25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

夏休みの日課

2018年07月31日 | 日記
 小学生の頃、夏休みになると蝉とりは毎日の日課であった。行くルートも決まっていた。寺町の路地から袋をつけた竹竿をガラガラと音をたてて、まずは念仏寺の庭、そこで一匹、二匹と熊蝉や油蝉をとると、中村山の方面に桜町を上がる。中村山までの道脇にも大きな木があって、樹皮をくまなく見る。木に登ることも厭わず、竹竿が届く限りにまで登って、一匹を蝉を逃すと悔しかった。中村山にはにいにい蝉もいる。
 藪の中に入り込んで、ハゼの葉に触ってしまいかぶれたことが二度あった。あの激しい痒さには参ったものだ。たっぷりち樹木があるこの山もまわるコースは決まっていた。
 蝉取りも晩年の小学五年生の頃、円柱型になった布の袋よりも、川魚を採る網を竹竿の先端につけたほうがよいことがわかった。逃がす率は少なくなり、あっけなく蝉が取れる。すでにもう蝉取りに飽いていた頃だった。野球をやっている方が楽しかった。

 午後からは黒淵まで泳ぎに行った。飛び込んでは泳ぎ、また岩場に上がって飛び込むのを繰り返すうちに寒さで唇が紫色になって歯をガチガチ鳴らしていた。あの頃は1時間泳いでいても2時間や3時間のように思えたのだった。 盆を過ぎると親たちは泳ぎにいかないよう言った黒淵でも足をじっぱられるとか、なんとか恐ろしいようなことを大人達が言い、それが本当のようにだれも盆を過ぎて泳ぎに行かないので、ぼくは今も盆を過ぎて泳ぐものではない、という思いに囚われる。

 ぼくの黄金期の時期である。二学期が久留のがいやでいつまでも縛られることなく遊んでいたかった。親も、こんなことするな、あんなことをするなと言うのではなかった。
 戦争が終わってもう15年も経ち、ぼくなどは世の中の暗さを知らず、経済成長の恩恵を受けてたぶんすくすくと育ったもだと思う。
 一億総中流社会に突入していた。日本の歴史の中でも一番よかった時代だったろうと思う。団塊の世代にはまだ貧しさや、昔風の男女倫理もあった。鬱陶しく反応権力と叫んでいたものが、あっさりと大企業に入ったり、公務員になっていた。ちょっと馴染めなかった。その転向には潔さのかけらないように思えた。がしかし彼らは高度経済成長牽引したのだった。
 
 

命懸けの人気者

2018年07月30日 | 音楽
芸能人の借金話。
 加山雄三、小林旭、さだまさしと思い浮かぶが橋幸夫も借金が17億円あったと打ち明け話をテレビでしていた。75歳になって再婚したことも言っていた。どうやら彼は企画マンのようで、次から次へとアイデアがでてくるらしい。それでも16歳のときの大ヒットが今の橋幸夫をつくり、それ以上のアイデアは浮かんでも商品「橋幸夫」には負けるようだ。新曲デュエットソングまで出したというのだから、引退などは考えてもいないのだろう。
 すごかった話は、彼が21歳の時、ステージで歌を歌っていたら、暴漢が日本刀をもって襲ってきた。第一の縦の太刀を躱し、第二の横太刀を防ぎきれず、肘を切られ、逃げながら、第三の縦の太刀を背中に受けて、最後の留めの太刀を手の平でとったのだそうだ。暴漢はそれでもゴリゴリと刃を回したようで、その傷跡と指の歪みが今も残っていた。

 そう言えば美空ひばりも硫酸をかけられたことがあった。昔は危なかったのか。呑気だったのか。
 当時の人気者は命懸けだったようだ。
 矢沢永吉、井上陽水、サザンオールスターズ、中島みゆき、松任谷由美と、彼ら彼女らは客を呼べる大物歌手だがそんな話を聞いたことがない。
 橋幸夫が、
「もう人生百歳時代ですよ。だからね、高齢者を使った番組があったらいいなあって」
「どんなのですか」
「ええとね、おじいちゃんが出て来て5分間説教するとかね。おじいちゃん用グッズを紹介するとかね」
すると、隣の女性が「おじいちゃんローションなんかどうですか」
「それ、いいね」
などとこれからの夢を語っていた。

 橋幸夫も舟木一夫も支えてくれているのはその同じ世代の人達だ。今一番人口が多いのではないか。
 ヒットを飛ばした歌手というのはいいものだ。ずっと人の記憶にあり、いつでも懐かしがってくれる。

