エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

皇帝ダリアに思う

2016年11月22日 | ポエム
皇帝ダリアは、いまが咲き時。
多くの蕾と、大輪の花が渾然一体となって虚空を指差している。



今、鴨長明の方丈記を読み解いている。
ぼくの今の心境は、この序章にある。
そう思えてならないのだ。



今年は長明の没後、800年である。
それにしても、こに方丈記の文章は現在を照らして退色する事が無い。
色褪せる事が無いのである。







「折合といふ愚かしさ冬景色」







「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」と言葉が紡がれていく。
然も、その後には以下のように続いている。
「よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし」
そして、世の中の人と栖とはこのようなものである・・・と云いきっている。

改めてお読みになられる事を薦めたい、一冊である。

さて、今朝は六時からすっと情報番組に釘付けになっている。
六時一分前の大きな揺れである。
あの、3.11を想起させる揺れであった。

現地の皆さんの恐怖はいかばかりだったか、想像に難く無い。
心からお見舞い申し上げたい。



     荒 野人