風に吹かれたアン

旅歴、50年~世界中を放浪するのが夢。
40ヵ国は行ったけど、今年は再び中欧へ~

夏目漱石と「栗」

2020-09-15 20:48:39 | 文学・映画・芸術

 

「絵所を栗焼く人に尋ねけり」(漱石)




俳句を始めてから、「自然」が以前よりも身近に感じられるようになった。

先日、お昼ご飯を食べているとき、栗の話が出た。
秋といえば、栗やさつまいもが美味しい季節だ。

友人は器用な女性だ。 
八百屋さんで栗を買い、自分で栗をむいて自宅で栗ご飯を作る。

私は栗を剥くのが面倒なので、栗ご飯は買って来る(笑)



夏目漱石のロンドン留学時代の俳句に、栗を詠んだものがある。

「絵所を栗焼く人に尋ねけり」




絵所は美術館などのこと。明治34年2月1日の真冬。

Dulwich Picture Gallery の場所を聞くのに、焼き栗屋で栗を買いもとめた。
そのおじさんにギャラリーへの行き方を聞いたらしい。
英会話恐怖症?になりかかった漱石の日常が垣間見られる。

「もう英国は嫌になり候」と虚子に宛ててはがきを書いたのもこの頃だ。

わかる わかる~



一人旅でロンドンを旅した時、地図を持ってはいてもよく迷子になった。



道行く人に、片言の英語を話しかけるのさえ嫌になった覚えがある(笑)
右を向いても外国人、左を向いても外国の人。
現地の人から見れば、こちらが外国人なのではあるが・・・

日本では秋の季語の栗。



漱石のこの俳句を知った時、彼がすごーく身近に感じられた。



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