元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

第129回年金アドバイザー3級の解答/技能応用編<解説付き>(’14.10.26実施、銀行業務検定)

2014-10-30 17:31:00 | 社会保険労務士
 第129回年金アドバイザー3級の解答<解説付き>(’14.10.26実施、銀行業務検定試験
 

 答え合わせ <第129回の銀行業務協会の解答>ついでに、解説を試みました。参考にしていただけたら幸いです。ただし、問31~50まで(技能応用編) <問1~30まで(基本知識)の解答・解説へ> 

 ※ なお、問31は、「解答へのヒント」を追加訂正しました。(平成26年11月4日追加分)                             

NO.答 選択肢 解答へのヒント

Q31 5 誤り  ×問であり、出題者の正解は5になっているが、5は合っているように思われるのだが・・・と以前書いたところですが、浅はかでした妻の昭和61年4月から60歳に達するまでは確かに347か月なんですが、夫の方を見ると、その期間のうち平成17年10月~18年3月の間は国民年金に入っていました。この期間の妻は、「第2号被保険者の被扶養配偶者」ではないので、3号の保険期間ではない。


Q32 4 誤り  ×問であるが、(2)の肢のように正確に書けば、(4)の肢において、「報酬比例部分は、60歳到達月の翌月分から支給される」と書くべき。女性の場合は、支給開始が男性に比し5年おくれで動いている。
  60歳台前半の被保険者期間の受給資格については、「厚生年金の被保険者期間が1年以上あり、老齢基礎年金の受給資格期間25年を満たしていること」となっているところ、老齢基礎年金の受給資格期間は満たしているが、厚生年金の被保険者期間は、脱退手当金をもらった5年間は被保険者期間に含まれないので、昭和56年4月からの9か月だけとなり、1年をみたしていないので、そもそも報酬比例部分は支給されない。(「通りすがり」さんからのご指摘により、加筆修正させていただきました。おかげで「解説」として完璧なものができました。ありがとうございました。)


Q33 3 正しい 基礎年金の計算式であるが、半額免除期間のかける分数は、2/3、4分の3免除の期間は、平成21年3月・4月がはさまっているため、その前後国庫負担割合が3分の1から2分の1になっているので、平成21年3月までは1/2で、平成21年4月からは5/8となる。

Q34 5 誤り   特別支給の厚生年金を受給しても、国民年金に任意加入することはできる。

Q35 1 正しい 現行の計算式は、1が7.50、3が5.769、5が1.031×0.961である。さらに総報酬制になる以前のH15.3(昭和47年3月~平成15年3月)までと、それ以後のH15.4(平成15年4月~平成27年3月)からに分けて期間計算を行い、それぞれ、2が373月と4が144月になる。

Q36 3 正しい 1673円に乗ずる月数は、実数は517月であるが、上限の480月で計算する。後者の分子は20歳~60歳までの厚生年金加入期間なので、昭和47年3月~平成21年9月までの451月である。

Q37 4 正しい  (検証していません。出題者の解答の掲載である。)

 
Q38 4 誤り  基本給付金の支給期間は、60歳~65歳までである。

Q39 4 誤り  29年11月生まれ(男性)の場合は、報酬比例部分のみの支給で開始が61歳であるため、61歳までに繰り上げなければならない。

Q40 5 正しい 繰り上げ支給請求月は60歳(0か月)なので12か月×5年=60か月繰り上げることになり、60か月×0.5%=30%の減額となる。ゆえに、年金額は772,800円×(1-30%)≒541,000円である。

Q41 2 正しい 受験日現在の長男の年齢は、17年4か月であり、18歳年度末には至っていない。次男・長女も同様。ゆえに加算する子の数は3人である。1級は2級の額の1.25倍である。

Q42 2 誤り 次男は障害を持っており20歳までの支給のため平成31年7月までの支給、対し長女は18歳年度末の31年3月までである。

Q43 2 誤り 納付済期間+免除期間(保険料に反映されない全額免除を除く)が25年以上あることが支給要件であるが、満たしている。

Q44 4 誤り 受給権者・受給資格期間を満たしているという長期要件であり、実月数で計算する。

Q45 1 誤り ×問であるが、年金ネットを利用して支払機関の変更手続きができるというのは、テキストのどこにも書いてないところ、ほかの選択肢を見てもどれも正しいものと考えられる。 