 NHKの1時5分からのトーク番組(題名を忘れた)をついずっと見てしまった。75歳になってから離婚、再婚かあ。橋幸夫もやるもんだね。

後でかっさらう

2018年07月29日 | 文学 思想
 本当に真逆の台風で、これまで経験知は役立たない、と天気予報幸士やアナウンサーが言っていた。まさに、幸運にも尾鷲は昼間風もなく、雨もなく、夜遅くになって少々雨が降るくらいで、普通の日変わらなかった。想定外のことであったが、今回の雨雲レーダーは正確だった。
 テレビを見るのにくたびれた。寝床で島田裕巳の「キリスト教入門」を読んだ。いくら入門書と言っても、聖書を読んでから読むのと、読んでないで読むのとでは島田のいいたいことのツボの理解というか、納得度が違うことだろう。
 これまで、聖書、および「イエスとその時代」「マチウ試論」「喩としてにマルコ伝」映画では「サン オブ ゴッド」「ジーゼスクライストスーパースター」「パッション」「十戒」「ノア方舟」などを読んできた。

 新約聖書なかの「4つの福音書」、「使徒言行録」「書簡」「黙示録」という順で並んでいるが、どうやら、パウロの書簡が一番先に書かれたようだ。パウロはイエス弟子ではなく、弾圧する側にいた。しかもローマの市民権をもっていた。イエス中心とした原始キリスト教団はやがて滅び、パウロの布教活動かえあ信者増やしていった。各地の教会に宛てた書簡は教会の在り方を示す内容が多く、イエスのことにほとんど言及していない。
 宗教というのはそんなものなにかも知れない。あとでくるものが、かっさらってしまうのだ。日常のビジネスでも同じようなことが起こる。
 社会とてそうだ。電柱を建てることも、線を敷くこともなく一気に携帯電話である、
つまり無線である。
 いろいろな喩で包まれる聖書は見方によって、ぼくは面白い。信じることはできないが。
 

ツケ

2018年07月27日 | 社会・経済・政治
 杉田水脈衆議院議員はLGBT をさしてこどもの日を産まないから生産性がないと書いて雑誌に掲載した。もう多くの人が言っていると思うが、子供を産まない人は生産性がないかと言えば、そうではない。かれらの多くは働いている。消費をしている。安倍総理とて子供はいない。子供のいんし夫婦はごまんといる。
 この議員は消費が遅れた生産であることがわかっていないし、LGBTへの差別をうっかりと安倍総理への皮肉にまでやってしまった。
 このような議員が議員になるのもそれを支持する国民がいるからである。

 国民はときとして卑怯である。福島原発を誘致したとき、それが我が身に起こるとは思っていなかった。原発の再稼働をよしとする住民の意見をテレビでみていると、原発を再稼働してもらわないと地域が活性しない、と言う。呆れる。福島は汚染水をタンクに溜め込み、そのタンクの数がどんどん増えているのである。全くの無明の世界である。原発を廃棄する方法もわからない。この地震列島で、無謀にも42基の原発を再稼働させようとしている。小泉純一郎元首相は自分の無知を反省して、反原発を唱え続けている。なのに、後継指名された安倍自民党政権は原発再稼働をやろうとしているし、海外に輸出しようとしている。
 株価を日銀に下支えしてもらい株主支援をし、彼らが自民党を支える構図である。支持層がわずか30%だというのに、政権を維持している。そしてその中に杉田水脈のような議員もいるのである。
 今日のニュースによると、三大メガバンクの日銀当座に預金が集中しているようだ。企業も留保資金や株の投資資金がメガバンクに集まり、地方銀行には集まらない様子だ。そこで日銀はマイナス金利を導入づるにではないかという噂が飛んでいる。マイナス金利となれば預けているとお金を取られるわけだから、そのお金はどこへいくのだろう。本来は国民に安い利息で融資をし、未来にむかっての起業家を育てたりするはずだ。ところが日本の銀行には育てるノウハウがない。銀行員は育てる人材に育成されていない。メガバンクは大量のリストラを発表している。
 
 日銀の金融政策と政府の財政政策で右往左往しているのだ。株価の維持と輸出企業の保護のためである。
 
 安倍総理再選に関して、やがて行き詰まる日本財政政策の責任をとってもらおうと、再選を賛成している人もいる。このツケを次の政権が処理しなくてはならないならば、と思うだろう。
 それほど危ない時期にきているように思う。
 安倍応援団はこまめにツイッターやブログで、杉田議員を庇う。このこまめさは一つのノウハウである。

