しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
よかったら見てください。

朝の露 <イスラエルは頑迷(がんめい)だ>

2023-05-04 | ホセア書
「まことに、頑なな雌牛のようにイスラエルは頑迷だ。今、主は彼らを広いところにいる子羊のように養うだろうか。エフライムは偶像にくみしている。そのなすに任せるがよい。」(ホセア4:16,17新改訳)

ホセアはふたたび、イスラエル(北王国)の罪がどんなに深いかについて筆を走らせる。国中に悪の行いが満ち、流血に流血が続いて大地はどす黒く染まっている。真実も誠実さも失われ、神を知ることもない。かつてモーセはエフライムを強い野牛のようだと預言し、ほめたたえた(申命記33:17)が、今は頑(かたく)になった雌牛(めうし)のように神に逆らう。▼彼らはカナンの七民族を聖絶しなかったため、いつのまにかその風習に感染し、気がつけば、国は偶像礼拝と姦淫に満ちてしまった。ホセアは悲しみながらそう記すのである。▼イエス・キリストのあがないによりすがり、新しく生まれることがなければ、たとえ選民であっても罪には勝てない。滅びの運命から逃れられないのだ。二千七百年前、地図から消えた北イスラエルは、私たちにそう語っている。

  • 十字架にかかりたる救い主を見よや こは汝(な)がおかしたる罪のため
  • 死よりよみがえりたるいのちの主知らずや 罪に死せる人よ、いま仰げ(あおげ)
  • イエスは 罪のため苦しめる者をば あわれみて救わんと 招(まね)きたもう
  • 罪より救われて、限りなきいのちを望む者は、今すがれ
*折返し* ただ信ぜよ ただ信ぜよ 信ずる者は だれもみな救われん
<新聖歌182 詞:三谷種吉、1868-1945(UN)>

朝の露 <イスラエルの帰還>

2023-05-03 | ホセア書
「その後で、イスラエルの子らは帰って来て、自分たちの神である主と、自分たちの王ダビデを尋ね求める。そして終わりの日には、主とそのすばらしさにおののく。」(ホセア3:5新改訳)

北イスラエル王国が滅びたのは紀元前八世紀だが、そのときイスラエルの10部族を中心とした人々は世界に離散し、今日まで行方知れずとなっている。それから三千年近く経た今日、子孫たちの多くは、たぶん自分たちの祖先がイスラエルだということも、わからなくなっているのではないだろうか。▼だが全能の神は、彼らと結ばれた契約をお忘れになっていない。世界のどこに、どのようにして存在しているかをすべてご存じである。そのふしぎな御手(みて)は終わりの時代にふたたび高く上がり、子孫たちに自分の出自を思い出させ、聖地に帰ろうとの願いを持たせるであろう。こうして世界のあらゆる地域から、聖地を目指して集まって来るにちがいない。▼エルサレムには地上再臨されたキリストが王として現臨し、その旗が翩翻(へんぽん)とひるがえり、巨大な潮流のように、選民は帰還する。異邦人は先をあらそって彼らを車に乗せ、大切な民として聖地に届けるのであろう。

朝の露 <誓いをうらぎる>

2023-05-02 | ホセア書
「しかし彼女は知らない。このわたしが、穀物と新しいぶどう酒と油を彼女に与えたのを。わたしが銀と金を多く与えると、彼らはそれをバアルに造り上げたのだ。」(ホセア2:8新改訳)

ここはイスラエルが神と結んだ契約(けいやく)を捨て、バアルに走った行為(こうい)を責める神のことばである。それはちょうど愛を誓(ちか)ったのに夫をうらぎり、恋人のもとに去る妻と似ていた。▼これは今も数々の宗教と神々を作り、偶像礼拝にふけるわが国の姿をも表わしている。この半世紀、日本は空前(くうぜん)の繁栄(はんえい)を享受(きょうじゅ)してきたが、自分たちが優秀(ゆうしゅう)で勤勉(きんべん)だからそうなったと思い、自分たちをお造りになった真の神に栄光を帰していない。そして手にした多くの富を偶像にささげて拝み続けている。その結果、国は政治、経済、思想その他で行きづまり、たくわえた富も潮が引くように海外に持ち去られ、貧しさが列島をおおい始めた、そんな状況ではないだろうか。▼私たちは父なる神と救い主イエスに帰るべきである。聖書を通してひとりひとりに語りかける十字架のことばに、心と人生を向け直さなければならない。終わりが来る前に。

