路地植えの柿の木、である。
この木を植えられた一人暮らしのおばあさんは、ついこの間亡くなった。

お孫さんが生まれた時に「植えたのよ!」そう云って毎年収穫していたものだった。
甘い柿である。
ぼくも、毎年頂いた柿だ。
皮を剥き食べ易く切り分けると、ゴマ模様が入っていて食欲を誘った。

娘さん二人に看取られて、おじいさんと建てた家で亡くなられた。
一人暮らしだったけれど、最後はキチンと家族が看取った。
幸せな最後だったであろう。

何故か、シンミリとしてしまった。
秋の成せる業、である。

「熟るるまで指折り数ふ柿の秋

今年も収穫できた。
おばあさんを偲んで、頂く事にしようと思っている。
そうそう、この柿の木の葉は天麩羅にして頂いたものだった。
若い葉、である。
誰も剪定はしない。
それだけに「撓わ」に実る。
春と秋と、それぞれ愉しませて頂いた。
柿の秋、である。
荒 野人
この木を植えられた一人暮らしのおばあさんは、ついこの間亡くなった。

お孫さんが生まれた時に「植えたのよ!」そう云って毎年収穫していたものだった。
甘い柿である。
ぼくも、毎年頂いた柿だ。
皮を剥き食べ易く切り分けると、ゴマ模様が入っていて食欲を誘った。

娘さん二人に看取られて、おじいさんと建てた家で亡くなられた。
一人暮らしだったけれど、最後はキチンと家族が看取った。
幸せな最後だったであろう。

何故か、シンミリとしてしまった。
秋の成せる業、である。

「熟るるまで指折り数ふ柿の秋

今年も収穫できた。
おばあさんを偲んで、頂く事にしようと思っている。
そうそう、この柿の木の葉は天麩羅にして頂いたものだった。
若い葉、である。
誰も剪定はしない。
それだけに「撓わ」に実る。
春と秋と、それぞれ愉しませて頂いた。
柿の秋、である。
荒 野人