 今、世界は転換期入ろうとしている。AIではアメリカの三周遅れだそうである。優秀な科学者は日本から脱出していると聞く。十年後にトヨタが生き残っているかも怪しいと囁かれる。
 東京オリンピックなどやっている場合じゃないよ、と言いたくなるが、決まってしまったものは腹立たしいがしかたがない。来年は消費税があがる。これもこれまでの政治のツケである。

 

血脈

2018年07月27日 | 文学 思想
 予想進路図では台風が尾鷲の方に向かっているように見える。単なる偶然ではあるが、オウムの死刑囚たちが前回死刑執行されたあと、西日本で大雨による甚大な被害がでた。昨日の残り六人の処刑で山口と西東京で大火事が起き、台風が日本列島東側から直撃するという。このような出来事は後の信者たちの書き手によって利用されるに違いない。

 イエスが磔刑によって死んだとき、地上の全面がくらくはなり、続いて、神殿の幕が上から下まで真二つに裂けた。また地震があり、岩が裂け、また墓が開け、眠っている死体が生き返った。「マタイによる福音書」は西暦60年頃に書かれたものだから、おそらく元徴税人マタイが書いたものではなく、マタイ話を聞き取った人か、マタイのメモがあり、マルコのメモも残っていて、旧約聖書に詳しかった人が書いたのではないかと思える。確証はない。
 ただ、このようなことから言えることは、あり得ないことを結びつけるという言葉の魔力が書き手に生じるということだ。イエスの死と全面が暗くなること、地震が起こることはなにの関係もない。しかし、言葉たえず二重性帯びている。イエスが死に瀕しているから心が暗くなったという比喩ととれる。イエスの死によって地震が起きた、神殿の幕が裂けた、というにも書き手の心の怒りと動揺の比喩ともとれる。

 受け継いでいくオウムの信者たちはどのように語り継いでいくのだろうか。ホモサピエンスはありもしないことを信じることが大好きな人類である。

 さて、ぼくは生命の誕生から、動物の誕生、哺乳類の誕生、人類の誕生と今日までのプロセスにはかねてから興味をもってきた。観念的に差別を無化できると思うからである。
 例えば、ある白人と黒人結婚して子を産んだ。この場合、50%と50%の混血である。その混血の子は白人と結婚した。すると25%が黒人血といおうか遺伝子といおうか、割合はそうなる。その子がまた白人結婚し、またその子は白人との子をもつ。これを延々と続けていっても一滴血黒人が入っている。
 これを万世一系の天皇にはめてみる。天皇発生にはその前がある。その前の人はどんな人だったのか、その前はと遡っていく。彼らは南インドさりから中国の沿岸に進み台湾あたりから舟で琉球列島たどり着き、さらに九州を目指したのか。あるいはモンゴル辺りにいて、朝鮮半島から対馬を経由して入ってきたか、中国沿岸から朝鮮半島に至り、九州に入ったか、またバイカル湖周辺から南下して北海道や朝鮮半島にきたのか。
 古代国家を大和朝廷がまとめた大王がやがて天皇と称されるようになった。
 天皇とは血脈として何か。
 近代国家の成立に反幕府側は天皇を利用した。その間、国民国家を形成した明治政府は天皇を現人神とした。日露戦争、日中戦争太平洋戦争で国民大犠牲を歴史上初めて強いた。その反省がないまま、近代社会が終わりを迎えようとしている。象徴天皇は生前退位を表明した。初めて政治的発言をしたのである。これは天皇家の危機感の現れであるとぼくは思う。そしてそれは社会の変化と対応している。
 
 次の社会はどのようなもがモデルとなるのか、手探り状態である。



 

