25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

表と裏

2016年04月19日 | 社会・経済・政治

  テレビニュースは熊本地震一色で、トランプ候補はどうなっているのか、クリントンやサンダーズはどうなっているのか、報じないが、さすが新聞は国際面、経済面などと紙面が分かれているため、ミャンマーが憲法改正に意欲的であることなどを報じている。軍部が議席割当てで四分の一を占めていて、外国国籍を家族に持つものは大統領になれない、という憲法を改正しようとすると軍部との衝突が起きるのではないか、と案じられる。軍人に民主主義への理解があればいいのだが、インドネシアもフィリピンも一応の民主化には成功した。まだ大地主制や相続税などの制度の問題は残るが、ミャンマーも成功してほしいものだ。

 ある時期、国の混乱期に強力なリーダーが出てきて、独裁政治を行うことに良い面も悪い面もあるが、とりあえず国をまとめるという点ではしかたのない現象であろうと思う。

 中国においても共産党に一党独裁でやっているが、混乱期の頃、毛沢東率いる独裁政権が出て来なかったら、中国は相変わらず群雄割拠が続いていたのではないか、と思える。国民の経済生活が向上してくると、今度はいかにして独裁政治を平和裡に壊していくか、ソフトランディングをどのようにするかが課題になってくる。

 自ら、国民の力でソフトランディングをするのが望ましい。日本は農地解放や教育制度など、憲法ですらアメリカにやってもらったから、たやすかった。従順であれば、日本人ではできないことを次々とやってくれた。目玉焼きモハンバーグも、栄養面から寿命の短い日本に持ってきてくれた。

 日本はその代わりに基地を提供した。日本には独裁政治は今のところないから、当面、アメリカとどう付き合っていくか、べったりなのか、対等なのか、従属なのか、トランプが大統領になったらどうするのか、というような問題がずっと残っている。安保法制もその中にある。

 日本は戦後の復興で高度経済成長を遂げた(熊本も復興で経済成長を遂げるだろう)。ほとんど人が掃除機、炊飯器、ガスコンロ、洗濯機、エアコン、電子レンジ、オーブン、車、携帯、オーデオ、パソコン、印刷機を持つようになった。いわば生活はやや落としたとしても昭和20年に戻ることはないだろう。維持する経済力があり、成熟させ、向上させる子育て環境、胎児期、乳児期、教育格差などの問題に取り組むべき時期にきているのだと思う。

 地震列島に住む我々はまた不安を突きつけられ。いつ起こるかわからないことへの不安を減ずるのも日本の課題なのだろう。断続的に続く地震への怯えがテレビを通じて国民が共有せざるを得ない。昭和19年の東南海地震津波は報道が軍部によって規制され、人心を不安にさせるから、ということを聞いたことがある。これも困ったことだが、他所の知らない人は平気でいられた。なんでも表面と裏面があることよ。