このブログは約一ヶ月のご無沙汰でした。どうしたんだろうと気をもんでくれた読者もあるかも知れませんが、実は妻とドイツ(一部はオーストリア)の旅に出ていたのです。最初の10日間は友人のYさんと一緒でした。彼女は高名な詩人の司書的存在です。3人は団塊の世代で、年齢はほぼ同じでした。美術芸術談義にとどまらず、社会や政治を巡る動きに対しても、さらには文学の世界まで話題は尽きることはありませんでした。いつもの夫婦2人旅とはひとあじ違った、楽しい旅になりました。
今回の旅のテーマは「祈りの彫刻 中世ドイツを歩く」といった風でした。Yさんにはリーメンシュナイダーの代表作を現地で紹介しました。妻はリーメンシュナイダーやそれに連なる人たち(工房、学校、リーメンシュナイダー系)の作品を、私はリーメンシュナイダーと同時代に生きた彫刻家の作品探訪でした。作家の名前を挙げればきりがないのですが、ファイト・シュトース、ミヒェル・エーアハルト、ハンス・ラインベルガー、ハンス・ムルチャー、ハンス・ロイ…といったところです。
そしてこの旅の途中で、妻は著書『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(丸善プラネット)に続く3冊目の本を出版する意志を固めました。『祈りの彫刻 中世ドイツを歩く』(仮)といった感じになりそうです。『祈りの彫刻』3部作はこれにて完結します。リーメンシュナイダー作品の補遺、同時代の作家の代表作を写真を通して日本の人に知ってもらおうというわけです。妻と私の共著にしようと彼女は言っていましたが、私はお手伝い程度にとどめるのが妥当なところではないかと思っています。それは、3作目も写真集で、なにせ写真は彼女一人で撮っているのですから。でも、本の末尾にでも、中世ドイツの彫刻を巡るわたしの「感想文」でもひっそりと載せさせてもらえば嬉しいなとは思っています。おそらく彼女はリーメンシュナイダー作品を世界中の誰より見ているし、「伴走者」の私は2番目に見ているのではないかと自負しているからです。演劇教育を考えてきた私から見た中世ドイツの彫刻という視点は、生前の植田重雄さんからも評価されました。
今秋の旅は、私は大学の授業が始まるため一ヶ月でしたが、妻は二ヶ月になり現在進行中です。それだけの時間と費用をかけての贅沢な旅です。さらに、ドイツ各地に散らばる彼女の友人たちの協力を無視するわけにはいきません。宿泊させていただいたのがフランクフルト、シュツゥットガルト、ロストックの3箇所、「取材」に協力していただいたドイツ人は軽く10人を超えます。その人たちのためにも本を作る必要があるのです。
さて、簡単に旅の行程を紹介しましょう。〔主な見学場所〕
●10月12日(水)からヴュルツブルク4泊
〔リーメンシュナイダー初期の重要作品のあるミュンナーシュタット、Yさんリクエストのバンベルク、リーメンシュナイダー後期「嘆きの群像」のあるマイトブロン、リンパー、ヴュルツブルク・レジデンツでのワインケラーツアー、デッテルバッハ、マインフランケン博物館など〕
●10月16日(日)からローテンブルク2泊
〔「聖血の祭壇」のある聖ヤコブ教会など市内の作品巡り、リーメンシュナイダーの最高傑作の1つの「マリア祭壇」のあるクレークリンゲン、デトヴァングなど〕
●10月18日(火)ニュルンベルク1泊
〔ロレンツ教会、ゲルマン国立博物館など〕
●10月19日(水)からミュンヘン2泊
〔モースブルク主祭壇巡り、バイエルン国立博物館、アルテピナコテーク〕
●10月21日(金)からシュツゥットガルト2泊(ドイツ人宅)
〔ブラウボイレン主祭壇巡り、ウルム大聖堂、ウルム博物館など〕Yさん帰国
●10月23日(日)からシュベービッシュ・ハル2泊
〔市内の博物館2館、ミヒャエル教会など、友人の見舞い〕
●10月25日(火)からフライブルク2泊
〔コルマールのウンターリンデン博物館、ブライザッハ聖堂主祭壇巡り、ニーデルロートヴァイラア祭壇〕
●10月27日(木)からザルツブルク2泊
〔フランツィスカーナ教会、ドーム美術館、ケーファーマルクト主祭壇巡り〕
●10月29日(土)からアイゼナハ2泊
〔ゴータ、ヴァルトブルク城〕
●10月31日(月)からドレスデン2泊
〔フライベルク、アンナベルクの教会〕
●11月2日(水)からベルリン2泊
〔ボーデ博物館〕
●11月4日(金)からロストック2泊(ドイツ人宅)
〔ヴィスマール、茅葺き屋根の家見学〕
●11月6日(日)ハンブルク1泊
〔友人との食事〕
●11月7日(月)からジュッセルドルフ2泊
〔カルカー主祭壇巡り、原発跡遊園地訪問〕
●11月9日(水)フロイデンベルク1泊
〔市内観光〕
●11月10日(木)からフランクフルト3泊(ドイツ人宅)
