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たかつき市民環境大学

2022-10-16 15:29:11 | たかつき市民環境大学

2022年10月13日(木)午前 10時~11時15分

第17回講座 「世界の財産 鵜殿のヨシ原」

講師:TKK自然観察会 代表 田口 圭介 さん

 

鵜殿のヨシ原とは、三川(宇治川、木津川、桂川)の合流地点から、約2.5Km下流の淀川右岸の河川敷に広がるヨシ原の群生地です。

面積は73haで、甲子園球場の約16倍にも及ぶ広大な広さがあり、野鳥や動植物にとっても貴重な生息地でもあります。

田口さんからは、以下のような内容のお話をいただきました。

1.淀川の流れと治水 (古代から江戸時代、現在に至る地形変化、治水工事そして歴史など)

2.鵜殿のヨシ原の自然を守る活動 (つる草取り、小学生への鵜殿教育)

  ・1971年以降治水工事の影響で、冠水がなくなり乾燥化が始まり、乾燥化に強い

   ツル性植物の繁茂によりヨシ原の衰退が始まった。

3.ヨシ原の自然観察会 (哺乳類、植物、野鳥、昆虫の観察状況)と生態系

4.鵜殿ヨシの活用(雅楽器のひちりき)や ヨシを守る運動の新しい展開 など

  ・世界広しと言えども、ひちりきの蘆舌(リード)は鵜殿のヨシ原でしか

   採取できない。

カヤネズミは、絶滅寸前とまで言われている小動物です。

田口さんのお言葉を紹介しておきます。

「鵜殿ヨシ原が抱える問題に色んな立場から取り組まれていますが、現在、これで解決という具合

にはいきそうにありません。でも、やっぱり鵜殿ヨシ原は素晴らしい、市民にとっては大きな自然

と文化の宝庫だと思います。次代に引き継ぐべき "財産”だと思います。」 以上 田口さん言葉

 

 高槻市民として、「鵜殿」という貴重な財産をもっていることに誇りを感じると共に、

次世代に残せるよう微力ながら努めたいと感じました。

 

◇ 「ナガエツルノゲイトウ バスターズの活動紹介」 11時15分~30分

   高槻市・ナガエツルノゲイトウバスターズ : 赤對(しゃくつい)さん 

                           (環境大學5期生)

  

 

  ナガエツルノゲイトウ(長柄蔓野鶏頭)は、南米原産で特定外来生物に指定され、

  「地球上最悪の侵略的植物」と呼ばれる。

  水草なのに乾燥に強く水陸両生、放置すれば ①水生植物を追いやる。 ②水田に入れば

  稲の生育を妨げる。 ③風や水流で茎が切れれば塊のまま流れ、水利施設を詰まらせる 

  などの恐れを引き起こす。  という厄介な植物です。  

 2016年以降、高槻市内で駆除作業が続けられていますが、繁殖抑制を実現する大原則は

「早期発見」「早期駆除」であり、市民による繁殖地の早期発見が大切とのことです。

 *バスターズの活動:  毎月 第1、第3水曜日 10時~12時 雨天中止  

             連絡先=高槻市立自然博物館(あくあぴあ芥川)

  皆さんの参加 お待ちしています。

 

2022年10月13日(木)午後12時45分~15時

第18回講座 「鵜殿のヨシ原を歩いてみよう」

講師:たかつき環境市民会議 辰巳 英輔 さん

スタートに先立ち、石碑前で辰巳さんから説明を受けました。

淀川流域には大小いくつかのヨシ原がありますが、鵜殿は最大規模であり、関西自然に親しむ

風景百選にも選ばれていて、当日は好天に恵まれ目前に天王山や石清水八幡宮で知られる男山

そして遠くには比叡山も見ることができました。

河川敷に降りて鵜殿への入り口には、地図の看板がありました。

鵜殿ヨシ原には、ヨシの仲間以外に数百種類の植物が生育しており、その中には希少種といわれる種も確認されているそうです。

当日は、事前に鵜殿でみられる植物40種類のリストが配布され、辰己さんの説明を聞きながら

一つ一つリストと照らし合わせながら鵜殿を約2時間散策しました。

前半は圧倒的にツル性植物が多く、1列になって進みます。ヨシは見えません。

ヨシの天敵であり、ヨシ群落に悪影響を与える カナムグラです。木や草にからみつきます。

ナンバンギセル (その花の姿から思い草ともいわれる万葉植物の一つ とのことです)

ヒメジョオン

オオイヌタデ

3mほどに成長した ヨシ (本年多数のボランティアの手でつる草取りがされた区域)

行程の終盤にやっとめぐり逢えました。

辰巳さんから教えていただきました。

葭:芽生えの時のヨシ  蘆:成長期のヨシ  葦:穂が出たところのヨシ(今の時期)

お疲れ様でした。約2時間の行程を終えて土手に戻ったところです。 (右に説明看板)

今回は、植物観察を主に散策しましたが、鵜殿は小動物や野鳥の宝庫でもあるそうです。

チャンスがあれば、カヤネズミやホンドキツネ、オオタカやミミズクに出会いたいものです。

 

次回の講座 10月27日(木)

午前:「生物多様性保全と里地里山」

午後:「里山を歩いてみよう」

講師:兵庫県立大学 名誉教授  服部 保 さん

場所:原公民館 集合

 

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