松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

和ろうそくを灯す時 その4

2009-05-22 22:52:52 | 和ろうそくを灯す時
人はどんな時に和ろうそくを灯すのだろう?

私はその命題に向かって、まずは自分ができることを考えてみました。ともかく人が確実に灯す機会があるとすれば、こちらのエントリで書いたように、それは人が亡くなった時です。死者と残された遺族を結ぶ絆として、和ろうそくほど一番ふさわしいものはありません。

しかし、死というものは突然やってくるもの。いつ人が死ぬのかなんて誰にもわかりません。コンビニで和ろうそくを売っているのならまだしも、いざという時に持っていなかったら、灯したくても灯せないわけです。

私は近所の葬儀屋さんに聞いてみることにしました。何か葬儀屋さんのカタログとかがあれば、人が亡くなった場合、和ろうそくを遺族に勧めることができるかもしれないと考えたからです。

しかし、お会いした葬儀屋さんは残念そうに言いました。
「…力になりたいのは山々なんですが、今のところ何もできることはありません。」

葬儀屋さんによると、遺族のほとんどがコストパフォーマンスの良いローソクを欲しがるのだそうです。

「このローソク、何時間燃えると?」
「なるべく長い時間燃えるロウソクの方がよか。」
「ローソクと線香はタダでつけてもらえんね。アンタたち儲かりよるっちゃろもん。」

まあ、こんな感じ。
線香ですら、なるべく長く燃えるように、今では蚊取り線香みたいに丸くて世話いらずの商品があるんですから、和ろうそくの出番なんかないというのです。おまけに葬儀屋さんが取り扱っている会葬御礼の品にしても、できるだけ安い商品が好まれていて、とても和ろうそくの入る隙はありません。

私の疑問は膨らんでいきました。

大切な人が亡くなった時でも、人はできるだけ金のかからない、世話いらずのローソクを選ぶべきだと思ってるんだろうか?

自分を育ててくれた親でも?

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