休日の場合の一日は、0時~24時!<これは就業規則でも変えられません>
1週間のうち1日を休日として与える という場合の1週間のスタートは、原則的には日曜日であるが、就業規則で月曜日に変えられるというのは、前回お話ししたとおりです。クリニックでは、日曜日を休日にしなくて、水曜日に持ってきているところも見かけますが、木曜日から週のスタートもできることになります。
では、この休日の場合の「一日」というのは、どうでしょうか。この休日の一日の概念は、午前0時から午後12時までの暦日をいい、どこからでも24時間継続した時間というわけではなく、午後0時から継続した24時間ということで徹底しております。スタートは会社の法である就業規則で持っても変えることはできません。週の始まりのように、就業規則で定めて決めるわけにはいかないのです。民法上では、期間計算において、一日という場合は、午前0時から始まります。午前0時から始まらない時は、翌日からのまる一日を期間の始めとしてカウントしますが、これと軌を一にするものと思われます。(以下、単なる会社の休日ではないということで、この休日のことを正確をきすために「法定休日」といいます。)
そこで、法定休日の前日から、働いていて深夜の12時を過ぎて30分だけ働いた、すなわち0時30分まで働いた場合には、その30分間はその日の法定「休日」に働いたことになります。(平6.5.31基発331号) この深夜12時を過ぎた時点から、一般的な時間外割増賃金の2割5分増ではなく、「休日労働」の3割5分増となります。ここは、厳格にとらえられています。
どこかの、時間外パソコンソフトで「前日」に続く時間外労働として、その日の深夜12時以降に働いたその30分の「超過勤務」を入力した後で、その日の法定「休日」を別の日に振り替えようとしたところ、入力できなかったと聞いたことが、あるような、ないようなことがありましたが、それはパソコンソフトが間違っているのではありません。ソフト入力方法は分かりせん(パソコンにうとい私としては、ごまかします。)が、少なくとも深夜12時を過ぎれば、法定「休日」に入っているとの認識がなければなりませんので、その法定「休日」を30分だけ労働しています。ゆえに、その一部を労働した法定「休日」を別の日に振り返ることはできません。働かないのが法定「休日」ですから、すでに働いてしまっている法定の「休日」は、振替できないのです。深夜12時を過ぎれば、法定の「休日労働」の認識がなければなりません。単なる前日から続く時間外ではないのです。
また、その休日振替の例ですが、休日を振替える場合は、あらかじめ、いつの勤務日といつの休日を振り替えるということをその従業員に言っておかなければ、なりませんよね。前もって、従業員もわかっていなければ、その日を午前0時から始まる「休日」として、まるまる使えませんから、当たり前のことでしょう。この「あらかじめ」「前もって」は少なくとも「前日以前に予告して振り返るべきもの」とされております。
前日ですから、少なくとも深夜12時前には、言っておかなければならないことになります。緊急の用件が出来たので、法定休日の当日の朝になって、振替をするから、出勤してくれと言っても、振替は認められません。振替の要件を満たしていないので、その日は、法定の休日労働として、3割5分増の給与を払わねばなりません。法定の休日労働として処理すれば、問題はありません。あくまでも振替としては認められません。
しかし、明日が法定休日でその前日の午後10時ごろ、職場の長から電話がかかってきて、振り返るからといわれても、前もって言ったことになるのでしょうか。まだ準備も何もできていなくて働かざるを得ません。そこで、少なくとも、前日の勤務終了時までは周知すべきものと考えられています。そうでなければ、労働者保護に欠けます。(昭27.7.31基収3786号、昭55.3.28横浜地裁三菱重工横浜造船所事件9)
このように、法定の休日の一日の考え方には、まず厳密に午前0時からスタートし、そのうえで、常識的に、労働者保護の観点からの枠をはめて考えなければなりませんので、注意しておきましょう。
1週間のうち1日を休日として与える という場合の1週間のスタートは、原則的には日曜日であるが、就業規則で月曜日に変えられるというのは、前回お話ししたとおりです。クリニックでは、日曜日を休日にしなくて、水曜日に持ってきているところも見かけますが、木曜日から週のスタートもできることになります。
では、この休日の場合の「一日」というのは、どうでしょうか。この休日の一日の概念は、午前0時から午後12時までの暦日をいい、どこからでも24時間継続した時間というわけではなく、午後0時から継続した24時間ということで徹底しております。スタートは会社の法である就業規則で持っても変えることはできません。週の始まりのように、就業規則で定めて決めるわけにはいかないのです。民法上では、期間計算において、一日という場合は、午前0時から始まります。午前0時から始まらない時は、翌日からのまる一日を期間の始めとしてカウントしますが、これと軌を一にするものと思われます。(以下、単なる会社の休日ではないということで、この休日のことを正確をきすために「法定休日」といいます。)
そこで、法定休日の前日から、働いていて深夜の12時を過ぎて30分だけ働いた、すなわち0時30分まで働いた場合には、その30分間はその日の法定「休日」に働いたことになります。(平6.5.31基発331号) この深夜12時を過ぎた時点から、一般的な時間外割増賃金の2割5分増ではなく、「休日労働」の3割5分増となります。ここは、厳格にとらえられています。
どこかの、時間外パソコンソフトで「前日」に続く時間外労働として、その日の深夜12時以降に働いたその30分の「超過勤務」を入力した後で、その日の法定「休日」を別の日に振り替えようとしたところ、入力できなかったと聞いたことが、あるような、ないようなことがありましたが、それはパソコンソフトが間違っているのではありません。ソフト入力方法は分かりせん(パソコンにうとい私としては、ごまかします。)が、少なくとも深夜12時を過ぎれば、法定「休日」に入っているとの認識がなければなりませんので、その法定「休日」を30分だけ労働しています。ゆえに、その一部を労働した法定「休日」を別の日に振り返ることはできません。働かないのが法定「休日」ですから、すでに働いてしまっている法定の「休日」は、振替できないのです。深夜12時を過ぎれば、法定の「休日労働」の認識がなければなりません。単なる前日から続く時間外ではないのです。
また、その休日振替の例ですが、休日を振替える場合は、あらかじめ、いつの勤務日といつの休日を振り替えるということをその従業員に言っておかなければ、なりませんよね。前もって、従業員もわかっていなければ、その日を午前0時から始まる「休日」として、まるまる使えませんから、当たり前のことでしょう。この「あらかじめ」「前もって」は少なくとも「前日以前に予告して振り返るべきもの」とされております。
前日ですから、少なくとも深夜12時前には、言っておかなければならないことになります。緊急の用件が出来たので、法定休日の当日の朝になって、振替をするから、出勤してくれと言っても、振替は認められません。振替の要件を満たしていないので、その日は、法定の休日労働として、3割5分増の給与を払わねばなりません。法定の休日労働として処理すれば、問題はありません。あくまでも振替としては認められません。
しかし、明日が法定休日でその前日の午後10時ごろ、職場の長から電話がかかってきて、振り返るからといわれても、前もって言ったことになるのでしょうか。まだ準備も何もできていなくて働かざるを得ません。そこで、少なくとも、前日の勤務終了時までは周知すべきものと考えられています。そうでなければ、労働者保護に欠けます。(昭27.7.31基収3786号、昭55.3.28横浜地裁三菱重工横浜造船所事件9)
このように、法定の休日の一日の考え方には、まず厳密に午前0時からスタートし、そのうえで、常識的に、労働者保護の観点からの枠をはめて考えなければなりませんので、注意しておきましょう。