さて、ホセアはここでイスラエルの背信行為を責めるが、将来の回復も預言している。北王国イスラエルが滅亡して2,700年以上過ぎた。しかし神の愛は決して変わることなく、今なお彼らがご自身のところに帰って来るのを神は待っておられるのである。信じられないほど強く、深い神のご愛と忍耐である。そしてそのときは来るであろう。「その日、わたしは彼らのために、野の獣、空の鳥、地面を這うものと契約を結ぶ。わたしは弓と剣と戦いを地から絶やし、彼らを安らかに休ませる。わたしは永遠に、あなたと契(ちぎ)りを結ぶ。義とさばきと、恵みとあわれみをもって、あなたと契りを結ぶ。真実をもって、あなたと契りを結ぶ。このとき、あなたは主を知る」(ホセア2:18~20同)▼主のはなよめとされた教会は、旧約時代から愛されてきたイスラエルに対する神のご愛が何千年も不変であり、時が来たなら必ず実現するものであったことを目の当たりにして、かぎりなく主をほめたたえるであろう。そして全世界もまた、神の永遠に変わらぬ愛の真実がイスラエルに注がれていたことを知り、おどろきのまなざしで回復のみわざを見つめるにちがいない。

朝の露 <イズレエルの日>

2023-05-01 | ホセア書
「ユダの人々とイスラエルの人々は一つに集められ、一人のかしらを立ててその地から上って来る。まことに、イズレエルの日は大いなるものとなる。」(ホセア1:11新改訳)

ホセアは預言者として、神の命令を忠実に実行しなければならなかった。姦淫の女と姦淫の子らを引き取るように命じられたのである。それはイスラエルが神をうらぎり、偶像礼拝にふけっていても、なお神から捨てられていないということの実例となるためであった。預言者の召しとは、きびしいものである。▼11節は終末における選民の回復を預言したもので、今なお実現は未来に属する。やがて再臨によって世界に平和がおとずれると、あらゆる地域からイスラエルの人々は聖地に帰還することになろう。「神である主はこう言われる。見よ。わたしはイスラエルの子らを、彼らが行っていた国々の間から取り、四方から集めて彼らの地に導いて行く。…彼らは再び二つの国となることはなく、決して再び二つの王国に分かれることはない。」(エゼキエル37:21,22同)▼その日は確実に、日一日と近づいている。

朝の露 ホセア14章 <神の呼びかけ>

2018-11-01 | ホセア書

黄色カンナ「エフライムよ。もう、わたしは偶像と何のかかわりもない。わたしが答え、わたしが世話をする。わたしは緑のもみの木のようだ。あなたはわたしから実を得るのだ。」(ホセア14:8新改訳)

ホセアは神から姦淫の女性を娶(めと)るよう命じられ、つらい半生を送った。ちょうどそのように、神は愛してやまないエフライムから裏切られ、まるで煮え湯を飲まされたごとく痛み、怒り、ついにはアッシリヤ侵略軍を来たらせ、「子を奪われた雌熊」(13:8)となってかき裂き、食い尽くした。▼しかしそれは、神がいかにヨセフの子どもたちを愛しておられるか、その裏返しでもある。愛は大水も消すことはできず、大洪水も溺らせることはできない。歴史の終りに、イスラエル12部族はかならずイエス・キリストのもとに集められ、世界中から帰還するであろう。ホセアが初めから言っているとおりだ。「ユダとイスラエルの人々は、一つに集められ、彼らは、ひとりのかしらを立てて、国々(直訳はという単数形)から上って来る。」(ホセア1:11同)◆「イスラエルよ。あなたの神、主に立ち返れ」との呼びかけは、新約聖書では全世界の民への呼びかけに拡大される。パウロが、「神は、すべての人が救われて、真理を知るようになることを望んでおられます」(Ⅰテモテ2:4同)と記しているとおりだ。しかしそれは、イスラエルの救いを取りやめたとか、無視したということではない。選民の救いと全世界の救いとは、みごとに調和した神の救いの御計画なのであり、それがキリストの福音により、あきらかにされたのである。◆それがあまりにも栄光と知恵に満ちているので、パウロは思わず叫ばざるを得なかった。「神は、すべての人を不従順のうちに閉じ込めましたが、それはすべての人をあわれむためだったのです。ああ、神の知恵と知識の富は、なんと深いことでしょう。神のさばきはなんと知り尽くしがたく、神の道はなんと極めがたいことでしょう。」(ローマ11:32,33同)◆だから私たちも叫ぼう。どうかこの神に、栄光がとこしえにありますように!