25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

ウィスキーとホロホロ鳥

2015年06月22日 | 旅行

 以前沖縄の那覇に行ったとき、「ちょっとお見せしたいものがあるんですよ」とタクシーの運転手さんがちょっと寄り道をして、「どうです。見事な花でしょう」と言った。すると、黄色い葡萄のような形をした花が満開に垂れている。「ここは昔のオキヤなんですけどね。20分で5000円です。それで、この花の本当の名前はわからないんですけどね、白粉花とか一日花とか、言うらしいんですよ。一日で落ちてしまう、儚なげな花ですよね」 と運転手さんは解説してくれる。すでに夜の12時を過ぎている。こんな花を初めてみた。

 ホテルの部屋でその名前で検索をしてみた。どれも違う。次の日、別のタクシーの運転手さんにもしかしたら知っているかもしれないと思って聞いてみた。「ああ、安里(あさと)のね、あの道ね、ああ、あれは「ゴールデンシャワーっていうんですよ。「下がり花」ともいいますがね。「それでたった一日で落ちてしまうんですか」と僕はそのことが知りたい。つまり儚げであるかどうかだ。「そうなんですよ。でも次の日また満開になりますよ。毎日咲いては落ちて、新しいのがでてくるんですよ」
 「ありゃ、それだったら熱帯のブーゲンビリアみたいなもんじゃないですか」と僕はがっかりしたように言うと、「マレーシアからきた花だと聞いてますよ」と答えてくれた。よく知っているものだ。タクシーの運転手さんというものは。

その日は奇妙な日であった。その前の日、小説を読んでいたら「ホロホロ鳥の料理」が出てきた。へえ、そんな鳥の料理があるのか、と思ったのだった。キジや野鳥などは食べたことがある。ホロホロ鳥というのは食べたことがない。有吉佐和子の小説には、しっかりと野生の味がすると書いてあった。

 あるバーに行ったら、(このバーは行く価値有り。ウイスキーが揃えっている。料理もイタリアンがおいしい 安里駅前 GRATO 090-4000-2914)。デパートでも手に入らないのがある。ボウモアの2001年プレミアムまであったし、終売になったTOP BEAT もあった。
 山崎のようなスモーキー臭さのないウイスキーから飲み始めて、だんだんとスモーキーなものへいくようにした。仕入れ原価の1,3倍しか料金はとらないのだそうである。カウンター内の男性は調理番。この人はイタリアに修業の旅になんども行っている。ウィスキーのソムリエはもうひとりの男性で、彼はスコットランドで修業している。詳しい。とにかく詳しい。
 いろいろとウイスキーの話をしていたら、ホロホロ鳥の話がでて、今日はその鳥肉があるのだそうである。すっかり妙なものを感じて、注文した。ウイスキーにホロホロ鳥、なんだかすっかり良い気分になってしまって、タクシーに乗ったら、「下がり花」である。

 旅をするとこういうことにも出会う。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