ただただ賢秀の真人間化に期待するが「ドラマの展開と登場人物の描き方」をもっとリアルに!!
岸田内閣の基本姿勢は、「信頼」と「共感」である。確かにこの「共感」「信頼」が国民から得られている限り、支持率は上がるであろうが・・・。NHK朝ドラ「ちむどんどん」の分析もこの「共感」「信頼」のキーワードで解くことができそうだ。朝ドラ「ちむどんどん」は最終に近づいてきたが、どうも途中からの評判がよくない、ストーリーが破綻しているといわれる始末。確かに主人公の比嘉暢子にしても、父からは遺言どおりの「好きなように生きよ」のことばどおりに、ただ料理と食べることが好きなだけという生き方。東京に出て料理人を目指すが、フォンターナのオーナーには、従業員の立場で「料理」の喧嘩を売るわということで、少し世間の常識から外れた性格のようだ。物語終盤になって、目標であった「ちむどんどん」という沖縄料理店を開業するが、経営能力からみてどうかとか、経営者としての計画性のなさにはあきれるほど。それこそ、後半になって、時代背景もあろうが、比嘉賢秀が勤める養豚業や暢子の夫信彦の母が言う「牛飼い」がそんなにはずかしい職業なのかとの思いや食品ロスの問題について、もっと丁寧に取り扱えないのか。ことほどさように、いちいち取り上げないところであるが、また、あまり成長もしないような、主人公暢子の描き方についても実に粗雑で見ていられないのである。
暢子は、フォンターナに多大な迷惑をかけ独立開業はしたがつぶれてしまった、フォンターナの元先輩であった矢作の腕を見込んでシェフとして雇う。最初は暢子に矢作は反発していた。ある日、暢子はやっと工面した開業資金の返済金を店のカウンターに置き忘れた。矢作が一人店にいたので、暢子のおさななじみ砂川智(野菜の仕入れを行っている)から真っ先に取ったと疑われるが、暢子一人が矢作はそんな人間ではないと言い張る。矢作がレジになおしておいたことが分かり皆はほっとするという結末である。そのとき、矢作は砂川智と酒を飲みかわしながら、暢子が「前科のある」自分を信じていたことがうれしくて、共同経営の話があったがこれを断って、暢子が船長である船を共に乗っていこうと誓ったと言った。
ここでやっと作者の意図がわかってきた。「信頼」である。長男の賢秀も子供のころから、いいかげんな人間で大きなことを言っては騙される。そして、父親は賢秀が明らかに間違っていると思える場面でもお前を信じるといったのである。父亡き後も、何度も何度も騙されて詐欺まがいの商売を行うが、今度は母親からお金を無心するという設定。この家族はどうなっているのだろかと思うくらい何度の何度もだまされても母親はそれでも信じる。どうもここまでくると、一般のテレビをみている視聴者は、この人たちなんだろうと思ってしまうのであるが、それでも母は賢秀がしていることだからとどうにか金の工面をする。詐欺どころでなく悪の道にそまってしまった社長が運営するマルチ商法に引っかかったケースでは、暢子自身が店の開業資金に用意していた資金を長男賢秀が助かればいいと相手に手渡してしまう。物語自体がそこまでするというのかという、まことに納得がいかない物語の展開である。第一、借金ばかりしている返済については、どこで穴埋めしたのか分からないのだ。不思議なことに、長男賢秀は沖縄と東京などを飛び回っているのだけれどもこの金はどこから出たのだろう。このハチャメチャな物語の展開も、比嘉家の家族愛というか、これも、ただただ「信頼」するという一点では、スジが通っているように思う。結局、この物語のテーマは、「信頼」だったのだ。(ただひたすらこの盲目的な「家族愛」にも映るのも納得はしてはないのだが・・・)
「共感」という見方については、視聴者が「共感できるか」という点に尽きる。この共感なくして、ストーリーは進められないし、ストーリーが破綻していると取られる原因のようだ。東洋新聞の同僚の大野愛と恋人だった青柳和彦、前述のおさななじみの砂川智と暢子の4角関係の結末。智が暢子に告白するシーンでも、幼いころからずっと好きだった智が告白しているにも関わらず、暢子はそれを幼いころからの「友情」だと断言してしまうのである。暢子は智の告白に向き合いもせずに済ましてしまう性格の悪さ(サバサバしているのか)、どうも、朝ドラファンとしては、こんなデリケートなところを納得できる形に出来なかったのかと思う。本当に物語の展開には「共感できない」のである。ストーリーが破綻しているといわれるも、こうふうに進行するだろうと期待するのだけれども見事に裏切られるという、実にこの納得感・「共感」できるところがないというのが、そう思わせるところであろう。
やっと終盤になってきたが、「ちむどんどん」の店を立て直すのは、暢子が「信頼」した「矢作の存在」が大きいように思う。唯一シェフとして、また失敗したといえ元経営者として、今後、矢作の言動(ちょっとひねくれた物言いと態度)への「信頼」「共感」(経営面では物言いは別として、矢作の言動は的を得ているのではないかと思う。)が、ドラマ進行を立て直して、「ちむどんどん」という店を軌道にのせていくものと信じる。この信頼・共感がこのドラマのキーワードだったのだ。そして賢秀が猪野清恵とともに地道に養豚経営に乗り出し、智と比嘉歌子との仲がうまくいきますように祈ります。脱線部分もありあっち飛びこっち飛びのドラマ展開だが、少なくとも朝のドラマとして、ドラマ展開が視聴者の期待を裏切ることなく、そして暢子もちょっとは人間的に成長したと思わせるような終盤を迎えたいものです。主人公を演じる黒島結菜は、好きな女優さんですので、物語の中で嫌いにならないように、最後まで頑張って、ストーリーの中で少しは成長していただきたいのです。