さらに進む

2018年07月26日 | 文学 思想
 新宮に行く途中で、トンネルを出るととたんに激しい雨になり、ワイパーが間に合わず慌てた。カーブでなくよかった。1メートル先も見えなかった。雨も気持ち悪いものだ。4、5年前に新宮川が氾濫したことがある。The shape of water の音楽もまるで聞こえず、木葉と埃が混じったような匂いがする。八味唐辛子となめこも赤だし味噌汁のドライ物を探すのが目的で、本屋もあるし、ダイソーも新たにできたことだし、家で暑さを忍んでいるのも面白くないと思って車を走らせたのだった。
 佐野のオークワについて、喫煙ルームでタバコを吸いに入るとふたりの女性が対面するようにいて、それぞれスマホを見ている。ミスタードーナツに行き、眠気をとるためにコーヒーを飲む。昨夜、知り合いから電話がかかり、夜中過ぎたもで、無視した。電話が切れたと思ったらまたかかった。また放っておいたら、いつまでも鳴る。今映画の一番いいところである。電話をとればきっと話がながくなる。それにしても「しつこい」電話を止めないのである。映画も終わったので、電話でぃた。すると電話した覚えがないという。ときどき誤作動の電話が入ることがある。どうやらそれだったらしい。電話が助けを呼んでるように聞こえたよ、と言って、案の定長い話を聞くことになった。
 話をしたあと、すぐに眠れず、天皇の生前退位、福島原発のことなどを宗教学者山折哲雄と作家高山文彦の対談本「日本人の忘れた日本人の本質」を読んだ。すでに2時だった。それから眠って、6時頃目を覚まし、また寝て8時に目が覚めた。もう30分ほど眠ろうと思い、眠ったら9時47分だった。あわてて起きた。睡眠を十分にとった日の午後はいつも眠い。どういうことなのだろう。これが新宮へのドライブ中の眠気である。
 不思議とこの眠気はブラックコーヒーを飲んでも変わらず、帰りの車中でも危ないほど眠気があった。
 今日買った本。
  半藤一利「歴史と戦争」
田中利典「よく生き、よく死ぬための仏教入門」
更科功「絶滅の人類史」
島田裕巳「日本人の信仰」
由良弥生「眠れないほど面白い 古事記」

聖書からさらにそれをフィルターにして進もうと思っている。





宗教の変遷

2018年07月25日 | 文学 思想
 ぼくの場合、歯を磨いて、顔を洗って、髭を剃ったら、交感神経のスイッチが入る。服を着ると交換神経モード優位になり、事務所に向かうことに急きはじめる。13時で自律神経がバランスよくなる。17時になると完全に副交換神経が優位になる。ぼくの神経活動を見たことはないが、たぶんそうだろうと思っている。そのルーティーンが崩れる時がある。昼から仕事上で人と会うことになったり、急いで書類を作らなければならなくなったり、夜のスナックに行くことになったりする時だ。それは人と会話をし、神経を集中させ、緊張もするということだ。書類を片付けることがストレスになるとは思わないが少々くたびれる。社会と関わっていると実感して充実もするのだが。

 相変わらずキリスト教に関する本を読んでいる。荒井献の「イエスとその時代」はイエスが生きていた頃の政治、宗教、社会の制度、人々の暮らし、ユダヤ教分派、イエスに洗礼を授けたヨハネのこちなどが精密に書かれている。聖書ができたのは西暦100年代に編纂されている。392年年、ローマ帝国のテオドシス帝のときに国教化された。聖書編纂から正典となるまで300年もかかっている。ようやく迫害の歴史を終えた。そして今度は迫害する側になるのだから、皮肉なものだ。
 ところでイエスが死んだのち、12使徒のうちユダをのぞく者たちの原始キリスト教団はやがて滅んだ。ヨハネを除く全員が布教先で殉教死している。かわはぎ刑にされたものまでいた。ヨハネも流刑されたが処刑はなかったらしい。
 イエスと話したこともないパウロはローマ人であったので、ローマ帝国で布教活動をした。言葉ができたからである。パウロも殉教死している。300年の間で内容は相当変わったことだろう。
 坂本龍馬の話とて変わるのだから、というのと変わらない。
 聖書はラテン語以外に翻訳できず、司祭たちの独占物となった。
 一部神教のヤハウェは初め天地創造の神であったのがイスラエルの戦いの神となった。それがいつのまにか世界の神となり、宇宙の神とまでなっている。
 イエスが生きた時代の細部を知っていくのは興味深い。女性がいかに差別されていたか。多くの人々はいかに困窮していたか。律法学者や大土地所有者や富豪たちはユダヤ教をいかに牛耳り、利用していたか。
 聖書を書いた人たちはいかにイエスを血統に委ねようとしたか。マタイ伝ではいかにマタイ伝の書き手が旧約聖書に縛られたか。
 しかしながらもう聖書を信仰の絶対とする人たちがいる。そして確かにキリスト教は西洋の人々の意識w作ってきた。だまされながらも、信じながらもである。
 人間の多様な価値観、多様性の受容、これが現代である。濃い宗教から薄い宗教へ変遷している宗教であるが、大衆の無意識にまで入り込んだ道徳心や倫理、闘争精神は西洋そのものの名残のように思える。
 地が続く大地での族長たち守備と攻めの歴史は日本にはないに等しい。それほど困難な地でイエスは生まれて修行荒地にでたのだった。

