2015年12月6日(日)の昼過ぎ、私は東京都の東村山市スポーツセンターにいました。週一回バドミントンで通っている馴染みの場所です。ここに研修室があるのですね。初めて知りました。NPO法人 HUGこどもパートナーズ主催の「憲法ってなんだっけ?」という授業があるというので参加しました。
さて、HUGこどもパートナーズとはどのような団体なのか、HPから拾ってみましょう。
■NPO法人 HUGこどもパートナーズ
HUGこどもパートナーズとは?
新しく生まれた命。
かわいいけれど困ったこともいっぱい。
「ママ友がほしいな・・」
「こんな時はどうしたらいいの? 相談にのってほしい」
誰かかがなんとかしてくれるのを待っていてもはじまらない。東村山が子育てしやすいまちになるように、自分達でやれることをやっていこうよ。
そんな思いで子育て当事者が集まってできたNPO、それがHUGこどもパートナーズです。
ボランティアで始めた小さな「親子サロン」が事業の始まりでした。
今は子育てひろばの運営や情報誌の発行など、困っていたママ達当事者の力が仕事や活動につながっています。子育て中だけど、社会と関わることがしたい、お母さん同士支え合いたい、そんな一歩を応援する活動を今後も広めていきたいと思います。
●主な事業内容
1.親子サロンなどの居場所づくり事業
ぷくぷく、ぽっとなど親子サロンの開催
2ヶ月ママ、5ヶ月ママなど月齢別
プログラムの開催
2.子ども・子育てに関する学習機会の提供事業
講演会・講座の企画、調査など
3.子ども・子育てに関する情報発信・交流事業
「トコトコ通信」の発行
会報誌「HUGコミ」の発行
「子どものために選挙に行こう」呼びかけ
HPの運営など
4.育児サポート事業
①東村山市ファミリー・サポート・センター
②育児サポート まめっちょ
会の代表の磯部妙さんは私の教え子・桃ちゃんのお母さんです。数年前にこの会で子どもを見る目や学校との連携などについて、現場からの実践的な話をさせてもらったことがあります。
今回は自由の森学園の社会科教師、菅間正道さんの話が聞けるというので楽しみにしていました。教育科学研究会で常任委員をしていて、実践記録も多く書かれています。直近では、雑誌「教育」2015年9月号に「僕の“政治の授業”はどうだったろうか?」を興味深く読みました。卒業生との率直な意見交換に好感を持ったものです。
今回の「生徒」たちは中学生から70代の大人まで、40人以上でした。授業が始まる2時には研修室は人でいっぱいでした。長机に3人がけです。
菅間さんは長身で、声がはっきりとおる中学校の先生でした。実にテンポの良い、飽きさせない授業でした。
授業はいきなり「問題」からスタートでした。
「2015年9月27日(日)、午後2時頃、足立区で殺人事件がありました。その時のあなたのアリバイを証明できますか。」
見知らぬ隣同士で組を作って、刑事と尋問される人に分かれて、身の潔白を証明します。私の新しい手帳には9月の予定は書かれていません。隣の中学生を納得させるのは至難の業でした。…次は私が刑事役で、中学生に話を聞きます。
ひとしきりそれぞれの問答が終わり、全体での話し合いになりました。自己申告でシロ、グレー、クロに分けて、シロの人の言い分を吟味します。完全にシロと証明することの困難さを体験することになったのです。
さてここで種明かし、実はこれは、1988年11月16日(水)に実際にあった綾瀬母子殺害事件、のことでした。中3の不登校生徒3人が疑われた事件です。犯行の自白を迫り、殺害の方法を強制する取り調べについてのようすが本になって出版されました。(『ぼくたちやってない 東京・綾瀬母子強盗殺人事件』横川 和夫、駒草出版)その一部を読みながら、その取り調べのどこが憲法違反なのかを考えるのです。そして、ここで初めて憲法の条文が登場するのです。
次に提示されたのがウルトラマンコスモス事件、俳優杉浦太陽さんの冤罪事件でした。(2002.7.9,朝日新聞)
まとめとして、菅間さん自身が執筆した「冤罪と日本国憲法-憲法とは何か?」(中学公民教科書「清水書院」2015)を読みました。
そして最後の穴埋め問題は次の通りです。空欄に何が入るのでしょうか。
「〔 〕は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。」
正解は、憲法99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、 この憲法を尊重し擁護する義務を負う。」
つまり日本国憲法は立憲主義ということです。
実に見事な授業展開でした。
*自由の森学園で思い出しました。1998年夏、フレネ国際教育者会議が10日間ここでアジアで初めて開かれました。外国から170名、日本国内から170名の参加者を得て盛況のうちに幕を閉じたのです。その時の様子を私は『実践的演劇教育論』(晩成書房、2013)に「フレネ教育と演劇教育」として報告しています。
さて、HUGこどもパートナーズとはどのような団体なのか、HPから拾ってみましょう。
■NPO法人 HUGこどもパートナーズ
HUGこどもパートナーズとは?
