エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬薔薇

2016年11月06日 | ポエム
ふゆそうび・・・と読む。
冬のバラである。

冬薔薇が、深い海の底で咲くというオマージュの歌があった。
とても素晴らしい詩人の発想、である。
ぼくには、とてもそうした発想は生まれて来ない。

寂しい限りである。







「冬薔薇一点の曇りなき一人」







冬のバラは、寂しい。
寂しいけれど、情感は豊かである。



冬のバラは、一輪で立ち上がっている事が多い。
バラ園は別である。



花弁の縁が、少し汚れている。
それも又、冬薔薇である。

冬の寒さに草臥(くたび)れてしまっている、のかもしれない。
それもまた、冬薔薇である。
その汚れが、いかにも現実の世渡りを象徴している。
その世渡りの下手さ加減が、とても良い。



    荒 野人