Q46 2 誤り 折り返し、日本年金機構(本部)直接郵送する。

Q47 5 誤り 10年未満の中途脱退した年金給付は、企業年金連合会が原資を引き継ぎ、連合会が年金支給を行っていた。

Q48 4 誤り 退職時の標準報酬月額36万円と28万円(けんぽの平均)とを比較し、低い額に保険料を乗じる。

Q49 1 正しい 1900万円-〔800万+70万×(35年-20年)〕

Q50 5 正しい 老厚+老基+企業年金基金=369万円⇒369万円×25%+37.5万円=129.75万円⇒369万円-129.75万円=239.25万円

 ⇒ <問1~30まで(基本知識)の解答・解説へ>                             


 ⇒ <「年金アドバイザー受験の感想等」へ>
<第129回年金アドバイザー試験を受験して(この試験の特徴・長所) >


 
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第129回年金アドバイザー3級の解答/基礎知識編<解説付き>(’14.10.26実施、銀行業務検定)

2014-10-28 04:32:38 | 社会保険労務士
 第129回年金アドバイザー3級の解答<解説付き>(’14.10.26実施、銀行業務検定試験
 

 答え合わせ <第129回の銀行業務協会の解答>ついでに、解説を試みました。参考にしていただけたら幸いです。ただし、問1~30まで。⇒ <問31~50まで(技能・応用)の解答・解説へ> 

NO.答 選択肢 解答へのヒント
Q1 4 正しい 詳しくは 69.1%
Q2 5 誤り  被用者年金制度の一元化の実施は、平成27年10月の予定である。同時期に老齢基礎年金の資格基準25年を10年に実施予定、併せて覚える。
Q3 5 正しい  公的年金受給者数は、基礎年金加入者の2号とほぼ同じと覚えればよい。ちなみに、2号 4000万人弱 1号 2000万弱3号 1000万人弱でそれぞれ半分になっている。大まかに覚える。
Q4 4 誤り   保険料率は各都道府県で異なっている。なんとなれば、各県の受診率が少ない等の都道府県は、保険料負担が軽くなっている。
Q5 2 誤り  障害基礎年金の受給権者であっても、国内の20歳~60歳の者は、強制加入である。
Q6 3 誤り   60歳になるのは、60歳到達日である[誕生日の前日]である。(これは年齢計算に関する法律で、決められている。他の暦の計算方法と違う。)そして、資格喪失日については、この「年齢」と被用者年金の老齢年金の受給権と被用者保険の資格喪失日(ただし被用者保険に資格喪失日は会社退職の翌日であるのだが・・)だけがその日から、資格喪失になることを覚える。他の資格喪失日は、「翌日」である。
Q7 5 誤り  60歳~65歳の任意加入者は、付加保険料納付可能。65~70歳の任意加入者(これは、受給資格を得るためにだけあるもので、増額のためではない。)は、ダメである。
Q8 3 誤り 過去2年(2年1か月前)まで遡及可となった。(26年4月施行)
Q9 3 誤り 「当初から」被保険者となるのではなく、2か月超となったそのときからである。(ちなみに、1は間違っているように思えるが、臨時的事業の場合は、6か月使用見込みでないと被保険者とならないので、設問はあっています。私は間違いました。)
Q10 4 誤り 資格を喪失した月までではなく、「喪失した前月」である。
Q11 5 誤り 平成26年9月からの保険料率は、0.354増の「17.474%」である。設問の保険料率は従前の率である。
Q12 2 誤り 標準賞与額は、1000円未満の端数を切り捨てた額である。
Q13 5 誤り 支給は「権利が消滅した前月分」までではなく、その月までである。
Q14 4 誤り 年金額反映は、半額免除であっても税金投入分があるため、本人負担分1/2だけでなく税金投入分が加わる。
Q15 4 正しい 繰り下げ受給であっても、振替加算は増額されない。増額されるのは、付加年金である。 
Q16 5 正しい 特別支給の要件は、被保険者期間が1年以上となっている。対し、65歳以上の支給要件は、一か月である。
Q17 5 誤り 以前はそうであった。しかし、平成25年10月1日から不必要となった。
Q18 3 誤り 「配偶者」ではなく、「受給権者」本人の生年月日である。
Q19 5 誤り 障害年金は、新たな子にも加算される。加算されないのは、遺族年金である。
Q20 3 誤り 初診日が、国民年金、厚生年金のどちらに加入中だけによって、それぞれの年金が支給される。
Q21 5 誤り 遺族基礎年金は、定額である。
Q22 1 誤り 被保険者期間中に初診日がある傷病により、その「初診日」から5年以内に死亡した場合である。「退職日」が誤り。(よくある出題例だそうである。)
Q23 3 正しい 受給権者の場合には、支給要件として被保険者期間が20年以上の条件がつく。これに対し、被保険者の場合は、この要件はない。
Q24 5 誤り 遺族基礎年金の2階には、原則どおり、遺族厚生年金しか乗らない。
Q25 4 誤り 「遺族厚生年金」を「遺族基礎年金」に入れ替えれば、正しい解答になる。(よくある出題パターンである。)
Q26 1 誤り 節目年齢は、35、45、「59歳」である。
Q27 4 誤り 「15年」を「10年」に入れ替えれば正解。
Q28 4 誤り 協定国のうち、イギリスと韓国のみが例外的に通算できない。
Q29 2 誤り 個人型確定拠出年金は、国民年金基金の3階部分であるとかんがえていい。後は、企業年金等がない会社員のためのものである。国民年金3号・厚生年金基金の加入員・公務員は加入できない。
Q30 4 誤り 社会保険控除には、生命保険控除のように制限はない。

