事務所衛生基準規則(8) 事務所則の紹介
1 事務所衛生基準規則(事務所則)の紹介としては、シリーズの最終回となりました。事務所衛生基準規則といってきましたが、これは、もともとは労働安全衛生法(安衛法)に基づく規程です。
2 安衛法第23条 事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない。(「風紀」日常生活の上で守るべき道徳上の規律、特に男女交際についての規律や節度~大辞林、具体的には、トイレや休養室の男女の区分のことを指しているのでしょうか。)
3 安衛法23条の規定に基づく「労働者の健康、風紀及び生命の保持のための必要な措置」として、具体的に定めたものが、この事務所則(省令)というわけです。健康・風紀・生命の維持の観点から規定しているのであれば、周知徹底が図られていないとはいえ、これを遵守しないことは、世間でいわれる単なるコンプライアンス違反以上のものがあるともいえます。
事務所則を今までズズ~ズットと紹介してまいりました。老婆心といえるような、「そこまで規則で言うのかというようなものがある」との私の感想を述べたところもありましたが、そういった意味からの規定ですので、本当に大きな意義があると思われます。
5 老婆心といえば、まだ具体的に紹介していなかったものとして、「温度」の規制があります。
(温度)第4条 事業者は、室の温度が10度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。
② 事業者は、室を冷房する場合は、当該室の気温を外気温より著しく低くしてはならない。ただし、電子計算機等を設置する室において、その作業者に保温のための衣類等を着用させた場合は、この限りではない。
(これは、以前からある条文ですし、労働者のための規制ということから考えますと、エコとか省エネルギーの観点からというよりは、労働者の健康への配慮と考えるべきでしょう。)
6 さて、事務所則には、罰則がついているのだろうかということになりますが、安衛法23条に基づいた、その具体的な措置を定めた事務所則である以上、安衛法23条に罰則があるならば、事務所則という省令であろうと理論的には、罰則があることになります。
119条 次のいずれかに該当するのものは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
① ・・・・ 第20条から第25条までの規定に違反した者・・・・②・・・③・・・④・・・
となっており、努力義務を除いて、しなければならないとされているのは、罰則があることになります。
そうであれば、もっと規定自体をも周知した上で・・・となるべきでしょうが、われわれ社労士にもその責任のいったんはあるとも言えますので、なんとも・・・・と歯切れの悪い言い方になってしまいました。失礼しました。
1 事務所衛生基準規則(事務所則)の紹介としては、シリーズの最終回となりました。事務所衛生基準規則といってきましたが、これは、もともとは労働安全衛生法(安衛法)に基づく規程です。
2 安衛法第23条 事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない。(「風紀」日常生活の上で守るべき道徳上の規律、特に男女交際についての規律や節度~大辞林、具体的には、トイレや休養室の男女の区分のことを指しているのでしょうか。)
3 安衛法23条の規定に基づく「労働者の健康、風紀及び生命の保持のための必要な措置」として、具体的に定めたものが、この事務所則(省令)というわけです。健康・風紀・生命の維持の観点から規定しているのであれば、周知徹底が図られていないとはいえ、これを遵守しないことは、世間でいわれる単なるコンプライアンス違反以上のものがあるともいえます。
事務所則を今までズズ~ズットと紹介してまいりました。老婆心といえるような、「そこまで規則で言うのかというようなものがある」との私の感想を述べたところもありましたが、そういった意味からの規定ですので、本当に大きな意義があると思われます。
5 老婆心といえば、まだ具体的に紹介していなかったものとして、「温度」の規制があります。
(温度)第4条 事業者は、室の温度が10度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。
② 事業者は、室を冷房する場合は、当該室の気温を外気温より著しく低くしてはならない。ただし、電子計算機等を設置する室において、その作業者に保温のための衣類等を着用させた場合は、この限りではない。
(これは、以前からある条文ですし、労働者のための規制ということから考えますと、エコとか省エネルギーの観点からというよりは、労働者の健康への配慮と考えるべきでしょう。)
6 さて、事務所則には、罰則がついているのだろうかということになりますが、安衛法23条に基づいた、その具体的な措置を定めた事務所則である以上、安衛法23条に罰則があるならば、事務所則という省令であろうと理論的には、罰則があることになります。
119条 次のいずれかに該当するのものは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
① ・・・・ 第20条から第25条までの規定に違反した者・・・・②・・・③・・・④・・・
となっており、努力義務を除いて、しなければならないとされているのは、罰則があることになります。
そうであれば、もっと規定自体をも周知した上で・・・となるべきでしょうが、われわれ社労士にもその責任のいったんはあるとも言えますので、なんとも・・・・と歯切れの悪い言い方になってしまいました。失礼しました。