 
 
 

あるカラオケスナックのマスター

2018年07月24日 | 日記
 「60歳で定年退職して、14年。家でテレビばっかり見てて、人と会うこともせず、これではあかんわ、と思て、このカラオケスナックをしたんさ」
 マスターがこの店がを開いてから3年になる。76歳、もうす77歳。昼の1時から始めて、4時とか5時で、一度家にいき、ご飯を食べて7時には夜の店を開ける。
「今日は昼は十人くらい客が来てくれて、6時までやっとんたんさ。儲からんのやけどな。それでも楽しいんさ」
 一人で家にいるよりサービスを提供できることと、見知らぬ人に出会い、話をするのもやはり楽しいことなのだろう。
 「自分の年金を全部つぎ込むわけにはいかんけど、少々の赤字やったらかまんのさ。自分の遊び代行やと思えばな」
 お腹も出ていない。ジーンズである。髪の毛はほぼない。店を開いた頃はカラオケを歌うとひどいオンチだった。それが一年も経つと、オンチではなくなった。歌える歌の数も増えた。カラオケ点数90点をだす。すごいもんだ。体は快調らしい。ただ耳が遠い。呼び掛けても気づかないことが多い。若干それを気にしている。
 一人の男が入ってきた。馴染みの客なのだろう。酔っている。
「おっちゃん、わしゃ500円しか持ってへんのや」
 大きな声で五百円玉をカウンターにパンと置く。畳み掛けるように、
「な、ええやろ。それに歌は2曲歌わしてーな」
マスターは戸惑っている。ボトルキープもあるようだ。
「ええよ」
ここは歌が1曲80円。あとは氷と水くらいのものだ。
「ないものはないでなあ、しゃあないわ。な、オッチャン」
 干からびたカマスのような体型。大きな声。歌ったには細川たかしの「北酒場」
言葉が尾鷲訛りではんしから、地の人ではない。

 こんな風な客がくるのもまた一興なのだろう。気楽なスナックである。 
「勘定して」というと、計算をして、2100円という。
 二人でだ。「あ、そう」と言ってそれを払った。勘定の仕方がわからないので、言われるままに払ったのだった。ドアを開いて外に出た。すると、相方が、「言わなんだやけど、勘定間違っとる。3000円を越えるはずやで」
「あらま。まあええわ、今度行ったときに言うわ」
こういう計算違いもするのだろう。
「もしかして、おまけしてくれたんかな」

 店を開くには思い切ったのだろう。このマスターの行動を見て、60を過ぎてからスナックを開いた人を知っている。影響を与えたのだ。
 いうまでも元気にやってほしいものだ。








猛暑が災害に

2018年07月23日 | 社会・経済・政治
 災害列島に猛暑が加わった。そしてもうすぐ水不足がやってくる。地震、津波、台風、火山噴火、土砂崩れ、浸水、氾濫、猛暑、竜巻・・・。これでも豊かな国である。日本列島全体を一度に襲う災害がなかったから今日までやってこれた。
 人災で最も困窮し、悲しんだことがあった。政治という人災だった。国民国家というものは多数お国民も犠牲を強いる。それは日本列島を覆った。
 その果てに生まれ変わったのが庶民である。
 尾鷲、今日の38.1度というのは初めてである。さすがに、かき氷でも食べたいと思ったが、店はエアコンが効いていて、そのなかで食べるのも風情がない。だから止めた。
 
 新しい草刈り機を買った。
 ボタンを押すだけでよいのと、大きなバリバリ音がしないので助かる。そてに真ん中で取り外せるので、便利である。バッテリー式なので15分もすればバッテリーが切れる。あのチョークを何度も引くのが辛く、イライラしていたので、チョークのヒモが切れて、修理に1ヶ月もかかるというので、これを機に新発売のバッテリー式にしたのだった。何度かに分けて草刈りをすればよい、と考えることにした。

 外で飼っている金魚には氷をあげている。ゆだってしまうと悪い。
 高気圧が二枚重ねのようになって日本列島を被っている。台風は紀伊半島までは来ないようである。だが、この高気圧が北や北東、東にひいていくと、なんだかでっかい台風がくるような気がする。なければよいが。気持ちが悪い。
  

