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東大など、太平洋の海底に陸上埋蔵量の約1000倍となるレアアース鉱床を発見

2011-07-04 19:35:53 | Weblog
東大など、太平洋の海底に陸上埋蔵量の約1000倍となるレアアース鉱床を発見(マイコミジャーナル) - goo ニュース

東京大学 工学系研究科の加藤泰浩准教授らによる研究グループは、南東太平洋や中央太平洋に、見た目は普通の泥にもかかわらず、高品位のレアアースを含有した「レアアース資源泥」が膨大な量分布していることを発見した。同成果は英国科学誌「NatureGeoscience」(電子版)に掲載された。

レアアースはエレクトロニクス産業を支える重要資源だが、その95%を中国が生産する脆弱な供給構造を持っており、その中国が2005年以降、従来の輸出奨励政策から規制強化政策へと方針を転換したことにより、レアアースの供給不足や価格急騰が懸念され、2010年の尖閣諸島沖での漁船衝突事件をきっかけに、レアアースの輸出停止・制限が行われ、世界中にレアアースショックが起きた。現在もレアアース価格の上昇は続いており、2011年6月の価格は同1月比でも3倍以上となっているほか、中国はレアアース資源を外交カードとしても利用しており、レアアースの安定確保が日本の産業界の重要課題の1つとなっていた。

今回の研究は、東大海洋研究所の小林和男名誉教授らが1968年~1984年に古地磁気の研究のために、太平洋全域から採取した27本のピストンコア試料(海底堆積物:総コア長=206m、平均7.6m)を、研究グループが譲り受け、ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)を用いて456試料の全岩化学組成の分析を行った結果によるもの。

研究グループでは2008年より同分析を行い、その結果、太平洋の広範囲に、南中国のイオン吸着型鉱床に匹敵する高品位の海底堆積物が分布していることを発見。その堆積物を「レアアース資源泥」と命名した。また、今回、レアアース資源泥の太平洋全域における分布範囲と海底面下の深度分布の状況をさらに詳細に把握するために、深海掘削計画(DSDP:Deep Sea Drilling Project)/国際深海掘削計画(ODP:Ocean Drilling Program)による掘削コア試料を利用し、51本(総コア長=2,491m、平均49m)の掘削コア試料から得られた2,037試料について、ICP-MSにより全岩化学組成分析を行った。

その結果、南東太平洋において平均層厚8.0m、平均総レアアース濃度1,054ppm、中央太平洋において平均層厚23.6m、平均総レアアース濃度625ppmのレアアース資源泥が存在していることが明らかとなった。

この海域において、1km2の範囲(深度10~70m)でレアアース資源泥を開発すると、日本の年間レアアース消費量の0.5~1.5年分を供給することができるほか、大まかな推定では、この2つの海域には、陸上埋蔵量のおよそ1,000倍のレアアース資源が存在しているという。

太平洋の海底からレアアースの採掘が可能になれば、中国による、レアアースの出し惜しみの弊害も解決すると思われ朗報といえます。