25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

キャッシュレス化

2019年11月03日 | 社会・経済・政治
 いつも行くコンビニで訊いた。
「キャッシュレスで払う人は10人に何人ぐらい?」
「ほとんどですよ」
「ほんとに?」
「やっぱ還元策は効果があるんだなあ」

消費税アップによる消費の落ち込みを防ぐのに政府がとった策だが、これには裏がある。小さな店屋がこれまで現金商売をしていて、その現金で仕入れしていたものが、キャッシュレスになると売り上げが振り込まれるのは1か月とか2か月先となる。運転資金が必要になるだろう。ない店は客に国からの還元ポイントをサービスできなくなる。また来年6月を過ぎると、キャッシュレスのpaypay とかカード会社は手数料を店からとり始める。消費者が買い物する度に、1.5% とか3%とか店側は払うのである。100億円払うと言って大勧誘しても結局6月になればpaypay側はなんにもしなくても、手数料が入ってくる。ぼくはこれは不労所得だと考えている。
 またこのキャッシュレス化は不公平というべきものを生み出す。例えばドコモで携帯電話を毎月使用するとポイントがDカードに還元される。このカードの発行は破産した人やブラックリストに載っている人には発行されない。ポイントは期限付きで、携帯の部品を買うときに使うとか、買い替え時に使えるのだが、そんなチャンスはめったになく、期限が来ると消えてしまう。だから多くの人はそのポイントカードで別の物を期限内に買うのである。ポイントカードを持てる人と持てない人がいるというわけだ。そういう差別化をしてまでキャッシュレス化が必要なのか。
 政府は何のためにキャッシュレス化を進めるのかきちんと国民に説明した方がよいと思う。
 セイムスというドラッグストアでも同じ質問をした。やはりキャッシュレスが増えているという。小さな店屋は来年6月以降どうするのだろう。
 サイトをもつぼくのジムショにさえ、電話セールスがきた。
「6月以降は手数料はどれだけとるの?」
「まだはっきり決まってないのですが、業界でも一番安くと思ってます」
 とわかい声の営業部マンは言う。
「最低ってどのくらい?」
「1.5%ぐらいですかね」
「ウチのサイトはgoogle play store のヒトがみるか、googl play store にいくためのもので、小売りしてませんので」
というと、すぐ若い営業マンは力なく電話を終えたのだった。
 キャッシュレス化で国はどうなり、社会はどうなるのか。ぼくらは知る必要がある。


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