元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて」は名言だが、宮本武蔵はその人の個性を重視<五輪書>

2014-03-29 04:14:16 | 社会保険労務士
 OJTの基礎は「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」だが、まずはその人の個性や才能を見極めることが必要

新入社員がそろそろ入社してくる頃になりました。新人教育のOJTの基礎ともいえる、人を育てるための名言として、山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」やプロ野球セントラルリーグの会長を務めた川島廣守氏の「五つ誉め、三つ教えて、二つ叱る」があるが、これは「共通の言語」である。職場教育の共通の名言であろう。

 これに対して、武蔵はもっと大切なものがあるとしている。武蔵の記した「五輪書」は、これは剣の極意だけとして読めるのではなく、人生・ビジネスの極意や哲学書として、読んでいる方も多い。

 一番弟子の孫之丞とその弟の求馬助が初めて道場を訪れたときに、武蔵は剣の筋をちょっとだけ見て、孫之丞には素振りを命じ、求馬助には立会いのけいこをし、それで1日が終わったという。後になってその理由を聞くと、武蔵は孫之丞の太刀筋の良さは、重さにあったし、求馬助のそれは、技の才能を感じたので、それぞれ得意な部分を延ばすために、孫之丞にはさらなる「重」の剣を、求馬助には「技」から学ばせることにしたという。人は一人ひとり違うので、その個性に合わせて、その人の技量や資質にあった稽古をつけるべきであるという。

 五輪書には、次のように書かれている。

 「自分の兵法の教え方は、初心者には、その人能力に応じて、できそうなところから習わせ、早く理解できる部分を先に教える。理解しがたい道理は、その人の理解力が進んできた頃合いを見計らって、徐々に、深い道理を教えるようにしている。」(細谷正充著、宮本武蔵の「五輪書」の「風之巻」からの「現代語訳」より)

 万人共通の教え方があると同時に、その人それぞれの個性に合わせた教え方を考えていかねばならないということであろう。

<⇒キムタクの宮本武蔵、五輪書に記す「拍子」とは>


 参考:細谷正充著、宮本武蔵の「五輪書」(中経出版)

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武蔵の五輪書は兵法書なれど、今に通じる人生・ビジネスの極意。<キムタクの宮本武蔵=拍子とは>

2014-03-21 05:35:42 | 社会保険労務士
 剣術を剣の道まで高めた「五輪書」で述べる物事の「拍子」とは?


最近放映された「キムタク」=木村拓哉の宮本武蔵は、私の住んでいる地域においては、後編が翌日放映されたのではなくて、同日一挙放映されていたのでしたが、私はそのことを知らず、後編を見逃してしまいました。前編を見た限りは、武蔵の恋人役のお通は、登場して来るし、沢庵和尚のふるまいも、吉川英治原作の「宮本武蔵」であったようだ。

 実は、宮本武蔵は、記録に残っているのは、晩年で熊本藩に招かれてからのことで、それ以前は、誕生地さえもどこの「宮本村」なのか分かっていないのが現実であって、皆が周知している「宮本武蔵」は吉川英治原作の「宮本武蔵」のイメージによるところが大きい。

 さて、その武蔵であるが、兵法の書としての「五輪書」を残しており、この五輪書は、いかに相手に勝つかの剣術の方法を記したものであるが、「空の巻」などで分かるように、記述の全部にわたって哲学や人生の指南書としても読めるものである。

 武蔵の誕生年は、1584年であるとされ、1645年に亡くなったとされるが、豊臣と徳川が二つに分かれての天下分け目の戦いの「関ヶ原の戦い」が1600年であるから、その頃やっと武蔵が大人になって、その戦いに参加することになるのであり、その後の世の中の展開は、1603年に家康が徳川幕府を開き、1615年に大阪夏の陣と続き、これをもって徳川幕藩体制の確立となる、ということで、武蔵が活躍しようとする時代は、もう世の中は、戦国時代ではなく平定した世の中になっていたのである。

 そういう時代であったから、戦いに暮れた浪人たちが、剣の修行に明け暮れ、どこかの藩の剣術の試合があると聞けば、出かけていって、そこで名乗りをあげて取り上げてもらうという、「仕官の道」を探していたのである。武蔵もその中の一人であった。

 しかし、五輪書を見れば、柔術が柔道となったように、剣術を「剣の道」にまで高め、先に説明したように、今で見れば哲学的、人生やビジネスに応用するような芸術的なところまで、武蔵の剣は、到達していたようなのである。 

