後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔202〕「朗読劇と詩が語る非核非戦の集い」は大学生の朗読劇と詩人の詩の朗読で贅沢な会でした。

2018年12月26日 | ラボ教育センターなど
 その集会の案内を最初に見たのはたんぽぽ舎のメルマガでした。「朗読劇と詩が語る非核非戦の集い」が武蔵大学であるというのです。武蔵大学HPには以下のような案内があります。

■武蔵大学HPより
12月22日(土)に永田浩三ゼミ主催の「朗読劇と詩が語る非核非戦の集い」が本学にて開催されます。市民と学生との交流を通じて非核平和について考えたいと思います。どうぞご参加ください。

第一部 武蔵大学学生による朗読劇「わたしたち朝鮮人がヒロシマで体験したこと」
    永田浩三 武蔵大学社会学部教授 のお話

第二部 詩の朗読 石川逸子さん、青山晴江さん、佐川亜紀さん、鈴木比佐雄さん
◎市民と学生の交流

日時:2018年12月22日(土) 13:30~16:00(予定)
場所:武蔵大学江古田キャンパス1002教室(正門入り左、1号館の地階)
武蔵大学江古田キャンパスへのアクセス
主催:武蔵大学永田浩三ゼミ、在韓被爆者問題市民会議、ヒロシマ連続講座
協力:早稲田大学日韓未来構築フォーラム誠神交流
資料代:300円(学生無料)


 案内を見てこの集会に参加したいなと思ったのは、まずは会場が実家のすぐ近くであること、さらに大学生による朗読劇ということで、これはまさに演劇教育の範疇に入るということ、その前々日に朝日新聞にその記事が出たこと、石川逸子さんがみえるということなどが重なってのことでした。これはまさに行くっきゃない! という思いでした。
 2018年12月20日の朝日新聞には「朝鮮被爆者の人生 広島弁で語る」「22日 武蔵大生が朗読劇」(豊秀一)とありました。
 武蔵大学は小学生の私にとっての格好の遊び場でした。大学の中に小川が流れていて、お玉杓子がいっぱいいました。加えてクワガタや蝉などの昆虫も魅力でした。椎の実や柿がなっていました。ただし、鉄条網の下をくぐって守衛さんに見つからないようにしての遊びでした。
噂では自転車で巡回してくる守衛さんに捕まったという子どももいたということでした。
 正門から堂々と大学に入ったのは、小学校5年生ぐらいの時でした。担任の男の先生が作文教育に熱心で、私の作文をコンクールに応募してくれたのです。それが入賞して大学で表彰式があったのです。確か毎日新聞と武蔵大学が後援だったような記憶があるのです。賞状と国語辞典をもらったのを覚えています。
 集会会場はとても近代的な1号館の地階でした。集会の休憩中に、その部屋の裏手を回ってみたところ、大学構内の整備された小川の大きな写真が一面に張り巡らされていました。かつて私たちが遊び回った小さな小川があまりにも美しくそこに映し出されているのでした。

 さて、この集会は3団体共催ということで2回に分けてもいいような、実に内容豊富なものでした。資料も充実していて資料代が300円とはとても信じられませんでした。用意された資料60部がなくなり、参加者は七十数人にのぼりました。
 私が一番関心を持っていたのは武蔵大学学生による朗読劇「わたしたち朝鮮人がヒロシマで体験したこと」でした。学生たちは永田浩三社会学部教授の指導を受けながら朗読劇台本を作成しました。

・第1章 8月6日、何を体験したのか
・第2章 日本に、広島に渡ったいきさつ
・第3章 被爆の後の差別
・第4章 日本政府との闘い
・第5章 最終章


 長らく韓国人原爆犠牲者慰霊碑が平和公園内外にあったということは知ってはいても、広島にいた朝鮮人が2~3万人も被爆に遭っているいることは衝撃でした。全体の10人に一人が朝鮮人ということになります。
大学3年生18人が二重の差別を受けたともいえる朝鮮人被爆者のことを掘り起こし、脚本化して上演にまでこぎ着けた学びに大きな拍手を送りたいと思います。発表会は今回で2回目であったようです。一回目の発表は今年の8月、広島でのことでした。そのときの様子を新聞が伝えています。


■東京新聞 2018年8月25日

<つなぐ 戦後73年>広島の朝鮮人被爆者の被害 武蔵大生が朗読劇に

 広島の朝鮮人被爆者の被害を語り継ごうと、武蔵大社会学部(練馬区)の学生たちが朗読劇を作った。二十六日に広島平和記念資料館(広島市)で発表する。朝鮮半島で非核化に向けた動きが高まるこの夏、日本人だけではなかった原爆の被害に光を当てようとしている。 (渡辺聖子)
 取り組んでいるのは、永田浩三教授のゼミでメディアについて学ぶ三年生十八人。朝鮮人被爆者の関係者の証言やインタビューをまとめた本を読み、印象に残った言葉を抜き出し、四十分ほどの作品に仕立てた。
 題名は「わたしたち朝鮮人がヒロシマで体験したこと」。日本の植民地政策によって祖国を追われるようにして来日し被爆した体験と、その後の差別や苦労を描いた。日本人と同様に被爆者健康手帳を交付するよう求めた裁判闘争の歴史や、帰国した被爆者に平岡敬・元広島市長が聞き取りした様子も盛り込んだ。
 朝鮮人という視点から知った歴史に衝撃を受けた学生は少なくない。脚本を担当した大谷ひかりさん(21)は、朝鮮人被爆者の存在について「今までなぜ知らなかったのかと羞恥心にかられた」と話す。
 朗読という形式をとったことから、大谷さんの提案で広島弁で語ることに。学生はみな関東出身のため、永田教授の知人で広島市出身の会社員太田恵さん(52)=さいたま市=に抑揚などを教わっている。指導を通じて「あらためて深く知ることになった」という太田さんは「ずっしりと心に残る体験になると思う」と学生の活動に協力する。
 助監督を務める内藤唯さん(21)は「広島の人たちに朗読劇が受け入れてもらえるのか不安もある」としながら、「私たちの世代でも原爆について考えたり、歴史を受け継いだりできるということを伝えられたら」と話す。


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