理解のしにくさ

2018年07月22日 | 文学 思想
 共和党のリンカーン大統領によって奴隷解放宣言がなされ、のちに憲法が修正されて、奴隷も法の下での自由と平等を得た。イギリスを脱出した清教徒たちは自由の天地に渡ったはずだのに、原住民の土地を奪い、殺して、白人たちがアメリカ合衆国をつくった。奴隷は牛や豚のように売買できる財産であった。ぼくらにはピンと来ないことだ。当時のアメリカは敬虔なキリスト教徒であり、イエスが死んでから1800年以上経っているのである。
 共和党を率いるリンカーンは修正13条を下院で可決されるために、議員へのロビー活動や、交渉で血のような汗をかいた。わずか2票差だった。この憲法によって黒人は普通の人間となった。それでも差別は続いた。
 
 オバマ大統領の誕生まで140年。さすがに黒人を牛や馬並みに思っていないだろうが、思っているような節があるのは映画を見るときであり、白人警察官が黒人発砲して殺したというニュースを聞くときである。

 こんな歴史を見ていると、キリスト教というのは何なんだと思う。愛と奉仕の思想はこれほどまで長い年月が必要なものなのか。医学、生物学、人類学、理化学がこれほど発展ぢたというのに、ほんの140年前、民主党でさえ、奴隷解放に反対だった。
 馬鹿馬鹿しさにもほどがある。南北戦争では北側でも60万人が死んでいる。日本の戦争史で、60万人も死ぬような戦争は日露戦争、日中、太平洋戦争くらいのものだ。白人たちの真似をしtsために、それが近代化であり、富国強兵だのと安易に信じたために、大犠牲があった。戦闘の遺伝子が濃い西洋近代国家。ほかのどの国もちゃんと点検して西洋化を図るほうがいいよ、と言いたくなる。

 日本の歴史も明治時代までは戦闘が多いわけでもなかった。戦国時代と言っても60万人が死ぬというのでみない。戦争のない平和な社会にしようと戦国時代を生き延びた徳川家康が戦闘の終止符を打った。キリスト教に染まることも儒教に染まることも、仏教に骨の髄まで染まることはなかった。神道は政治家、軍部に利用されたが、それぞれの宗教に国民は適度な距離をもっている。
 日中戦争、太平洋戦争については徹底した分析と反省がなされなければならないはずだ。意識を変えていくというのは長い年月を要するが、その年月を縮めるのは教育しかない。
 

民泊、おかしな話

2018年07月21日 | 社会・経済・政治
 同人誌に入っている。3回目のものが出て、同人で顔を合わせようということになり、楽しみにしている。東京にいくこよができる。用もなく東京へはいけないので、やはり「用」はなに用であれ必要だ。友達には民泊の登録業者になれ、と勧めている。この登録業者というのは普通不動産会社などができる。手続きにややこしいが、やる気になればできる。今日「民泊セミナー」が東京であるそうで、友達から電話がかかった。彼の山形の実家を民泊にしたいのだそうだ。彼は不動産会社を立ち上げたので、登録業者なることを勧めたわけだ。
 東京が本社で尾鷲や山形に営業所設置ができるか。その際各営業所に宅建資格がいるのか、そこを聞けよ、と助言した。

 この民泊新法、要するに違法民泊を締め出す、ホテルや旅館業界の圧力でできたにちがいない。
 ところがこの古い業界は余暇の過ごし方が違ってきた社会の動向にまったくマッチしていない。
 仲間や数家族のものが一同に集まってBBQをしたり海水浴に行くきたいと思うとき、適当な施設がない。このようなグループは貸別荘に集まってくるわけで、貸別荘は民泊なのである。手続きの複雑さ、民泊管理登録業者の必要性でこれまでやっていた民泊業を止めるところがいっぱい出てきた。
 貸別荘に限らず、普通の家で民泊業をやっていた業者だけでなく、京都や東京の打撃は大きいだろう。京都を旅行したくても宿が少なくなる。経済打撃が大きい。

 この民泊制度を都市型と田舎型に分け、田舎では空き家対策に利用する手がある。地方創生と言ってるわりに石破元地方創生大臣からも、アイデアが出なかった。
 空き家活用、シロタク解禁、もっとやらないと。