 ⇒ <問31~50まで(技能・応用)の解答・解説へ>
 



 ⇒ <「年金アドバイザー受験の感想等」へ>
<第129回年金アドバイザー試験を受験して(この試験の特徴・長所) >

 
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年金アドバイザー試験を受験して<社労士試験の併用・優先>(第129回’14.10.26実施)

2014-10-27 04:46:56 | 社会保険労務士
 年金アドバイザーと社会保険労務士試験の同時受験について

                          ⇒ <第129回年金アドバイザー3級の解説付きの解答ページへ >

 銀行業務検定協会の年金アドバイザー3級の試験を受験してきました。(第129回銀行業務検定試験、2014年10月26日実施)私の地元宮崎では、公立大学が会場になっています。年金アドバイザーを受ける方は、宮崎ではあまりいなくて、ほかの財務や法務の科目と同一の試験教室になっていました。とすると、私たち年金アドバイザーの科目の受験生は、電卓持ち込みがあり、隣が財務の科目の受験生でしたが、電卓の音が気にならないのかとよけいな心配をしてしまいました。他の方や試験官の話や挨拶を交わしているのをみると、将に金融関係の身内同士といった感じで、年金アドバイザー等の試験が知れわたっているとはいえ、まだまだここに部外者がいるといった感じでした。

 試験自体は、3級は言わずと知れた五者択一問題で解答用紙に答えの数字の箇所にマークするという問題ですが、試験問題のほうは、手がこんでいて、表表紙と裏表紙が少し厚い紙で合わさっていて、いわゆる袋綴じとなっていました。これはうまく開けられるのかと、試験開始前に不安になってしまいましたが、ミシン目があり鉛筆でナイフの要領で簡単に開けられました。

 試験問題は、検定試験のいいところで、突拍子もない問題は当然なくて過去問からの出題ですが、全く同じ問題かというと、もっともっと実務に近づいたかなあと思える問題の出し方と思えるところがありました。例えば、過去問では、「年金額いくら」という条件が与えられていたところ、今回の試験問題では「報酬比例部分○○円、定額部分○○円、加給年金額○○円」という条件になっていて、より具体的な数値が記入されていました。おかげで受験生の私としては、加給年金額は計算の中に入れるのかわからなくなりましたが・・・。

