後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔232〕心身の健康管理をかねて、シルバーディに「コートールド美術館展 魅惑の印象派」に行ってきました。

2019年09月21日 | 美術鑑賞
 東京都美術館では1ヶ月に1度くらいシルバーディがあって、65歳以上は入館が無料になることは以前からこのブログで書いてきたことです。この事実については東京都美術館のサイトでもなんだか控えめに掲載しているような気がします。あまり多く来られても収入が減るし、入場者が多くなると管理が大変になるという心配もあるのでしょうか。
 そんなことはお構いなしに、私は新しい展示が始まると2ヶ月に1度くらいいつもより1時間早起きして出かけるのでした。7時半の電車に間に合わせるのは大変です。しかも結構電車は混んでいるのです。まあそれも1時間ほどの我慢です。うまくいけば座れることもあります。帰りはまず座れることが多いので、新書を1冊いつも持ち歩いています。今回は『反骨のジャーナリスト』(鎌田慧、岩波新書)の半分くらいは目を通すことができました。美術館に着くのが8時40分ぐらい、開場が9時20分くらいですから、その間は立ちんぼで清々しい秋の読書に精を出しました。
 今回は私の前に並んでいた人は100人くらいでしょうか。いつもよりかなり少ない感じでした。
 帰りは昼食をとって池袋で本屋とブックオフ巡りです。

 さて今回は「コートールド美術館展 魅惑の印象派」です。実は数年前にロンドンにあるコートールド美術館を訪れています。テムズ川の畔にあるそれほど大きくはない美術館という印象でした。開館前に着いたためしばらくテムズ川をゆったりと眺めていたのを思い出します。

 今回の展示の目玉はマネの最晩年の傑作と言われている《フォリー=ベルジェールのバー》です。この作品は以前日本に来たことがあり、私も鑑賞しています。コートールド美術館ではもちろん常時展示されていてゆったり鑑賞できたのを覚えています。今回は美術館が改装中ということで貸し出されたようです。

 しかしなぜ日本ではこんなに印象派の美術展が多いのでしょうか。日本人は印象派が大好きなのでしょうね。もちろん私も印象派の絵は嫌いではないのですが、もう少し、私が贔屓にしているドイツ・フランドル絵画や彫刻の展覧会があってもいいように思うのです。
 印象派の画家の中では私はやはりマネがお気に入りです。中学校演劇で一世風靡した美術教師の故・渡辺茂さんも同意見で、それを聞いた時なんだか妙に嬉しくなったのを思い出します。

 最後に耳より(?)の情報を。上野に行ったら国立西洋美術館の常設展はシルバーは無料だということは以前に書いたとおりですが、東京国立博物館では70歳以上無料の総合文化展という展示がありました。これは常設展のようです。今年中には私もただで入れるというわけです。年取っても少しは良いことがありますかね。
*東博のサイトより〔高校生以下および満18歳未満,満70歳以上の方は,総合文化展について無料です。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳,健康保険証,運転免許証など)をご提示ください。〕

●コートールド美術館展 魅惑の印象派 Masterpieces of Impressionism: The Courtauld Collection
2019年9月10日(火)~12月15日(日) 〔東京都美術館のサイトより〕

 ロンドンにあるコートールド美術館のコレクションから、印象派・ポスト印象派の作品を紹介します。実業家サミュエル・コートールドが収集したコレクションを核に1932年に設立された同館は、美術史や保存修復において世界有数の研究機関であるコートールド美術研究所の展示施設です。本展覧会では、その研究機関としての側面にも注目し、画家の語った言葉や同時代の状況、制作の背景、科学調査により明らかになった制作の過程なども紹介し、作品を読み解いていきます。
 日本の風景のようだと語られたファン・ゴッホによるアルルの風景《花咲く桃の木々》、19世紀後半の近代都市パリの風俗を映すルノワールの《桟敷席》やマネの《フォリー=ベルジェールのバー》、科学調査が作品の秘密を解き明かしたゴーガンの《ネヴァーモア》やモディリアーニの《裸婦》などをはじめ、選りすぐりの絵画・彫刻約60点を展示します。

○みどころ
1. マネ、最晩年の傑作《フォリー=ベルジェールのバー》来日
 作品の大部分は、鏡の中の世界。さまざまな解釈を呼び起こしてきた女性の表情と鏡像のずれ、画面左上にちらりと見える曲芸師の足、精緻に描かれたカウンターの静物など、マネはさまざまな要素を卓越した技術でひとつの画面に収めています。マネの画業の集大成が約20年ぶりに来日します。
2. ルノワール、ゴーガン、セザンヌなど、巨匠たちの作品を堪能
 第1回印象派展に出品されたルノワールの《桟敷席》、タヒチ滞在期の謎めいたゴーガンの名画《ネヴァーモア》をはじめ、イギリス随一のセザンヌ・コレクションから、油彩画10点、日本初公開となるセザンヌの手紙が出品されます。
3. 名画を読み解く
 コートールド美術館の研究所の展示施設という側面に着目し、名画を「読み解く」方法を紹介します。画家の語った言葉や同時代の状況、制作の背景、科学調査により明らかになった制作の過程などを知ることで、新たな見方を楽しむことができるかもしれません。

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