 JR半額、高速道路半額、ミニバスタクシー解禁、これらの政策は消費となって世を回れば政府にも税収が入ってくるのだ。また独占民間企業なんてあるものか。移動にかかるお金を民間会社に牛耳られているなんて。競争があってはじめて民間企業は切磋琢磨するのである。独占JRは儲けて国民に、還元するのではない。株主に利益を配分するのだ。それはおかしなことだ。
 日本は人口減少による縮小社会入り始めた。ゆめゆめ、強い経済力を、と過去を懐かしがってはいけない。縮小していく規模で、なるべく公平に、裏口入学などはなく、大金持ちにならずとも、個人の自由が尊重される社会になってくれればよい。

七味唐辛子

2018年07月21日 | テレビ
 BSジャパンで大人のドラマ「ラストチャンス」が始まった。 突然の銀行合併で古いに掛けられ、クレジット会社に異動させられる。印鑑をおすだけの仕事にうんざりしているが女房が転職うることに賛成をする。
 面白かったもは、転職するかどうか迷っているときに、路上の占い師(ミッキーカーチス)に手相をみてもらう気分になる。三千円。占い師は「人生って七味唐辛子だよ。恨み、つらみ、ねたみ、嫉み、嫌み、ひがみ、やっかみ だよ。いろいろあるだろうよ。七味唐辛子のかけすぎとかさ。それであんたはいい塩梅の七味をみつけると、人生は深い味になるんだよ」(文はセリフそのままではなく、思い起こして書いた)
 ドラマはまさにキャラの立った人物が現れ、主人公は昔融資をして助けたファンド会社の年下の社長から、飲食チェーンを展開し、上場もしている会社の再建を頼まれる。七味唐辛子のスパイスがどこかしこにも暗示めいてドラマ全体を面白くさせている。社会派ドラマもミッキーカーチスの辭だけで、エンターテイメント性を醸しだしている。金曜日の夜9時が楽しみになった。
 仲村トウルという俳優は以前「家を売ります」で北川景子演じる不動産営業ウーマンの上司を演じ軽妙な課長さん役をしていた。もっと昔は殺し屋みたいな役もやっていた、上手だか下手だかわからない感じの俳優という印象だった。
 昨日のドラマをみて、このひとの演技はこの人でないできないものなのだとわかった。
 都はるみ節、八代亜紀節、前川清節、桑田佳祐節、中島みゆき節があるようにだ。

 金融業界は日銀の緩和策で最大の危機にさらされている。大規模なリストラが今後も続いていく。当然のごとく合併もある。
 生々しいリアルな世界はぼくの知らないところで進行しているのだろう。定年になるまで大変だ。しかし、これからの世は政府の無策のおかげで、定年過ぎてからも大変だ。
 そのうち破裂することは見えているのだから、人生でっかい谷がくるぞ、と言っておきたい。

果物、それから水

2018年07月20日 | 社会・経済・政治
 蓮の花が咲き始めた。素直にうれしい。外気温は31度。テレビでは36度、38度、ついに40度と騒いでいる。尾鷲もこんなに暑いのは生まれて以来初めてだと思うが、夏は暑いのがあたりながら、30度以上になる日は少なかった。
 今年の暑さでも名古屋に比べると4度は低い。京都とは5度ほど低い。
 軽井沢並みじゃないか。
 義弟から、桃、葡萄、オレンジの詰め合わせが送られてきた。去年の冬、ポンカンと洋梨がとても美味しく、この果物屋さんから送られてくるのを楽しみにしている。
 日本はJRと高速料金が高すぎるが、果物も高い。美味しくなればなるほど高い。夏の果物は旨い。ぼくは桃を好物とする。
 バリ島にいくと、いつもマンゴスチンをスーパーで買って食べていた。甘い酸味のニンニクの一粒のような形をしている。果物の女王と呼ばれている。ドリアンがキングだそうだが、マンゴスチンの方をぼくは好む。
 こんなに気候が変化し亜熱帯化したらマンゴスチンの栽培もできるのではないか。

 話は飛んで、日本は大変な水輸入国で、Tシャツ1枚を輸入するのに約3トンの水を使ったものを輸入していると今日の朝日新聞で見た。物を輸入するということは水も輸入していることだと認識しておくことも必要なことだろう。ということは現在の生活水準を維持する限り、日本は完全には自給自足できないということだ。
 今年の夏はどうやら日本列島は水不足になりそうだ。あれほど降って家を壊し、農地を壊した水だ。