 さて、この試験、社会保険労務士の予備試験的に受ける方も増えているとか聞いておりますが、私の意見としては、そういう利用の仕方は、やめておいたほうがいいと思います。社労士の試験を受ける中で、このアドバイザー試験に労力を注ぐことは、社労士の勉強時間が足りないと思えるからです。それに社労士の試験問題は、条文からの出題に対し、アドバイザー試験は、より実務的なことを聞いているような気がします。問題そのものの焦点がちょっとだけニュアンス程度ですが違っているような思えるからです。あぶはちとらずのような気がします。もちろん、時間も余裕があり、実務のことも同時に勉強したいとか、また具体的に今のうちから深く勉強したいとか思っている方なら別ですが・・・。

 社労士の試験をクリアーして、本当にアドバイザー等を目指す方にお勧めしたいのがこのアドバイザー試験です。特に、事例問題にあっては、よりその感じがします。

 正解は、数日後にHPにて発表するとのことで、ここは他の試験のように、受験校が「正解」を出して予想することもないようです。⇒ <第129回の解答は'14 10月29日(水)17時~>

<第129回年金アドバイザー3級の解説付きの解答 >


<第129回年金アドバイザー試験を受験して(この試験の特徴・長所) >
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複雑そうな「合算対象期間」の解きほぐし(その2)!!

2014-10-18 18:53:31 | 社会保険労務士
社労士受験の「合算対象期間」は「昭和36年以前グループ」をまとめて覚えましょう。

 
 老齢基礎年金を受けとる資格がある人は、25年の保険料納付期間などがなければなりません。保険料納付期間などとしたのは、他にも足していい期間があるからで、正確には次の期間の合計が25年以上なければならないとされます。
 
  1、厚生年金保険及び     2、国民年金保険料      3、国民保険料免除      4、
    共済組合の加入期間  +   納付済期間     +    期間、学生納付   +   合算対象期間 
    (20歳以上60歳                          特例期間、若年        (カラ期間)
     未満の期間)                            者納付猶予期間

 1の厚生年金・共済年金については、保険者・共済組合の方でまとめて支払っているので、加入手続きがあればそのままその期間は、納付済みとして考えられるからです。1.2.合わせて結局、「保険料納付済期間」であるわけです。

 これに、3の保険料免除期間、申請をして認められることが前提になりますが、国から認められたものとして、この免除された期間を足すことができます。

 さらに、4の合算対象期間があります。通称「カラ期間」といっています。25年の資格の期間の計算には加えることができますが、年金の計算の計算基礎とはならないため、そう呼んでいます。すなわち、1・2の保険料納付済期間と3の免除期間等が25年に満たないときに、25年を満たすために足してもいい期間であって、年金額には全く影響ない期間ですので、カラ期間とよんでいるのです。

 さて、その合算対象期間(カラ期間)ですが、社会保険労務士の受講生の間でも、非常に厄介なというか、いやな部分でもあります。そういう私もそうでした。しかし、年金の沿革から考えて、意味が分かってしまえば、なーんだと思えるところです。再度、勉強してみてそう思いました。<ここまで前回の再掲です>

 そこで、前回に続き、今回は、昭和36年以前グループの説明です。実は、ほかの合算対象期間は、基本的に、国民年金が創設された昭和36年以後の話になります。合算対象期間は、逆にいえば、国民年金が制度として設けられた昭和36年にあわせて、期間としては、同じ昭和36年以降としているのです。前回説明した、任意加入も、昭和36年以降の話です。
 

 昭和36年以前の話としては、厚生年金保険・船員保険や共済年金の話になります。国民年金の成立は、昭和36年になるからです。

 A 昭和36年以前の厚生年金・船員保険の被保険者期間(昭和36年4月以後に公的年金の加入期間がある人に限る)

 B 昭和36年4月まで引き続く昭和36年3月以前の共済組合の組合員の期間

 昭和36年の国民年金設立に合わせて、他の合算対象期間は昭和36年以降という前提条件が付いているわけですが、昭和36年より前に成立していた厚生年金保険・船員保険や共済年金に加入していた期間は、国民年金の期間として「認識」はできないため、保険料納付済期間・免除期間が25年に満たない場合のカラ期間として考慮しているのです。