岸田内閣の基本姿勢は、「信頼」と「共感」である。確かにこの「共感」「信頼」が国民から得られている限り、支持率は上がるであろうが・・・。NHK朝ドラ「ちむどんどん」の分析もこの「共感」「信頼」のキーワードで解くことができそうだ。朝ドラ「ちむどんどん」は最終に近づいてきたが、どうも途中からの評判がよくない、ストーリーが破綻しているといわれる始末。確かに主人公の比嘉暢子にしても、父からは遺言どおりの「好きなように生きよ」のことばどおりに、ただ料理と食べることが好きなだけという生き方。東京に出て料理人を目指すが、フォンターナのオーナーには、従業員の立場で「料理」の喧嘩を売るわということで、少し世間の常識から外れた性格のようだ。物語終盤になって、目標であった「ちむどんどん」という沖縄料理店を開業するが、経営能力からみてどうかとか、経営者としての計画性のなさにはあきれるほど。それこそ、後半になって、時代背景もあろうが、比嘉賢秀が勤める養豚業や暢子の夫信彦の母が言う「牛飼い」がそんなにはずかしい職業なのかとの思いや食品ロスの問題について、もっと丁寧に取り扱えないのか。ことほどさように、いちいち取り上げないところであるが、また、あまり成長もしないような、主人公暢子の描き方についても実に粗雑で見ていられないのである。
暢子は、フォンターナに多大な迷惑をかけ独立開業はしたがつぶれてしまった、フォンターナの元先輩であった矢作の腕を見込んでシェフとして雇う。最初は暢子に矢作は反発していた。ある日、暢子はやっと工面した開業資金の返済金を店のカウンターに置き忘れた。矢作が一人店にいたので、暢子のおさななじみ砂川智(野菜の仕入れを行っている)から真っ先に取ったと疑われるが、暢子一人が矢作はそんな人間ではないと言い張る。矢作がレジになおしておいたことが分かり皆はほっとするという結末である。そのとき、矢作は砂川智と酒を飲みかわしながら、暢子が「前科のある」自分を信じていたことがうれしくて、共同経営の話があったがこれを断って、暢子が船長である船を共に乗っていこうと誓ったと言った。
ここでやっと作者の意図がわかってきた。「信頼」である。長男の賢秀も子供のころから、いいかげんな人間で大きなことを言っては騙される。そして、父親は賢秀が明らかに間違っていると思える場面でもお前を信じるといったのである。父亡き後も、何度も何度も騙されて詐欺まがいの商売を行うが、今度は母親からお金を無心するという設定。この家族はどうなっているのだろかと思うくらい何度の何度もだまされても母親はそれでも信じる。どうもここまでくると、一般のテレビをみている視聴者は、この人たちなんだろうと思ってしまうのであるが、それでも母は賢秀がしていることだからとどうにか金の工面をする。詐欺どころでなく悪の道にそまってしまった社長が運営するマルチ商法に引っかかったケースでは、暢子自身が店の開業資金に用意していた資金を長男賢秀が助かればいいと相手に手渡してしまう。物語自体がそこまでするというのかという、まことに納得がいかない物語の展開である。第一、借金ばかりしている返済については、どこで穴埋めしたのか分からないのだ。不思議なことに、長男賢秀は沖縄と東京などを飛び回っているのだけれどもこの金はどこから出たのだろう。このハチャメチャな物語の展開も、比嘉家の家族愛というか、これも、ただただ「信頼」するという一点では、スジが通っているように思う。結局、この物語のテーマは、「信頼」だったのだ。(ただひたすらこの盲目的な「家族愛」にも映るのも納得はしてはないのだが・・・)
「共感」という見方については、視聴者が「共感できるか」という点に尽きる。この共感なくして、ストーリーは進められないし、ストーリーが破綻していると取られる原因のようだ。東洋新聞の同僚の大野愛と恋人だった青柳和彦、前述のおさななじみの砂川智と暢子の4角関係の結末。智が暢子に告白するシーンでも、幼いころからずっと好きだった智が告白しているにも関わらず、暢子はそれを幼いころからの「友情」だと断言してしまうのである。暢子は智の告白に向き合いもせずに済ましてしまう性格の悪さ(サバサバしているのか)、どうも、朝ドラファンとしては、こんなデリケートなところを納得できる形に出来なかったのかと思う。本当に物語の展開には「共感できない」のである。ストーリーが破綻しているといわれるも、こうふうに進行するだろうと期待するのだけれども見事に裏切られるという、実にこの納得感・「共感」できるところがないというのが、そう思わせるところであろう。
やっと終盤になってきたが、「ちむどんどん」の店を立て直すのは、暢子が「信頼」した「矢作の存在」が大きいように思う。唯一シェフとして、また失敗したといえ元経営者として、今後、矢作の言動(ちょっとひねくれた物言いと態度)への「信頼」「共感」(経営面では物言いは別として、矢作の言動は的を得ているのではないかと思う。)が、ドラマ進行を立て直して、「ちむどんどん」という店を軌道にのせていくものと信じる。この信頼・共感がこのドラマのキーワードだったのだ。そして賢秀が猪野清恵とともに地道に養豚経営に乗り出し、智と比嘉歌子との仲がうまくいきますように祈ります。脱線部分もありあっち飛びこっち飛びのドラマ展開だが、少なくとも朝のドラマとして、ドラマ展開が視聴者の期待を裏切ることなく、そして暢子もちょっとは人間的に成長したと思わせるような終盤を迎えたいものです。主人公を演じる黒島結菜は、好きな女優さんですので、物語の中で嫌いにならないように、最後まで頑張って、ストーリーの中で少しは成長していただきたいのです。