元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

年金アドバイザー2級試験の文章説明題の学習整理について<受験対策編>

2015-07-25 16:11:23 | 社会保険労務士
 年金アド2級によく出てくる必須の文章説明の問題があります<その問題と解答>

 年金アドバイザー試験(2級)は、全部記述式の解答を求めるものであり、計算式と文章で説明を求めるものに大別される。たまには、選択肢のない直接の穴埋め問題もあるが、ほとんどが文章で説明を求めるものである。その中でとっかえひっかえ出てくる問題として、次のような問題がある。問題解説集を見ると、その問題の解答文は、まさに簡潔に整理されており、本当に模範解答といえるまとめ方がされているので、そっくりそのまま解答用紙に再現できれば、満点であろう。
 覚え方は、白紙の紙になにも見ずに、一度自分なりの解答を書いてみて、説明の足りなかったところや漏れていた部分等をチェックし、それを数回繰り返せば、模範解答そのものを作成できます。だまされたと思ってやってみてください。

1Q ○子さんが△夫さんの死亡による遺族厚生年金を受給することができる理由(支給要件)について、簡潔に説明してください。
1A △夫さんの死亡は、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしている者の死亡に該当し、△夫さんの死亡当時、○子さんは△夫さんに生計を維持されていた配偶者(妻)であったため。
 遺族年金の支給要件であるが、これをそのまま覚えておいてそのまま使ったら模範解答になるでしょう。ただし、太字部分は、被保険者の死亡、老齢厚生年金の受給権者又は老齢厚生年金の受給資格期間を満たしている者の死亡など死亡した者がどれに該当するかによって、この部分を使い分けることが必要です。

2Q ○子さんが受給する遺族厚生年金(短期要件)の保険料納付要件を満たしている理由を、原則の要件、特例の要件に分けて、年月及び月数を示したうえ、簡潔に説明してください。
2A 原則の要件:死亡日の前日において、昭和××年×月から平成○○年〇○月までの△△△月の全てが保険料納付済期間であり、保険料を納付しなければならない期間の3分の2以上が保険料納付要件であるため、原則の保険料納付要件を満たしている。
 特例の要件:平成38年4月1日前に死亡日(65歳未満)があり、死亡日の前日において、平成26年3月から平成27年2月までの1年間に保険料の未納期間がないため、特例の保険料納付要件を満たしている。
 保険料納付期間は、保険料納付済期間だけでなく保険料免除期間もありますので、その期間がある場合は解答文に追加しなければなりませんが、基本的には、この書き方を踏襲すればOKだろう。特例も同様ですが「平成38年4月1日前に死亡日(65歳未満)があり」は、特例要件を濃縮した、まさに決まり文句になっているところであり、カッコ書きの65歳未満もポイントになっており、これを忘れると大正解とはならないだろう。ただし、この解答は、すべて納付済期間となっているが、未納期間がある場合は、納付済期間+保険料免除期間の期間をカウントして(その期間を解答に記載すること)それが3分の2あるかどうかの確認作業が必要である。

3Q 障害給付の保険料納付要件について、その要件を満たしている理由を、原則の要件と特例の要件に分けて、それぞれ具体的な年月及び月数を記入してください。
3A 原則の要件:初診日の前日において、平成××年×月から平成○○年〇○月までの△△△月の全てが保険料納付済期間であり、保険料を納付しなければならない期間の3分の2以上が保険料納付要件であるため、原則の保険料納付要件を満たしている。
特例の要件:平成38年4月1日前に初診日(65歳未満)があり、初診日の前日において、平成26年3月から平成27年2月までの直近の1年間に保険料の未納期間がないため、特例の保険料納付要件を満たしている。
 2が遺族の保険料納付要件に対して、この3の問題は、障害の納付要件である。基本的には、この解答は、2についての「死亡日」を「初診日」に言い換えればよい。

4Q 雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金について、受給できる理由、受給金額、いつまで受給できるのかにつき、賃金低下率を明示して簡潔に説明してください。
4A ○子さんは、雇用保険の算定期間が5年以上あり、60歳到達時賃金月額の75%未満の賃金で勤務しており、賃金低下率は○%となっています。○%は61%未満の低下に当たるため、賃金の15%である×円が65歳到達月まで支給されます。
 雇用保険の高年齢基本給付金の支給要件について、必要な最低の構成要素が書かれており、この解答も必要最小限の説明となっている。数値としては、75%、61%、15%は忘れないこと。忘れやすいのが「雇用保険の算定期間が5年以上」であるので、注意のこと。(算定期間は、この試験においては、被保険者期間としても問題はない)