 昭和36年以前の話をすると、日本の公的年金制度は、本格的には、雇用者保険としての始まりです。昭和14年の船員保険法、昭和16年に男子工場労働者を対象にした労働者年金保険法が制定、これが昭和19年に事務系職員と女性にも提供が拡大され、名称も国民年金保険法に改称されたというわけです。昭和36年で切ってしまうと、これら被用者年金の加入者の期間が国民年金としては全く顧みられなくなります。(そこは被用者年金の加入期間としては、それぞれの法律で考慮されるのですが、ここでいっているのは、国民年金としての期間としてはどうするのかということです。)そこで、合算対象期間として、把握することになります。

 さて、Aの厚生年金・船員保険とBの共済組合には、ちょっとした相違があります。読み比べてみると、Aは昭和36年以前の被保険者期間があればよく、ただしカッコ書きの昭和36年4月以降に加入期間がある事が前提になりますが、このカッコ書きは36年以降に加入期間がないと36年以前の分は足してあげないよというか、36年以降があって始めて加入期間があり、それ以前の分もそれに足していいよということです。

 しかし、Bの共済は、36年の3月・4月の期間が連続していないと期間として計算しないといっています。それは「引き続く」として表現されています。Aは不連続でもよく、Bは連続する期間としてとらえています。どちらも、36年4月以降の期間があることは一致するのですが、共済の方がより厳しくなっていますが、これは制度の違いとしか言えません。

 
 ところで、前回の任意加入期間の説明と違うところがあることにお気づきでしょうか。任意加入期間には、どれも「20歳以上60歳未満」という条件が付けられていました。これは、国民年金の1号被保険者に合せたという点はお話ししましたが、今回の被用者保険の昭和36年以前グループには、その条件は付けられていません。それは、20歳未満60歳以上の者も含めて、併せてその対象期間としてカウントできるということですが、被用者保険については、20歳未満60歳以上の者も被保険者ですから、当然のことかもしれません。


                               <次回へ続きます>
<複雑そうな「合算対象期間」の解きほぐし(その1)>



<参考> 年金アドバイザー受験対策シリーズ(経済法令研究会編)同研究会発行 
     なお、「被用者年金」は会社等に雇用されている者の年金という意味ですので、厚生年金だけではなく公務員等の共済年金も含んだ意味で使っています。

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複雑そうな「合算対象期間」の解きほぐし!!

2014-10-11 18:30:24 | 社会保険労務士
 社労士受験の「合算対象期間」は「任意加入期間」からまずは覚えていきましょう。

 
 老齢基礎年金を受けとる資格がある人は、25年の保険料納付期間などがなければなりません。保険料納付期間などとしたのは、他にも足していい期間があるからで、正確には次の期間の合計が25年以上なければならないとされます。
 
  1、厚生年金保険及び     2、国民年金保険料      3、国民保険料免除      4、
    共済組合の加入期間  +   納付済期間     +    期間、学生納付   +   合算対象期間 
    (20歳以上60歳                          特例期間、若年        (カラ期間)
     未満の期間)                            者納付猶予期間

 1の厚生年金・共済年金については、保険者・共済組合の方でまとめて支払っているので、加入手続きがあればそのままその期間は、納付済みとして考えられるからです。1.2.合わせて結局、「保険料納付済期間」であるわけです。

 これに、3の保険料免除期間、申請をして認められることが前提になりますが、国から認められたものとして、この免除された期間を足すことができます。

 さらに、4の合算対象期間があります。通称「カラ期間」といっています。25年の資格の期間の計算には加えることができますが、年金の計算の計算基礎とはならないため、そう呼んでいます。すなわち、1・2の保険料納付済期間と3の免除期間等が25年に満たないときに、25年を満たすために足してもいい期間であって、年金額には全く影響ない期間ですので、カラ期間とよんでいるのです。

 さて、その合算対象期間(カラ期間)ですが、社会保険労務士の受講生の間でも、非常に厄介なというか、いやな部分でもあります。そういう私もそうでした。しかし、年金の沿革から考えて、意味が分かってしまえば、なーんだと思えるところです。再度、勉強してみてそう思いました。