新しく生まれた命。
かわいいけれど困ったこともいっぱい。
「ママ友がほしいな・・」
「こんな時はどうしたらいいの? 相談にのってほしい」
誰かかがなんとかしてくれるのを待っていてもはじまらない。東村山が子育てしやすいまちになるように、自分達でやれることをやっていこうよ。
そんな思いで子育て当事者が集まってできたNPO、それがHUGこどもパートナーズです。
ボランティアで始めた小さな「親子サロン」が事業の始まりでした。
今は子育てひろばの運営や情報誌の発行など、困っていたママ達当事者の力が仕事や活動につながっています。子育て中だけど、社会と関わることがしたい、お母さん同士支え合いたい、そんな一歩を応援する活動を今後も広めていきたいと思います。
●主な事業内容
1.親子サロンなどの居場所づくり事業
ぷくぷく、ぽっとなど親子サロンの開催
2ヶ月ママ、5ヶ月ママなど月齢別
プログラムの開催
2.子ども・子育てに関する学習機会の提供事業
講演会・講座の企画、調査など
3.子ども・子育てに関する情報発信・交流事業
「トコトコ通信」の発行
会報誌「HUGコミ」の発行
「子どものために選挙に行こう」呼びかけ
HPの運営など
4.育児サポート事業
①東村山市ファミリー・サポート・センター
②育児サポート まめっちょ
会の代表の磯部妙さんは私の教え子・桃ちゃんのお母さんです。数年前にこの会で子どもを見る目や学校との連携などについて、現場からの実践的な話をさせてもらったことがあります。
今回は自由の森学園の社会科教師、菅間正道さんの話が聞けるというので楽しみにしていました。教育科学研究会で常任委員をしていて、実践記録も多く書かれています。直近では、雑誌「教育」2015年9月号に「僕の“政治の授業”はどうだったろうか?」を興味深く読みました。卒業生との率直な意見交換に好感を持ったものです。
今回の「生徒」たちは中学生から70代の大人まで、40人以上でした。授業が始まる2時には研修室は人でいっぱいでした。長机に3人がけです。
菅間さんは長身で、声がはっきりとおる中学校の先生でした。実にテンポの良い、飽きさせない授業でした。
授業はいきなり「問題」からスタートでした。
「2015年9月27日(日)、午後2時頃、足立区で殺人事件がありました。その時のあなたのアリバイを証明できますか。」
見知らぬ隣同士で組を作って、刑事と尋問される人に分かれて、身の潔白を証明します。私の新しい手帳には9月の予定は書かれていません。隣の中学生を納得させるのは至難の業でした。…次は私が刑事役で、中学生に話を聞きます。
ひとしきりそれぞれの問答が終わり、全体での話し合いになりました。自己申告でシロ、グレー、クロに分けて、シロの人の言い分を吟味します。完全にシロと証明することの困難さを体験することになったのです。
さてここで種明かし、実はこれは、1988年11月16日(水)に実際にあった綾瀬母子殺害事件、のことでした。中3の不登校生徒3人が疑われた事件です。犯行の自白を迫り、殺害の方法を強制する取り調べについてのようすが本になって出版されました。(『ぼくたちやってない 東京・綾瀬母子強盗殺人事件』横川 和夫、駒草出版)その一部を読みながら、その取り調べのどこが憲法違反なのかを考えるのです。そして、ここで初めて憲法の条文が登場するのです。
次に提示されたのがウルトラマンコスモス事件、俳優杉浦太陽さんの冤罪事件でした。(2002.7.9,朝日新聞)
まとめとして、菅間さん自身が執筆した「冤罪と日本国憲法-憲法とは何か?」(中学公民教科書「清水書院」2015)を読みました。
そして最後の穴埋め問題は次の通りです。空欄に何が入るのでしょうか。
「〔 〕は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。」
正解は、憲法99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、 この憲法を尊重し擁護する義務を負う。」
つまり日本国憲法は立憲主義ということです。
実に見事な授業展開でした。
*自由の森学園で思い出しました。1998年夏、フレネ国際教育者会議が10日間ここでアジアで初めて開かれました。外国から170名、日本国内から170名の参加者を得て盛況のうちに幕を閉じたのです。その時の様子を私は『実践的演劇教育論』(晩成書房、2013)に「フレネ教育と演劇教育」として報告しています。