分
           2日目  登り  C1~浜益御殿      2時間20分  
                    浜益御殿~雄冬山     1時間40分
                    雄冬山~浜益岳      2時間30分
                下り  浜益岳~浜益御殿~登山口 3時間15分

<1日目登り>
10:50  林道車止め (起点から1.5キロ)
11:20  登山開始 (標高210m付近)
12:50  533mピーク
       テント設営 C1

13:35  偵察登山
15:35  テント帰還

<2日目 登り>
05:30  C1出発
07:50  浜益御殿頂上
~08:00
09:40  雄冬山頂上
~10:00
12:30  浜益岳頂上

<下り>
12:50  下山開始
13:35  浜益御殿頂上
15:00  テン場 テント撤収
~15:30  
16:05  登山口(駐車地)



ルート図はだいたいこんな感じ・・・

★ 中ノ沢岳からの約束山行・・・
難しい山だと思いながらも挑戦した3月の「中ノ沢岳」は、距離こそあれ意外にも簡単に登頂を果たし、
その感動もさる事ながら景色も最高だった。主峰・暑寒別岳は隣の西暑寒岳に隠れて迫力感はまったく
無かったが、鋭鋒・群別岳やどっしりとした浜益岳、頭だけ出した浜益御殿、均整のとれた格好の良い
雄冬山は眼下の暑寒別川を挟んだ対岸に聳え立ち、二人だけの貸切展望台「中ノ沢岳」から目に焼き
付けたばかりだ。
その中ノ沢岳で「今度はあっちから中ノ沢岳を見たいなぁ~」とつぶやいたのはチーヤンに他ならない。
そんな経緯(いきさつ)があってやって来た山行である。



登山口となった幌村の幌床丹林道・起点から1.5キロ地点に車を停める・・

【1日目 4月8日(木) くもり】
自宅を8:15に出発。
3月の時よりもずっと雪解けが進んだ下界の峠道を越えて日本海側の国道231号線厚田村に出る。
そして浜益村には10:25、登山口となる幌村には10:40に着いた。
幌川に架かる「新幌橋」を渡って500mほど行くと右手に「幌小学校前」と表示されたバス停があり
その分岐を右折する。すぐ正面には神社の赤い鳥居が目に入り道に沿って左折すると林道だ。
少し進むと二股となり分岐には「幌床丹線」と書かれた看板があり右折する。舗装された立派な林道が
延びていてここを起点に1.5キロ進む事が出来た。標高210m地点で10:50に着く。
その先は残雪も僅かながらハイエースの及ぶところではなく無理をせず道路脇に駐車した。
同じ場所には先客と思われる本州ナンバーのワゴン車が一台停めてあった。

11:20 スキーを両手に持って出発する。
300mほど歩くと残雪が多くなりスキーを履いて歩く。ルート上には先人の色々なトレースが多く
ここの山もメジャーになって来たのかなぁ~と思った。林道上標高360m付近で左に大きくカーブ
しているところで林道から外れ浜益御殿の南西尾根に取付いた。
多少密度の濃い林の尾根をコンパスで方向を定めて歩く。すると再び林道に出てしまったりするが
また南西尾根に戻って上を目指した。尾根に取付いてからは忠実にピンテを付けながら進み
12:50には地形図上の533mピークに着いた。今回はここをテン場と決めてピークの少し手前
にテントを設営した。時間も早く天気も良いので空身でルート偵察に出掛ける事にした。

残雪はたっぷりで雪質はザラメ状スキーには適した雪である。
しかし、ルート上には多くのトレースと残置されたテープが多く地図とコンパスで自分の示す道が
無くなってしまうのは残念だった。偵察中、先客と思われる本州ナンバーの持ち主には遭わなかったが
真新しいスキーのトレースが残っていたので恐らくテント設営中にすれ違ったものと思われる。
複雑な気持ちのまま導かれるようにトレースを辿ると標高835m地点まで登って来た。
チーヤン的には今日中に雄冬山まで往復したかった・・という思いもあったようだが、時間は
15:00を回り浜益御殿までもあと1.5キロもあるのでタイムアウトになると説明し
引き返す事にした。その頃、スノーモービルが一台上がって来てルート上を走り回っていたが、
私たちの近くには寄らずすぐに引き返して行った。スキートレースは無残にもキャタピラーの下で
跡形も無くなってしまった。
ここまで登り1時間30分だったが、下りはシールを外し30分も掛からずにテントに着いた。

到着後は、天気も良いので外で安着の乾杯と夕食を作って頂く。二次会はテントの中も酔いが回り
18:00過ぎには寝てしまった。



地図上の標高533mピーク手前に張ったテント


偵察で登った南西尾根の標高835m地点


天気が良いので外で夕食を作るのも楽しい・・・

★ 長丁場も山日和の出発・・・

【2日目 4月9日(金) 晴れ】
早過ぎる就寝で夜中に何度も目を覚ましたが普段以上に休養充分という夜だった。
3時過ぎには起床していつものコーヒーと朝食の準備を始める。
外は静かで風も無く晴れの兆しで山日和となりそうな朝を迎えた。

装備を大型ザックに入れて5:30に出発する。
風も無く快晴となって気分も最高だ。早朝で雪面は固く昨日のトレースの上を歩いても痕一つ
付かないほどだ。
眩しい朝陽が上り始める頃、昨日の偵察を打ち切った南西尾根の835m付近に着く。
右手に浜益岳、正面に浜益御殿、そして左手に雄冬山が見え始めて来る。浜益御殿の頂上近くに
なると尾根が細くなり東面の一部は稜線下から雪崩れていた。

