25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

橋下徹

2016年04月26日 | 社会・経済・政治

 元大阪市長の橋下徹がテレビでコメンテーターのような仕事をしている。テレビは大扱いのようである。とにかく歯切れがよい。そして日本人の未成熟さについても、あの、そのー、ええと、なくすっきりと語る。

 橋下率いる維新の会がどうして「太陽の党」と合併し、次に松野が率いるグループと合併し、また分かれるということをして、「おおさか維新の会」で落ち着き、安倍政権の補完勢力だとみなされている。

 権力の一角を占めるには公明党のように自民党とぴったりくっついているほうがリアリスである政治家には良い、事はなりやすい、と思っているのだろうか。

 あのような弁の達者さと討論するとなれば、他の人はもたないだろうと思う。山口組み問題、テロ問題、政治家秘書問題、パナマ文書等について、澱みなく話す姿を見ていると、見る者はその爽快さに魅了されることだろう。法と政治、行政のことをよく知っている。制度を変えていくことに理想を見出しているように見える。また法知識でのみ勝負するしかない自分というものをよく知っているようにも見える。

 思想となると、何を考えているのかわからない。例えば、集団的自衛権の行使については賛成している。経済政策についてもアベノミクスを支持しているように見える。

 どのようなことが幸福なのか、最低限の生活とは現代日本でどのようなことをいうのか、どの方向に日本を行かせようとしているのか、その辺がわかりにくい。

 大阪都構想はわかりやすかったが、全国区に出たとたん、わかりにくくなった。それにしても歯切れがよい。この歯切れのよさも薄ら怖い。小泉元首相も爽快に見えた。だがたいしたことはできなかった。規制緩和の悪い方が出てきた。公共工事を減らしたのはよかったが、格差を広げてしまった。そしてイラク戦争への加担で、テロに気をつけなければならない国となった。その間、国民はきゃあきゃあと小泉人気で騒いでいた。政治の評価はあとでなされるとよく思ったものだ。小泉元首相が引退のときになぜに安倍晋三を後継としたのか、その辺もよくわからない。