 さて、この五輪書の中、「地の巻」の「兵法の拍子の事より」に、「物事につけ、拍子はあるものなれども、とりわけ兵法の拍子、鍛練なくては及びがたき所なり」とある。なにごとにも「拍子」があるというのである、この拍子は、リズム、物事の勢いの良しあし、その良しあしの「波」のことであるが、この拍子=勢いの良しあしを分かるのは、鍛練しなければ身につかないというのである。相手のリズムをつかみ、それに応じて、反応して、戦わなければ勝てないとしている。もっと具体的に、端的に言うと、「相手の拍子を崩す拍子」を会得して、戦いを仕掛けて、勝つということで、その調子が分かるためには、訓練が必要と云っているのである。

 私みたいに人生の終盤にかかると、この「拍子」の論理は、なるほどとうなずけるものがある。いかに自分で努力しようと、うまくいかないときがあり、そのときは落ち込むのであるが、時の勢いというのがあると感じざるを得ないものがある。若い人から言わせると、あきらめではないかとともいえるのであるが、そうではなく、調子ともいうべき、時の流れを見極めていなかったといえるのであろう。その時は一生懸命であって、努力を重ねても、やはり人間には限界があるということであろう。武蔵もまた、関ヶ原の戦いの参戦、大阪の陣の参戦ともいずれも敗戦の側についたので、彼の人生のスタートも、いい調子ではなかったのである。

 ビジネスにおいても同様で、相手の「波」を把握し、自分もまた、自分の「波」を計算して、それが自分にとって味方しているのかを把握して、勝負にも望まなければならないことになる。ビジネスにおいては、それを見極めるのは、どうしたらいいのかということであるが、ここは、その「調子」があるということを心得て、剣の道では、鍛練=訓練を重ねることができるのであるが、ビジネスではそうもいかないので、その場面・場面での経験を重ねるしかないのであろう。若いころの「敗け」は、その「調子」を計るための「経験」として、次の勝負に生かすしかないと思われる。その時には負けても、物事には「調子」というものがあるということを、まず知ることが必要である。そこで、その見計らいがまずかったという経験を経て、その経験の中から、「調子」を見極めることができるようになって、大成していくものであろう。

 <参考>宮本武蔵の人生訓(童門冬二著)PHP文庫、宮本武蔵の五輪書(細谷正充著)中経出版

※余談ですが、パソコンで見る限り、後編を見ての「何なんだ、あのラストシーンは」ということが話題になっていますが、がっかりした方もいらしゃるようなので、後編を見なかったのは、正解だったのでしょうか。見ていないので何ともいえませんが・・・。

<⇒宮本武蔵、五輪書,新入社員教育の極意>
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「中間報告」は部下・上司をつなぐ信頼の輪

2014-03-13 15:21:36 | 社会保険労務士
 信長・秀吉との信頼関係に見る意思の疎通とは

 部下の心構えとして、一番必要なことは、「中間報告」だと思います。よく仕事を任せられると、一日でできるような簡単な仕事とは別として、完成までに相当かかるような仕事の場合、今日はどこまでできているのだろうかと上司はいつも気になっているのです。

 自分も係長や課長を経験してきましたが、仕事を部下に頼んだ場合に、うまくできているのだろうかとか、もしくは自分の考えている方向とは別の方向で行っているのではなかろうかとか、あるいは全く寄るべく手段がわからないのではなかろうか、それなら一緒に考えようかとかヒントになるようなことを与えることが必要なのではなかろうかとよく気をもんでいました。

 また、部下として仕えたときの事を考えると、今度は、なんとか仕事を成就させようと一生懸命なあまりに、また、仕事に熱中するあまりに、さらに、できるだけ目途の付いたものを報告しようと、中間報告をおろそかにしていました。上司はその一所懸命さが分かってくれるものと思っていました。

 でも違うんです。上司は、「ことば」で報告しないとわからないんです。ちゃんちゃんと報告しないと上司は仕事の経過は分かってくれないんです。

 上司・部下の立場の二つを経験して、やっと分かりました。部下は部下なりにそれなりの報告をしようと躍起になって、逆に報告が遅れ、また上司は上司で、経過が分からず、やきもきする。

 お互いの行き違いをなくすためには、「中間報告」をすることです。1日の終了時に、ここまでできました、明日はここからやってみますという報告でもいい、さらに、一つの目途が出来た時点でその内容を報告する。そこで、修正個所があれば、上司はそこでまた指示を与えます。全部出来上がってから報告して、上司の考えている方向と違っていた場合には、目も当てられません。

 気の短い信長が、秀吉を気に入ったのには、常に信長に自分の考えを伝えていたところに、一つにはあるようです。前回のNHKの大河ドラマでは、播磨を平定して中国の毛利と戦うという主張をする秀吉とそれを分かっていて、「軍師官兵衛」に播磨の取りまとめを任せるという信長の考えが示されていたが、ここで秀吉は、中国攻めについて、常に自分の考えを示していたことがその場面に現れていた。(これに対し、官兵衛が見事に播磨の取りまとめを行うという筋書きである。)秀吉と信長の関係は、このように自分の考えを常に伝え、その考えの齟齬がなく、信長・秀吉の主従の間には、信頼関係があったことがうかがわれます。
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「部下を育てる」本当の理由は、あなたの出世への影響!!

