25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

夢古道の湯

2019年12月21日 | 日記
尾鷲に「夢古道の湯」 という銭湯があって、海洋深層水を風呂の湯使っていると壁の貼り紙に書いてある。海洋深層水を取る装置が故障して深層水を取水できなかった時期があった。本当にここの湯は深層水のカルマグ水なのだろうか。
 ぼくでは謎解きはできないため、今はすっかり水道水だと思って風呂に入っている。
 カルマグ水を使っているかどうかはぼくにはどうでもよい。それよりもここの湯はぬるいのである。ミストサウナもある。なにかしらここもぬるいのである。
 それで時たま見回ってくるスタッフの男性に、ここの湯は何度に設定しているのか、と訊くと、「はて?」みたいな顔をして、「わからない」という。帰りがけ受け付けで聞いてみた。あのミストサウナは何度位に設定してるのか、ときくと、なんとまああきれた答えが返ってきた。「あたし、サウナは得手悪いもんで」とエヘラと笑って言う。おまえの好き嫌いなど聞いとらんわい、と言いたくなってくるが、あどけないアホさに自ら気づかず、多分上司に聞いてみることもしないだろうよ、と思う。客の入りを見ていると、あと何年もつことやらと来るたびに思うが、ミストサウナは癌の補助療法としても注目されていて、体内が42度、43度にあると熱ショックたんぱく質がでて、細胞変異を修復するのだという。
 因みにぼくの知識だと海洋深層水のカルマグ水は皮膚美容にとってもよいんである。カルシウムとマグネシウムが2:1がよいと資生堂の研究所が発表している。「夢古道の湯」のスタッフはこういうことすら知らない、
漫然と仕事をしている。この施設に市も絡むのであれば、これは市及び市会議員が鈍感だと言うしかない。
 仕事というのは掘り下げることに楽しみもあるというものだ。自分が関わる「湯」に客はどれほど喜び、不満をもっているか、どのように「湯」を伝えるか。どう広告するか、仕事はこれに尽きる。風呂でいくら物を売ろうとしても「湯」の温度にさえ鈍感な社長、役員、スタッフならば明日はない。


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