「付言」で遺言者の思いを伝えることにより、財産分割もスムーズに!!
遺言において、子供は独立してうまくやっているし、長年連れ添った妻に全財産をやりたいとか、体の弱い子がいてその子のみにあげたいとかいうときに、「悪い」息子・娘がいた場合は、私の分はどうなるのというようなことになりかねません。
法律的には、妻1/2、子1/2の分け前はあります。これを、遺言で取り分を決めしまうということになるわけですが、相続人のために最低残しておかなければならない財産の範囲(比率・これを「遺留分」と言います。)がありますので、これを上まわってしまった場合は、その相続人はその分を取り戻すことができます。(これを「遺留分減殺請求」といいます。) 法律の最低限の分け前(遺留分)は、法律で定まっている取り分の1/2です。(ただし、親・祖父母だけの場合についてのみ1/3です。また、兄弟の場合は、遺留分はない。) ですから、子1人で妻に遺言で全部相続させるとした場合についても、子の遺留分は、法律上の取り分1/2のさらに1/2ということで、1/2×1/2=1/4が遺留分ということになります。せっかく、妻に全財産を残したいとしても、遺留分を主張されたのでは、妻に生活費としてやっと残せたのに妻の取り分が少なくなってしまいます。
こんな場合に、実務ではよく使われるのに、「付言」というのがあるそうです。一般的には、付言とは、付け足していうことですが、遺言でも末尾に付け足していうことばを指すようです。家族への感謝のことば、葬儀や法要の希望など自由な形で何を書いても構いませんが、法的な拘束力はありません。
もともと、遺言できる事項は、法律で決められています。よく知られているのが、認知(結婚外でできた子供を自分の子と認めること)、ほかに、未成年後見人の指定、遺贈や遺言執行者の決定などである。最もよく出てくるのに、遺産分割の分け前を決めることですが、この分け前で不満のある者が出てこないように、また、円滑に財産分けができるようにするのに、この「付言」でその理由・思いを綴るといいといわれている。再度言いますが、この付言には全く法的な拘束力はなく、全く法的には意味をもちません。しかし、こうした理由を伝えることによって、他の相続人が、遺言者の意思を尊重し納得することもあるからです。
ここで大竹夏夫弁護士は、著書「はじめての遺言書マニュアル」(秀和システム)において、財産分けで相続人以外の人に遺贈したり、特定の誰かに特に多く遺産を渡したりした場合等で、付言でなぜそうしたのかを次のような付言の例を挙げて、説明しています。短くてもいいので、相続を受ける人たちに、自分の気持ちが伝わるように、説得力のある文章にすることが大切です。
1、配偶者にすべてを相続させた場合
付言 この遺言によって、私は、妻花子にすべての財産を相続させます。
それは、今後の花子の生活に不安がないようにすることを第一に考えて記したものです。
その意思を尊重して、子供たちには遺留分の請求などしないように望みます。
2、子がいるのに、甥の相続人以外に相続した場合
付言 甥の啓太に預貯金を残すことにしたのは、早くに父を失って苦労してきたので、
少しでも今後の生活に安心を得てほしいと思ったからです。
また長男の一郎には、大学院卒業までの学費を提供しているので、この点も考慮して配分を決めています。
みんな、父の思いを分かってくれると信じています。
3、長男に多く相続させ、長男の妻にも遺贈した場合
付言 長男浩一郎は、父一郎が残した店を継いでくれました。
妻のさなえさんは、私と同居し病気がちな私をよく看病してくれました。
おかげで(長女)と(次女)には迷惑をかけずに暮らして来られました。
それを考え、このような内容にしています。
皆が仲良く幸せに暮らせるように願っています。
ただ、一番いい方法は、生前に前もって、皆の了解を得ておくことだと思いますが、事によっては、そうもできない事が多そうですからね。
遺言において、子供は独立してうまくやっているし、長年連れ添った妻に全財産をやりたいとか、体の弱い子がいてその子のみにあげたいとかいうときに、「悪い」息子・娘がいた場合は、私の分はどうなるのというようなことになりかねません。
法律的には、妻1/2、子1/2の分け前はあります。これを、遺言で取り分を決めしまうということになるわけですが、相続人のために最低残しておかなければならない財産の範囲(比率・これを「遺留分」と言います。)がありますので、これを上まわってしまった場合は、その相続人はその分を取り戻すことができます。(これを「遺留分減殺請求」といいます。) 法律の最低限の分け前(遺留分)は、法律で定まっている取り分の1/2です。(ただし、親・祖父母だけの場合についてのみ1/3です。また、兄弟の場合は、遺留分はない。) ですから、子1人で妻に遺言で全部相続させるとした場合についても、子の遺留分は、法律上の取り分1/2のさらに1/2ということで、1/2×1/2=1/4が遺留分ということになります。せっかく、妻に全財産を残したいとしても、遺留分を主張されたのでは、妻に生活費としてやっと残せたのに妻の取り分が少なくなってしまいます。
こんな場合に、実務ではよく使われるのに、「付言」というのがあるそうです。一般的には、付言とは、付け足していうことですが、遺言でも末尾に付け足していうことばを指すようです。家族への感謝のことば、葬儀や法要の希望など自由な形で何を書いても構いませんが、法的な拘束力はありません。
もともと、遺言できる事項は、法律で決められています。よく知られているのが、認知(結婚外でできた子供を自分の子と認めること)、ほかに、未成年後見人の指定、遺贈や遺言執行者の決定などである。最もよく出てくるのに、遺産分割の分け前を決めることですが、この分け前で不満のある者が出てこないように、また、円滑に財産分けができるようにするのに、この「付言」でその理由・思いを綴るといいといわれている。再度言いますが、この付言には全く法的な拘束力はなく、全く法的には意味をもちません。しかし、こうした理由を伝えることによって、他の相続人が、遺言者の意思を尊重し納得することもあるからです。
ここで大竹夏夫弁護士は、著書「はじめての遺言書マニュアル」(秀和システム)において、財産分けで相続人以外の人に遺贈したり、特定の誰かに特に多く遺産を渡したりした場合等で、付言でなぜそうしたのかを次のような付言の例を挙げて、説明しています。短くてもいいので、相続を受ける人たちに、自分の気持ちが伝わるように、説得力のある文章にすることが大切です。
1、配偶者にすべてを相続させた場合
付言 この遺言によって、私は、妻花子にすべての財産を相続させます。
それは、今後の花子の生活に不安がないようにすることを第一に考えて記したものです。
その意思を尊重して、子供たちには遺留分の請求などしないように望みます。
2、子がいるのに、甥の相続人以外に相続した場合
付言 甥の啓太に預貯金を残すことにしたのは、早くに父を失って苦労してきたので、
少しでも今後の生活に安心を得てほしいと思ったからです。
また長男の一郎には、大学院卒業までの学費を提供しているので、この点も考慮して配分を決めています。
みんな、父の思いを分かってくれると信じています。
3、長男に多く相続させ、長男の妻にも遺贈した場合
付言 長男浩一郎は、父一郎が残した店を継いでくれました。
妻のさなえさんは、私と同居し病気がちな私をよく看病してくれました。
おかげで(長女)と(次女)には迷惑をかけずに暮らして来られました。
それを考え、このような内容にしています。
皆が仲良く幸せに暮らせるように願っています。
ただ、一番いい方法は、生前に前もって、皆の了解を得ておくことだと思いますが、事によっては、そうもできない事が多そうですからね。