今回は、第34回ビジ法の中から「消費者保護法」の範疇に挙げられるものとして、インターネットにかかる法規制を取り上げてみたいと思います。インターネットに関してのトラブルは、最近では多くあります。ネットをさまよっているうちに、変な画面が出て、正直に、要請された所に電話をかけたら、契約が成立していると虚偽の事実を告げられ、お金を要求されたとか、本当にいろいろあります。
民法では、申込み・承諾の意思表示の合致により契約の成立となりますが、この承諾については、その承諾を発した時点で契約成立という発信主義の原則があります。
ところが、承諾の意思表示を電子メール等で行う場合には、承諾の意思表示が相手方に到達した時点で成立するという到達主義が適用されています。したがって、電子取引では、承諾の意思表示が、到達しなければ、契約は成立しないのです。そこで契約成立の過程を順次説明すると、ホームページ上に店舗を開設し商品の案内をしている場合、この商品案内は「申し込みの誘因」であり、それを見た消費者等が買いたいとの意思表示は「申し込み」となり、これに対し店舗開設の事業者は、さらに「承諾」の意思表示を行うことにより、その意思表示が消費者等に到達して始めて契約成立となることを意味します。(電子消費者契約法)
その他、電子取引においては、消費者保護関連法ともいうべき規定がそれぞれの法律に規定されていまして、一つの消費者保護法としてまとまってはいないのですが、消費者センターで取り上げる電子関係の法律には、さまざまあります。センターでは、それらを駆使して消費者を保護しているわけです。
第1問 1-3 (3点)
インターネットにかかる法規制に関する次の1~5の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。
1 「特定電子メールの送信の適性化等に関する法律」(迷惑メール防止法)上、特定電子メールの送信者は、あらかじめ特定電子メールの送信に同意する旨を送信者に通知した者に対して特定電子メールを送信する場合、送信者の氏名または名称その他の所定の事項を特定電子メールに表示しなくてもよい。
2 迷惑メール防止法上、特定電子メールの送信者は、あらかじめ特定電子メールを送信することに同意する旨を送信者に通知したものに対しては、送信者が特定電子メールの送信に用いる電子メールアドレスを偽って特定電子メールを送信することができる。
3 コンピュータのアクセス管理者がコンピュータにアクセス制御機能を付加して第三者の不正な利用を制限している場合において、当該コンピュータの正当な管理・利用権限を有しない者が、アクセス管理者の承諾を得ずに、アクセス管理者になりすまし、利用権者にそのIDやパスワードを当該コンピュータに入力するよう求める旨の電子メールを送信する行為は、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(不正アクセス禁止法)により禁止されている。
4 インターネットを通じて不特定の者が利用できるウェブサイト上で、個人のプライバシーを侵害する情報が流通し、当該個人に損害が生じた場合、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)上、特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介するプロバイダは、損害発生の防止のために必要な注意を果たしたことを証明しない限り、損害賠償をまぬがれない。
5 「電子署名及び認証業務に関する法律」(電子署名法)上、電子署名について認証業務を行うことができるのは、公証人に限られている。
<解説コメント>
1-3-1 × 特定電子メールの送信は、同意者に対して送信する場合でも、一定の自分の情報(氏名、名称等)を表示することが必要。
1-3-2 × これは論外です、メールアドレスを偽って送信していいことがありません。
1-3-3 ○ そのとおり。
1-3-4 × 故意過失については、弾力的な措置(送信防止が技術的に可能かつ権利侵害を知っていた等であること)が取られていま す。
1-3-5 × 公証人に限られない。民間の特定の機関でも可能。
したがって、3が正解である。
⇒ <⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第1問~第5問)へ>
⇒ <⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第6問~第10問)へ>
民法では、申込み・承諾の意思表示の合致により契約の成立となりますが、この承諾については、その承諾を発した時点で契約成立という発信主義の原則があります。
ところが、承諾の意思表示を電子メール等で行う場合には、承諾の意思表示が相手方に到達した時点で成立するという到達主義が適用されています。したがって、電子取引では、承諾の意思表示が、到達しなければ、契約は成立しないのです。そこで契約成立の過程を順次説明すると、ホームページ上に店舗を開設し商品の案内をしている場合、この商品案内は「申し込みの誘因」であり、それを見た消費者等が買いたいとの意思表示は「申し込み」となり、これに対し店舗開設の事業者は、さらに「承諾」の意思表示を行うことにより、その意思表示が消費者等に到達して始めて契約成立となることを意味します。(電子消費者契約法)
その他、電子取引においては、消費者保護関連法ともいうべき規定がそれぞれの法律に規定されていまして、一つの消費者保護法としてまとまってはいないのですが、消費者センターで取り上げる電子関係の法律には、さまざまあります。センターでは、それらを駆使して消費者を保護しているわけです。
第1問 1-3 (3点)
インターネットにかかる法規制に関する次の1~5の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。
1 「特定電子メールの送信の適性化等に関する法律」(迷惑メール防止法)上、特定電子メールの送信者は、あらかじめ特定電子メールの送信に同意する旨を送信者に通知した者に対して特定電子メールを送信する場合、送信者の氏名または名称その他の所定の事項を特定電子メールに表示しなくてもよい。
2 迷惑メール防止法上、特定電子メールの送信者は、あらかじめ特定電子メールを送信することに同意する旨を送信者に通知したものに対しては、送信者が特定電子メールの送信に用いる電子メールアドレスを偽って特定電子メールを送信することができる。
3 コンピュータのアクセス管理者がコンピュータにアクセス制御機能を付加して第三者の不正な利用を制限している場合において、当該コンピュータの正当な管理・利用権限を有しない者が、アクセス管理者の承諾を得ずに、アクセス管理者になりすまし、利用権者にそのIDやパスワードを当該コンピュータに入力するよう求める旨の電子メールを送信する行為は、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(不正アクセス禁止法)により禁止されている。
4 インターネットを通じて不特定の者が利用できるウェブサイト上で、個人のプライバシーを侵害する情報が流通し、当該個人に損害が生じた場合、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(プロバイダ責任制限法)上、特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介するプロバイダは、損害発生の防止のために必要な注意を果たしたことを証明しない限り、損害賠償をまぬがれない。
5 「電子署名及び認証業務に関する法律」(電子署名法)上、電子署名について認証業務を行うことができるのは、公証人に限られている。
<解説コメント>
1-3-1 × 特定電子メールの送信は、同意者に対して送信する場合でも、一定の自分の情報(氏名、名称等)を表示することが必要。
1-3-2 × これは論外です、メールアドレスを偽って送信していいことがありません。
1-3-3 ○ そのとおり。
1-3-4 × 故意過失については、弾力的な措置(送信防止が技術的に可能かつ権利侵害を知っていた等であること)が取られていま す。
1-3-5 × 公証人に限られない。民間の特定の機関でも可能。
したがって、3が正解である。
⇒ <⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第1問~第5問)へ>
⇒ <⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第6問~第10問)へ>