ヨーロッパへの旅は、日本から片道12時間ぐらいかかる。
若い時とは違い、飛行機に乗っている時間がだんだん苦痛になる(笑)
一人旅が好きだと言っても、旅程や費用などの計画も結構めんどうだ。
そこで、ツアーに参加してちょっと楽して旅行をする。
今回の旅の一番の目的は、ミラノでダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を
見ること。
ミラノには何回か行ったことがあるのに、
「最後の晩餐」を見る機会には恵まれず数十年がたってしまった。
それこそ、この旅がイタリアへの最後の旅になるかもしれない(笑)
ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会には
世界中から「最後の晩餐」を見るために人が来ていた。
今では前もって予約をした人だけが、中に入ることができる。
15分間の貴重な対面時間は、あっという間に過ぎた。
でも、思っていた以上に15分間は充実していた。
「至福の時」だったかもしれない。
「ヤー、やっとここまでたどり着いた!
長い人生でずっと憧れ続けていたものを少しだけ目にすることができたね」
自問自答しながら、絵と対峙したのだった。
ヨーロッパに旅する時はいつも、初めて訪れた若き日の旅を思い出す。
今の自分と、若き日の自分が重なり合って、時間が行ったり来たり
している感じだ。