電力需給見通しの精度向上を考える

先般の東電社長による「関電に電力を融通する用意がある」発言に驚いた。
ついこの間まで電力危機を煽り立て電力消費の抑制に躍起だったのだがいつの間に他の電力会社に融通できるほど余裕が生まれたのだろうと思ってしまったのだ。
勿論困っている他地域に支援の手を差し伸べるのは大変美しい話だが東電管内の大口需要家は工場操業日の変更や法的制限まで受け入れ対応しているのに今から電力融通を公約するのはいささか早計ではないか。
各電力会社はさらに電力需給見通しの精度を上げ先ずは管内での需給バランス確保に腐心すべきであろう。
その上でどうしても融通の必要が生じた場合は第三者機関が間に入り調整すべきだ。
電力会社間の安易なやりとりは域内での節電意欲をそぎ経済活動にも大きな影響を与えかねない。
それだけ重要な問題なのだ。
冒頭の東電社長発言も「電力需給逼迫度に応じて(全国の電力会社が）相互に協力する体制の構築が重要」など一般論に留めるべきだったと思う。