7:50 浜益御殿に到着。
雄冬山と浜益岳の中間に位置するここは正に浜益三山の展望台だ。
暫しその眺望を楽しみながら遥かに見える雄冬山へのルートを見極める。
そして8:00に出発だ。

一旦東側の稜線コルに降りてから更に北尾根側に150mも降りる。少し、複雑な地形で
ガスると迷いやすいが、東西どちらに行き過ぎても沢形になるので何とか雄冬山の南尾根には
辿り着けるだろうルート取りだ。
南尾根1000m付近からは見た目以上に急斜度で細くスキーでは不安があるのでデポし
ツボ足で登る事にした。所々雪が腐っていて膝上まで埋まる事もあったが危険なところも無く
9:40に登頂した。遠くから見ると均整のとれた格好の良い「雄冬山」だが、登って見ると
広い台地状になっていて木は無くハイ松の一部が顔を出している。浜益御殿から見えなかった
群別岳の鋭鋒と暑寒別岳の雄姿は圧巻である。

思えば増毛山地の山々は、どのピークから眺めても絶景のビューポイントと言う感じで
それぞれが違った雄姿を見せつけ合うのが素晴らしい。

下りでは、浜益御殿から辿って来たルートを見下ろしながら、また群別岳や暑寒別岳と中ノ沢岳の
尾根を眺めながら降りる事になり楽しい下りだった。
あっと言う間にスキーデポ地点に着き、スキーを履いて往路を一気に降りて行く。
固かった雪面もすでに腐り始めザラメ状になってはっきりとしたトレースを残し御殿コルから
150m下った北尾根を登り返した。
登山開始から6時間が経ち、さすがの二人も快晴の大雪原歩きに少々疲れ気味。目指すピークは
あと一つ「浜益岳」だが、ここで帰る訳には行かなかった。

アップダウンのある広い尾根上を先人やモービルのトレースに誘われて辿って行くとどんどん
浜益岳が近くになり登行意欲が湧いてくるから不思議だ。最後の尾根を登ると隠れていた群別岳が
迫力ある近さで見えて来る。浜益岳の東側から北側の稜線雪庇と共に群別岳に延びる痩せた尾根と
切れ落ちた渓谷、他の山とは別格の鋭鋒がこれまでの景色と違った厳しさも感じた。
「とうとうここまで来たか」と言う思いでもあった。

ここも頂上手前ではスキーをデポしツボ足で登った。
12:30 浜益岳頂上に立つ。御殿のコルからは1時間10分だったが、行動開始からすでに
7時間経ってようやく踏んだ最後のピークに感動もひとしおだった。そして、最後の絶景を楽しんだ。


4/9  南西尾根 750m付近にて・・・


浜益御殿への登り


浜益御殿頂上手前


浜益御殿手前から見た「雄冬山」ズーム


浜益御殿南西尾根の東側を望む 「浜益御殿」左側 中央奥「中ノ沢岳」 右側「浜益岳の肩」


浜益御殿手前から望む「浜益御殿」右側と「雄冬山」左側


雄冬山への登り


雄冬山頂上にて


雄冬山頂上 背景は天狗岳


雄冬山頂上から群別岳を望む


浜益岳頂上 背景は群別岳


浜益岳から群別岳を望む

★ 調子乗り過ぎて・・・
「下りはとにかく早かった・・・」はずだった。

浜益岳から御殿コルまでは登り返しもあるのでシールを付けたまま降りたが、
それでも25分でコル、御殿頂上までは40分で着いた。
御殿で撮り忘れた頂上写真を撮りシールを外してテン場への下りを開始した。

痩せた尾根もアップダウンも西側の斜面をトラバースするように快適に滑って
行くとあっという間に700m付近まで来てしまう。
ルート的にはここから少し右側の尾根を辿るのが正解なのだが、快適なスキーに酔いしれて
トレースから外れてしまい降り過ぎてしまった。間違いにはすぐに気が付き修正したが
返る方向を間違えてルートから大きく外れてしまった。あっちだこっちだと言いながら
地形図も出さずに勘で降りたのが失敗だった。落ち着いて地形図とコンパスで特定し
方向を定めてシールを付け直し登り返した。

幸い30分程で本ルートに戻る事が出来て安堵したが、テントには15:00の到着。
テントを撤収して15:30に重いザックを背負い付けて来たピンテを回収しながら下山した。

着いてしまえば、やり遂げた満足感と充実感がふつふつと込み上げてくる。
改めてチーヤンと無事の下山に握手して感謝した。トレースだらけの山であれ調子に
乗り過ぎると罰が当たる・・・と、教訓した山行でもあった。

帰路では、浜益の名物「茹タコ」を買い北村温泉「やすらぎの湯」で汗を流して
19:30無事帰宅した。

次の増毛山魂は「群別岳」と決めた。



浜益岳を後に帰路の浜益御殿に向かう


帰路で撮った「浜益御殿頂上」にて 背景は雄冬山

★ 山紀行・・・


2008年4月に作成した紀行文です・・・

ブログ開設前に登った山の記録は、ワードで作成したものが多く残っている。
今回もその中から選んでブログ化したものです。
10年前の若かりし山行記を読み返し当時を思い出しながら懐かしむ事が出来ました。