5A 高年齢雇用継続基本給付金を受給した場合、在職老齢年金はどのように調整されるのか、調整される金額を明示して簡潔に説明してください。
5B 60歳到達賃金月額(○○○,○○○円)に対して、再雇用後の標準報酬月額×××,×××円になっており、△△%に賃金低下しています。△△%は61%未満の低下に当たるため、在職老齢年金の支給停止に加えて、さらに標準報酬月額の6%である□円が支給停止されます。
 高年齢雇用継続基本給付金を受給した場合、その額に対応して、在職老齢年金が支給調整されますが、この在職老齢年金は4とほとんど同じ構成で調整されます。高年齢雇用継続給付金が出る一方で、その同じ構図で在職老齢年金(その一部)が停止されますので、ほとんど同じ説明となってります。違うのは、高年齢雇用給付金の賃金低下率は、対象月の「賃金」/60歳到達時賃金なのに対し、在職老齢年金の方は、対象月の「標準報酬月額」/60歳到達時賃金である点と最後の文章の結びが、高年齢雇用継続給付金にあっては、「賃金15%である×円が(支給)」なのに対し、在職老齢年金は、逆に「標準報酬月額6%である□円が(支給停止)」と対照的になっています。なお「在職老齢年金の支給停止に加えて」のちょっとした表現は、光っている。
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障害厚生年金期間計算は障害認定日の月まで、遺族厚生年金は一般例により計算<年アド試験学習整理>

2015-07-18 18:45:31 | 社会保険労務士
 障害厚生年金の期間計算は、障害認定日の前月ではなくその月まで!!
 
 遺族厚生年金も障害厚生年金も、報酬比例の年金であって、基本的には報酬額(=給料額)と厚生年金の加入月数に応じて、その額は決まってくる。
 それぞれの特徴をあげると、遺族厚生年金の加入月数は、例えば厚生年金の被保険者の死亡の場合は、厚生年金の加入月数が300月に満たない場合は、300月で計算することになるので、たとえ1月の加入であっても、300月で計算してくれる。逆に、遺族厚生年金であっても、受給権者の死亡の場合は、実期間での計算なので、例え実期間が300月未満であっても、あくまでもその300月未満の実期間での計算となる。また、計算にあたっては、老齢厚生年金の報酬比例の例により計算した額を満額とすると、その満額の4分の3に相当する額となるのである。

 障害厚生年金の加入月数はというと、300月未満の場合は全ての場合において、300月で計算してくれるので、短い期間の加入であっても300月まで底上げしてくれることになるが、もちろん300月以上の場合は、その300月以上で計算してくれる。

 さて、本題にいるが遺族厚生年金の年金額計算にあっては、厚生年金の加入期間は、一般的に老齢厚生年金の期間計算のように考えればよく、死亡日まで加入していたとすれば、その前月までカウントするし、死亡日までには既に退職していたとすれば、退職日の前月までカウントすればよく、一般の老齢年金の計算方法と変わらない。(ただし、死亡日や退職日が月の末日の場合は、資格喪失の日が一日後になるため、死亡・退職の月までの計算となるので注意)

 ところが、障害厚生年金の場合は、ちょっと注意が必要である。期間計算の月数の終期は、初診日ではなく、障害認定日の属する月までを年金額の計算基礎とするのである。ここで、注意すべきは、障害認定日の属する月までであって、その前月ではないことに留意する必要がある。

 思うに、障害の場合は、その疾病・負傷をおして働き続きた者へ、せめてもの補償の意味をこめて、障害認定日まで数えることにしたものであろうし、障害認定日でもって年金がでるかどうかの判定を行うものであり、その日までカウントしてもなんら問題はない。また、具体的なカウントの終期は、障害認定日の属する月までであって、ここは働き続けた者へのお礼の意味を込めて、その月までとしたものであろう。

 ただし、実際の年金計算に当たっては、初診日が厚生年金の加入期間であっても、初診日から1年6か月立った障害認定日の前に、その疾病が原因で会社を辞めている場合もある。初診日が厚生年金の被保険者であれば、障害厚生年金の要件はクリアーするものであり、問題なく障害厚生年金は支給されるのであるが、障害認定日においては既に退職している者であり、退職した月の前月までの計算となるので注意が必要である。(前述同様に、退職した日が月末であれば、資格喪失日が一日ずれるため、退職した月までの計算となる。)
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遺族厚生年金の障害者死亡は、なぜ保険料納付要件を問わないのか<年アド試験社労士試験学習整理