 まず、任意加入期間の説明です。これは、任意加入として、国の方で加入してもしなくてもどちらでもいいよといわれた期間です。はじめは、私はそれならば、加入しない者に責任があるのだから、なんでカラ期間にするのか意味がわかりませんでした。しかし、考え直してみると、国の方で入らなくてもいいよと言った手前、そのことが原因で25年の受給資格の期間を満たさなくて、もらえなくなるのは気の毒ですし、本人の責任だけとも言えません。そこでカラ期間での救済となるわけです。次のようなものがあります。

 A.昭和36年4月から昭和61年3月までに、20歳以上60歳未満の被用者年金制度の加入者の被扶養配偶者(サラリーマンの妻など)が、国民年金に任意加入しなかった期間

 B.昭和36年4月以降平成3年3月以前に、任意加入しなかった20歳以上60歳未満の学生の期間(平成3年4月からは強制加入となっている。)

 C.昭和36年4月以降の期間で、国民年金に任意加入しなかった20歳以上60歳未満の間の海外在住期間

 Aのサラリーマンの妻の場合ですが、「昭和36年から」というのは、ここから国民年金が創設されたわけです。被用者年金はもっと早くからあったわけです。国民年金の加入が始まったのがこの年からというわけで、期間を国民年金に合わせてあるということです。国民年金・被用者年金ともに期間として計算するのは、同じ36年からということにしているのです。では、終わりの「昭和61年3月まで」というのは、なんでしょうか。翌月の昭和61年4月からは、国民年金と被用者年金が統合され、いわゆる一階部分の国民年金としての基礎年金が、2階部分に被用者年金がという構図ができあがり、サラリーマンの妻(被用者年金の加入者の被扶養配偶者)が3号被保険者と位置付けられ、強制加入となります。「昭和61年3月」というのは、サラリーマンの妻が、任意加入として認められていた最後の月というわけです。20年以上60歳未満というのは、1号被保険者(農業者、自営業者等)がこの年齢の範囲であるため、これに合わせています。もちろん、任意加入して、納付すれば、「納付済期間」となりますので、「国民年金に任意加入しなかった期間」となっているのいです。

 Bは、学生の任意加入のところです。ここも国民年金の創設の「昭和36年4月」からになっています。平成3年4月からは、強制加入となったので、終わりの方の期間は、「平成3年3月」となっています。

 Cの海外在住邦人ですが、1号被保険者(自営業者等)は、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人となっており、海外在住者は日本国籍をもっていても、1号被保険者にはいらないのです。そこでここから除いた任意加入としての海外在住者の期間をカラ期間としているわけです。なお、2号(被用者、サラリーマン等)・3号(いわゆるサラリーマンの妻)については、日本国内に住所があるという条件は付いていないので、強制になりますので、ここでいう海外在住邦人には含めません。あくまでも1号としてお考えください。

 これらの任意加入期間の応用・延長として、次のD、Eを掲げておきます。今までの説明でほぼわかると思いますので、説明は省きます。

 D.被用者年金制度等から支給される老齢(退職)年金受給権者とその配偶者、障害年金受給者とその配偶者、遺族年金受給者について、国民年金の任意加入であるが任意加入しなかった期間のうち、昭和36年4月から昭和61年3月までの20歳以上60歳未満の期間⇒旧法時代(S36.4~61.3)には、老齢だけでなく障害・遺族も受給権限があれば、国民年金の任意加入となっていたようです。

 E.昭和61年3月以前に、60歳になるまでに被保険者期間が25年にならないため、任意脱退の申し出をして承認され、国民年金の被保険者にならなかった期間
                                 <次回へ続きます>⇒ <複雑そうな「合算対象期間」の解きほぐし(第2回)>
<複雑そうな「合算対象期間」の解きほぐし(付録)>

 
<参考> 年金アドバイザー受験対策シリーズ(経済法令研究会編)同研究会発行 より、(1.2.3.4.及び A.B.C.D.E.については、引用)
     なお、「被用者年金」は会社等に雇用されている者の年金という意味ですので、厚生年金だけではなく公務員等の共済年金も含んだ意味で使っています。

 
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