午前8時から午後11時までならシフト制で早番・遅番・休み等があるはずなのだが・・ドラマでは全く見えてこない
沖縄で育った暢子は料理人になるため上京、沖縄県人会会長さんの紹介を経てレストラン「アッラ・フォンターナー」で修行することになる。オーナーの房子は暢子の亡き父との「因縁」があるようで、修業当日から連続10日勤務の朝8時から午後11時までの勤務を命ぜられる。
これって、労働基準法上どうなのか。暢子が上京した時は、まさに沖縄が本土に復帰した時とあるから、1972年になる。1972年当時の労働基準法は、労働時間の1日8時間は今と変わらないが、現在基本的には週40時間(レストラン等は44時間)ですが、このころは週48時間まで働くことができたようです。しかも、変形労働時間制が認められているので、4週間変形であるとして、4週間の間の1週間の平均労働時間が48時間内であれば、たとえある日が8時間より多かったとしても、法的にはクリアーはすることにはなります。当初の一日の勤務時間が8時間を大幅に超えるものだったとしても、後半の2週目から4週目の週の勤務を制限して、4週間全体の週平均労働時間が48時間であればよいことになります。10日間の連続働き詰めの点についてはどうでしょう。これも週に1日の休みが原則ではあるが、その変形として、4週間の中で4日の休みが取れればよいことになっているので、勤務初めの10日間休みがとれなかったとしても、11日目から後の2・3・4週間のうちに4日取れればよいことになります。
しかし、ドラマの中では、どうも解せないところがあります。まず、暢子が働き始めたときの店側の態度です。技量テストをしてから、オーナーの合格がでましたが、番組上端折ったのか知りませんが、事務的手続きの場面が全く出てきません。すなわち、うちの就業規則はこうなっているとか、労働契約締結の場面がでてきません。なにがいいたいかというと、もしも変形労働時間を採用しているのであれば、少なくとも、前もって労働条件通知書や就業規則でちゃんと周知しておかなければなりません。変形労働時間制でないのであれば、修業当時の午前8時~午後11時までの勤務は、昼休の時間を2・3時間取ったとしても労働時間が8時間をはるかに超えており違反と言うことになります。
(ここで就業規則の作成が必要かということですが、暢子を含めて従業員8人?<10人未満であれば就業規則の作成は必要ない>なので、就業規則は法上はいらないことになります。しかし、このように変形労働時間制をとっているのであれば、就業規則<従業員10人未満なら就業規則に準じるものでもOK>にその旨の記載が必要であるように思います。)
変形労働時間制であったと仮定して、このレストランは少なくとも昼間と夜の部の来客の対応をとっている店だと考えますが、そのため、午前8時から午後11時という長時間の従業員の労働時間ということになるのだと思う。こんな長期間働くことになると、なんらかのシフト制で早番、遅番、または全く勤務時間の割り当てのない日(休日)等があるはずですが、「だれが今はいない」とか全然ドラマの中では現れてきていません。変形労働時間であれば、今の時間は彼は当番上まだ出勤していないなど、必要な登場人物が登場しないことになって、ドラマの展開上仕方のないことかもしれませんけど・・・。<・・・と書きましたが・・以下 ※注意※ を見てください。>
ここまで説明してきて、大事な点が抜けておりました。沖縄復帰の1972年ころの労働基準法には、今の労基法と違い、大きな違いがあります。女子従業員には、絶対的に超えてはならないものとして、深夜労働の禁止がありました。深夜労働は午後10時から午前5時までの時間ですので、暢子の午後10時からの労働はこの当時においては禁止されていることになります。
この規定は女性は深夜に働けないことから、女性の社会進出を阻むという議論が出てきたわけです。この女子労働者の制限規定は、その後1985年の男女雇用平等法の成立、そして1997年の改正によって男女差別規制が強化されることになり、これと同時に、女性の深夜労働の禁止部分は撤廃されることになります。
さて、ドラマの中では、「今のままでいい」という「親父」の遺言なのか、物おじしない、オーナーへのためぐちなど主人公へ一言言いたいこともありますが、オーナーもオーナーですぐに「クビ」という、今なら法律上制定してある「パワハラ」となるような物言い(本当にクビなら「解雇権濫用法理違反」=当時も契約法の制定がないだけでパワハラ違反は違反だろう。)もどちらもどっちのような気がします。
※注意※ この後の放送で暢子の「休み」の日の様子とか出てきていましたが、シフト制(交代制勤務)なのがはっきり分かったのが6月28日「暢子の同店でのデート騒動」・7月4日の「3人スタッフの同時退職事件」でした。考えられてはいたのですね。
この点、朝ドラの「なつぞら」では、育児休業等が取り上げられており、女性の働き方については、うまく描かれていたように思います。