〔リービークハウス、ヘルンシュタイン〕三津夫帰国
一ヶ月行程を駆け足で見てきました。ここでは到底書き尽くせない楽しいことやびっくりする発見があったのですが、それはミニコミ「啓」にまとめることにしましょう。悪しからず。
今回の旅のテーマは「祈りの彫刻 中世ドイツを歩く」といった風でした。Yさんにはリーメンシュナイダーの代表作を現地で紹介しました。妻はリーメンシュナイダーやそれに連なる人たち(工房、学校、リーメンシュナイダー系)の作品を、私はリーメンシュナイダーと同時代に生きた彫刻家の作品探訪でした。作家の名前を挙げればきりがないのですが、ファイト・シュトース、ミヒェル・エーアハルト、ハンス・ラインベルガー、ハンス・ムルチャー、ハンス・ロイ…といったところです。
そしてこの旅の途中で、妻は著書『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(丸善プラネット)に続く3冊目の本を出版する意志を固めました。『祈りの彫刻 中世ドイツを歩く』(仮)といった感じになりそうです。『祈りの彫刻』3部作はこれにて完結します。リーメンシュナイダー作品の補遺、同時代の作家の代表作を写真を通して日本の人に知ってもらおうというわけです。妻と私の共著にしようと彼女は言っていましたが、私はお手伝い程度にとどめるのが妥当なところではないかと思っています。それは、3作目も写真集で、なにせ写真は彼女一人で撮っているのですから。でも、本の末尾にでも、中世ドイツの彫刻を巡るわたしの「感想文」でもひっそりと載せさせてもらえば嬉しいなとは思っています。おそらく彼女はリーメンシュナイダー作品を世界中の誰より見ているし、「伴走者」の私は2番目に見ているのではないかと自負しているからです。演劇教育を考えてきた私から見た中世ドイツの彫刻という視点は、生前の植田重雄さんからも評価されました。
今秋の旅は、私は大学の授業が始まるため一ヶ月でしたが、妻は二ヶ月になり現在進行中です。それだけの時間と費用をかけての贅沢な旅です。さらに、ドイツ各地に散らばる彼女の友人たちの協力を無視するわけにはいきません。宿泊させていただいたのがフランクフルト、シュツゥットガルト、ロストックの3箇所、「取材」に協力していただいたドイツ人は軽く10人を超えます。その人たちのためにも本を作る必要があるのです。
さて、簡単に旅の行程を紹介しましょう。〔主な見学場所〕
●10月12日(水)からヴュルツブルク4泊
〔リーメンシュナイダー初期の重要作品のあるミュンナーシュタット、Yさんリクエストのバンベルク、リーメンシュナイダー後期「嘆きの群像」のあるマイトブロン、リンパー、ヴュルツブルク・レジデンツでのワインケラーツアー、デッテルバッハ、マインフランケン博物館など〕
●10月16日(日)からローテンブルク2泊
〔「聖血の祭壇」のある聖ヤコブ教会など市内の作品巡り、リーメンシュナイダーの最高傑作の1つの「マリア祭壇」のあるクレークリンゲン、デトヴァングなど〕
●10月18日(火)ニュルンベルク1泊
〔ロレンツ教会、ゲルマン国立博物館など〕
●10月19日(水)からミュンヘン2泊
〔モースブルク主祭壇巡り、バイエルン国立博物館、アルテピナコテーク〕
●10月21日(金)からシュツゥットガルト2泊(ドイツ人宅)
〔ブラウボイレン主祭壇巡り、ウルム大聖堂、ウルム博物館など〕Yさん帰国
●10月23日(日)からシュベービッシュ・ハル2泊
〔市内の博物館2館、ミヒャエル教会など、友人の見舞い〕
●10月25日(火)からフライブルク2泊
〔コルマールのウンターリンデン博物館、ブライザッハ聖堂主祭壇巡り、ニーデルロートヴァイラア祭壇〕
●10月27日(木)からザルツブルク2泊
〔フランツィスカーナ教会、ドーム美術館、ケーファーマルクト主祭壇巡り〕
●10月29日(土)からアイゼナハ2泊
〔ゴータ、ヴァルトブルク城〕
●10月31日(月)からドレスデン2泊
〔フライベルク、アンナベルクの教会〕
●11月2日(水)からベルリン2泊
〔ボーデ博物館〕
●11月4日(金)からロストック2泊(ドイツ人宅)
〔ヴィスマール、茅葺き屋根の家見学〕
●11月6日(日)ハンブルク1泊
〔友人との食事〕
●11月7日(月)からジュッセルドルフ2泊
〔カルカー主祭壇巡り、原発跡遊園地訪問〕
●11月9日(水)フロイデンベルク1泊
〔市内観光〕
●11月10日(木)からフランクフルト3泊(ドイツ人宅)
〔リービークハウス、ヘルンシュタイン〕三津夫帰国
一ヶ月行程を駆け足で見てきました。ここでは到底書き尽くせない楽しいことやびっくりする発見があったのですが、それはミニコミ「啓」にまとめることにしましょう。悪しからず。