2015-07-12 17:49:01 | 社会保険労務士
 こう考えたら理屈で覚えられる<国年の法定免除期間・障害厚生年金の支給要件との関連ずけ>
 
 遺族厚生年金にあっては、死亡した者が次の要件に該当するときに、配偶者(妻:年齢を問いません 夫:55歳以上)、子(18歳到達年度末までか、障害等級1・2級で20歳までの子)、父母(55歳以上)、孫(子と同様の年齢制限あり)、祖父母(55歳以上)に支給されます。
 ただし、55歳以上の年齢制限のあるものついては、さらに60歳になるまでは支給自体はおあずけとなり、60歳からの支給となりますが、父子家庭(子は18歳年度末まで、障害1・2級の20歳までの子に限る)の夫にあっては、このケースだけ、その父である死亡した配偶者である夫が55歳以上であれば死亡のその時点から支給になります。

 1.被保険者が死亡したとき
 2.被保険者資格喪失していても、被保険者期間に初診日がある場合は、初診日から5年を経過する前に死亡したとき
 3.障害等級1.2級の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したとき
 4.老齢厚生年金の受給権者または老齢厚生年金の受給期間を満たしている者が死亡したとき
 
 ここで、ちょっと考えて不思議なのは、3の障害厚生年金の受給権者の死亡については、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が3分の2などという保険料納付要件がないことです。1.2.の被保険者の死亡や被保険者資格喪失後5年といった保険料を少しでも納めていれば、もらえる資格ができますので、保険料納付要件が付くのは当然の事として理解できますが、同様に3の障害厚生年金の受給者もすこしでも納めていれば、もらえることになりますので、保険料納付要件が必要な気がします。

 しかし、よーく考えると、障害厚生年金の受給権者の場合は、その障害厚生年金の受給となる要件を見てみると、保険料納付要件を満たしていることが必要となっていますので、遺族厚生年金受給に当たっての再度の納付要件のチェックは必要ではなく、この保険料納付要件は外していいことになると思われるのです。
 なお、障害等級1・2級の場合は、国年の法定免除期間になっていることも、この関連で覚えておくこともできます。
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中高年寡婦加算の長期要件に被保険者期間20年要件がなぜ必要か(年アド試験・社労士受験学習整理)

2015-07-05 06:26:12 | 社会保険労務士
 こうすれば覚えられる中高年寡婦加算<短期要件の300月みなしと関連づけで覚える>

 遺族厚生年金については、40歳以上65歳未満の妻に対しては、次のいずれかの場合に中高齢寡婦加算(58,000円程度)が付きますが、これは遺族基礎年金が出るのが18歳年度(18歳に達した後の年度末=3月31日までの間、以下同じ)までの子または障害等級1級・2級の20歳未満の子のある配偶者に限られているため、妻が40歳以上になると子が成長して、この条件を満たさなくなることが多いので、その遺族基礎年金を遺族厚生年金側で補ったものとみられます。したがって、逆にいうと、遺族基礎年金が出るときには、中高年寡婦加算は付きません。
 1、夫の死亡当時、妻40歳以上65歳未満であったこと
 2、40歳に達した当時、子(先ほどもいったように、この子は、18歳年度までの子または障害等級1級・2級の20歳未満の子に限ります。)と生計を同じくしていたこと。

 結局この2の要件は、逆に言うと、これらの子がいる間は遺族基礎年金が出るので、この子がいなくなった場合に(すなわち、18歳年度までの子や1・2級の障害の20歳未満の子に該当しなくなった場合ということになります。)、子が該当しなくなった時点での40歳から65歳の間で中高年寡婦加算が付くことになります。
 
 さて、中高年の寡婦加算は、遺族年金の長期要件(老齢厚生年金の受給権者等が死亡したとき)の場合は、厚生年金の被保険者期間20年以上(一定の例外あり)がなければ支給されなくて、短期要件(被保険者の死亡等)の場合はこの被保険者期間20年以上の要件はありません。ちょっと考えると、厚生年金被保険者期間20年以上の要件は、いわゆる長期の要件だからもともとこの期間は満たしているので、この20年以上の要件は必要はなくて、逆に短期要件の方がこの要件が必要な気がします。社労士受験の勉強していて、不思議だなと思っていても、ここは暗記でごまかしていました。なんのことはない、むしろ短期要件の300月みなしの話と併せて覚えられる、整理のポイントとなる部分です。

 実は、よーく考えると、長期の要件である「老齢厚生年金の受給権者」とは、老齢厚生年金の被保険者期間は厚生年金の被保険者期間が1年しかなくても国民年金の被保険者期間が24年あれば合わせれば基礎年金の被保険者期間25年を満たして、厚生年金の受給権者になるのです。厚生年金の期間が1年しかなくても、遺族厚生年金側で中高年の寡婦加算が支給されるとすれば、あんまりだということで、この厚生年金の被保険者期間20年以上の要件があるのです。

 一方、短期要件については、300月(25年)みなしということで、25年に達しない被保険者期間しか有していない者については、300月(25年)で支給額の計算をしてもらえますので、20年は、ゆうに超えることになり、この要件は必要ないことになります。
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