沖縄で育った暢子は料理人になるため上京、沖縄県人会会長さんの紹介を経てレストラン「アッラ・フォンターナー」で修行することになる。オーナーの房子は暢子の亡き父との「因縁」があるようで、修業当日から連続10日勤務の朝8時から午後11時までの勤務を命ぜられる。
これって、労働基準法上どうなのか。暢子が上京した時は、まさに沖縄が本土に復帰した時とあるから、1972年になる。1972年当時の労働基準法は、労働時間の1日8時間は今と変わらないが、現在基本的には週40時間(レストラン等は44時間)ですが、このころは週48時間まで働くことができたようです。しかも、変形労働時間制が認められているので、4週間変形であるとして、4週間の間の1週間の平均労働時間が48時間内であれば、たとえある日が8時間より多かったとしても、法的にはクリアーはすることにはなります。当初の一日の勤務時間が8時間を大幅に超えるものだったとしても、後半の2週目から4週目の週の勤務を制限して、4週間全体の週平均労働時間が48時間であればよいことになります。10日間の連続働き詰めの点についてはどうでしょう。これも週に1日の休みが原則ではあるが、その変形として、4週間の中で4日の休みが取れればよいことになっているので、勤務初めの10日間休みがとれなかったとしても、11日目から後の2・3・4週間のうちに4日取れればよいことになります。
しかし、ドラマの中では、どうも解せないところがあります。まず、暢子が働き始めたときの店側の態度です。技量テストをしてから、オーナーの合格がでましたが、番組上端折ったのか知りませんが、事務的手続きの場面が全く出てきません。すなわち、うちの就業規則はこうなっているとか、労働契約締結の場面がでてきません。なにがいいたいかというと、もしも変形労働時間を採用しているのであれば、少なくとも、前もって労働条件通知書や就業規則でちゃんと周知しておかなければなりません。変形労働時間制でないのであれば、修業当時の午前8時~午後11時までの勤務は、昼休の時間を2・3時間取ったとしても労働時間が8時間をはるかに超えており違反と言うことになります。
(ここで就業規則の作成が必要かということですが、暢子を含めて従業員8人?<10人未満であれば就業規則の作成は必要ない>なので、就業規則は法上はいらないことになります。しかし、このように変形労働時間制をとっているのであれば、就業規則<従業員10人未満なら就業規則に準じるものでもOK>にその旨の記載が必要であるように思います。)
変形労働時間制であったと仮定して、このレストランは少なくとも昼間と夜の部の来客の対応をとっている店だと考えますが、そのため、午前8時から午後11時という長時間の従業員の労働時間ということになるのだと思う。こんな長期間働くことになると、なんらかのシフト制で早番、遅番、または全く勤務時間の割り当てのない日(休日)等があるはずですが、「だれが今はいない」とか全然ドラマの中では現れてきていません。変形労働時間であれば、今の時間は彼は当番上まだ出勤していないなど、必要な登場人物が登場しないことになって、ドラマの展開上仕方のないことかもしれませんけど・・・。<・・・と書きましたが・・以下 ※注意※ を見てください。>
ここまで説明してきて、大事な点が抜けておりました。沖縄復帰の1972年ころの労働基準法には、今の労基法と違い、大きな違いがあります。女子従業員には、絶対的に超えてはならないものとして、深夜労働の禁止がありました。深夜労働は午後10時から午前5時までの時間ですので、暢子の午後10時からの労働はこの当時においては禁止されていることになります。
この規定は女性は深夜に働けないことから、女性の社会進出を阻むという議論が出てきたわけです。この女子労働者の制限規定は、その後1985年の男女雇用平等法の成立、そして1997年の改正によって男女差別規制が強化されることになり、これと同時に、女性の深夜労働の禁止部分は撤廃されることになります。
さて、ドラマの中では、「今のままでいい」という「親父」の遺言なのか、物おじしない、オーナーへのためぐちなど主人公へ一言言いたいこともありますが、オーナーもオーナーですぐに「クビ」という、今なら法律上制定してある「パワハラ」となるような物言い(本当にクビなら「解雇権濫用法理違反」=当時も契約法の制定がないだけでパワハラ違反は違反だろう。)もどちらもどっちのような気がします。
※注意※ この後の放送で暢子の「休み」の日の様子とか出てきていましたが、シフト制(交代制勤務)なのがはっきり分かったのが6月28日「暢子の同店でのデート騒動」・7月4日の「3人スタッフの同時退職事件」でした。考えられてはいたのですね。
この点、朝ドラの「なつぞら」では、育児休業等が取り上げられており、女性の働き方については、うまく描かれていたように思います。