2014-03-08 11:08:54 | 社会保険労務士
 秀吉が一代、家康の敷いた幕藩体制が15代続いた理由とは?!

「部下を育てる」というのは、職員研修ではよくいわれることですが、それは組織的には、会社が発展する下地を作ることであり、納得もできることです。

 しかし、自分がリーダーであるとき、人に仕事を任せることができるかということになると、任せることは人を育てることであり必要なことですが、何か自分が出て行った方が全てが分かってそちらの方が安心するので、任せられないということはありませんか。また、手柄を他人に譲ることになり、これまた、すべてを自分がやってしまうということもあります。

 本当に部下を育てるというのは、難しいものですが、それが「あなたの出世に影響してくる」ということを、はっきりいったものがありますが、これを見たとき、私は自分の今までの「ふり」を考えて、納得できると同時に反省もしたところです。ここまで、はっきり指摘した文章にもめぐり遭いませんでした。

 
「パーキンソンのリーダーシップのバイブル」(山崎武也訳、三笠書房)に、次のように述べられています。
  私の上司が昇進できない決定的理由
 うちの上司が昇進しないのには理由がある。
 自分の仕事にも通暁しているし、非常に誠実な性格だ。
 よく働くし、仕事に真剣に取り組み、部下の仕事までできる。
 ところが、自分の仕事ができるように養成している部下はいない。
 当然のことながら、彼は上のほうの地位に昇進させてもらえない。
 彼がずっと指揮してきた部の仕事が駄目になってしまうからだ。
 運が悪いというほかはない。
 自分の仕事ができるような部下を養成した、誰かほかの人が昇進していく。

 確かに、一里はあると思いませんか。最近の組織では、プレイヤー兼リーダーが多い中で、部下の育成は困難であるとは思いますが、その仕事の力の一部を、部下を育成することに努力をしてみませんか。

 秀吉が亡くなったは、2代目秀頼は6歳でした。まだまだ2代目を継ぐは余りにも幼かったのですが、そんな事情もあり、ここで2代目の育成の話を出すのは酷な気もします。しかし、実は、秀吉には養子を迎えて、2代目を育成していたふしがあるのですが、若いころの秀吉ではなく天下の頂点に立つような秀吉は、人を信じることができずに、養子を2代目として育てられなかったところにも原因があるようです。

 これに対し、家康は、凡庸であった秀忠に2代目に早くからゆずり(秀忠26歳のとき)、自分は大御所として秀忠の教育に当たったようです。(というよりは、秀忠を制御?したというべきか)ここから、徳川の幕藩体制がスタートし、15代まで250年余りの永きにわたって続くのです。
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褒めて育てる<心理実験>

2014-03-01 09:02:07 | 社会保険労務士
 成績の良しあしにかかわらず、褒めることは成長につながる。<相対評価を>

 テレビコマーシャルで「褒めて育てる」というくだりがありますが、褒めることによって、人は期待どおりの働きをするといった心理実験が紹介されている。

 アメリカの心理学者E.B.ハーロックが小学5年生の児童を次のような4つのグループに分けて、5日間にわたって足し算の問題をやらせた。
 ・賞賛群ー成績の良しあしにかかわらず、褒める。
 ・叱咤群ー成績の良しあしにかかわらず、叱り非難する。
 ・無視群ーほめもせず、叱りもしない。
 ・コントロール群ー比較のためのグループ(別室で同じ問題を行う)
  その結果、賞賛群は5日間続けて成績が向上した。叱咤群は、初めの3日間は成績が向上したが、あとは停滞。無視群はほとんど向上を示さなかった。 (「リーダーシップ 心理法則」樺亘純著、三笠書房から引用)

 子供のように素直な場合とは違って、大人の場合は、事はそう単純にはいかないかも知れないが、褒めることは、その人の能力を十分に発揮することになるのであろう。

 リーダーたるもの、その部下の長所を引き出し、仕事の成功をもたらすかは、いかに褒めるかにかかっているのではなかろうか。

 この実験結果は、もともとその仕事のパフォーマンスが高いものと低い者がいた場合には、絶対評価を行い、高い者を褒めることになりやすいが、低い人には、その人の成長に合わせた相対評価を行い、その人を褒めることの必要性を示しているともいえる。
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