不快

2018年07月19日 | 社会・経済・政治
 涼しい部屋でビールかハイボールでも飲んで相撲をみている時間帯が一番良い。大相撲はイマイチで残念な名古屋場所だが、まあ、しゃあないか、と思いながら見ている。バドミントンのタイ大会でも実況してくれればいいのに、と野球びいきのスポーツ番組に文句のひとつもいいたくなる。せめてNHKは野球ばかりに長いニュース枠をとってほしくない。民法だけでいいと思う。

 東京オリンピック時の熱中症対策が俄に言われるようになってきた。
 水滴にならない霧をつくる人がいて、彼にでも頼めばいいと思うがそもそもきの時期にするなどというのは無茶話で、もっと言えば東京オリンピックの誘致などしなくてよかったのに、と思う。
 公共事業で経済の活性化はできない。そのとき限りの政府、東京都の投資である。残ったものでお金を生むとは思えない。

 尾鷲の海洋深層水も行き詰まっている。フランスのエビアンは氷山の下をゆっくりとながれる水で、絶妙のカルシウムとマグネシウムの配合を誇る。海洋深層水も種類はいろいろあるが、カルマグ水というのがあり、これがエビアンに負けないのだ。この水の利用法を結局、真剣に開発づることができなかった。

 話がそれてしまった。戻したい。オリンピックは必要なのか。テニスにはウィンブルドンがある。サッカーには4年に1度のワールドカップがある。陸上にも世界陸上がある。それぞれの競技には世界大会がある。テレビで公平に世界大会を録画して放映してくれればそれでいいのではないか、と言いたくなってくる。お金のない、もう、これ以上の金融緩和ができない、いわば危うい日本である。誘致時には予測できていた。

 オリンピックは石原慎太郎が言い出した。おっと、それから石原慎太郎が尖閣列島を東京都が買うと言い領土問題は共同統治しか解決策はないのである。棚上げの事項だったのに火をつけてしまった。この人の功罪は大きい。中国はいずれにしろ巨大な消費市場である。喧嘩する相手ではない。喧嘩したかったら石原慎太郎が行けばよい。
 ああ、こんな風に文が流れていき、不快になってきた。不快な暑さに加えてだから余計不快である。
 

七つの罪

2018年07月18日 | 社会・経済・政治
 四世紀半ば、修道士ポンティコスの著作によると、罪の重さの順は、大食、色欲、貪欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢 だとされた。
 六世紀後半、ローマ教皇グレゴリウス一世により、罪の種類は八つから七つに絞られ、虚飾が傲慢に吸収され、憂鬱は怠惰に含まれ、新たに嫉妬が加わり、順序が変えられた。
 傲慢、貪欲、淫乱、憤怒、大食、嫉妬、怠惰 となった。暗黒の中世に突入しており、中世カトリック教会は、この罪から、免罪符だの、寄付だのを強要するシステムを巧妙に作りあげていった
。(以上中野京子「名画の謎」
 カトリック教会の権力と腐敗が宗教改革へと進んだ。

 このような罪をもたない人間はいないはずで、それは誰もが知っていることだ。モーゼの十戒の方がよほど守るのがたやすい。
 「父母を敬え」「殺すな」「姦淫するな」「盗むな」「偽証するな」「隣人のものを欲しがるな」

 人間が飢餓状態から解放されたのはまだほんの100年とか、先進国で200年前のことである。だから食べ物があるうちに食べておく、無いときは皮下脂肪として溜め込んだ脂肪酸で生きる。ということで、人間の識字率が低く、無知であったから、大食で命を落とす人が多かったらしい。それで「大食」が罪となった理由である。

 マハトマ・ガンジーも「新・七つの大罪」を提唱している。
 原則なき政治、道徳なき商業、労働なき富、人格なき教育、人間性なき科学、良心なき快楽、犠牲なき宗教。 これは納得させられる。
 2008年、ヴァチカンが新時代のための「七つの大罪」を発表した。
 遺伝子組み換え、人体実験、環境汚染、社会的不公正、貧困を起こすこと、淫らなまでに金持ちになること、麻薬。

 これが守れないとIT億万長者も、遺伝子組み換え産業の経営者も、地獄行きであるが、罪の内容がこれほどガラリと変わるとは、一体何なんだろう。
 以前の罪はすでに社会の中で倫理道徳にまでになったから、あえて言わなくてもよいということなのだろうか。

 以下日本に蔓延している状況、
 バイ菌を怖がれ、陰口をたたけ、出る釘は打て、失敗を赦すな、子供を無視しろ、なんでもひとのせいにしろ。コネを使え、不要な物におそお金を使え、・・・皮肉もあとは浮かばないな。