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わら汚染で対策の盲点次々 農水省「想定外」

2011-07-17 08:17:17 | Weblog
わら汚染で対策の盲点次々 農水省「想定外」(産経新聞) - goo ニュース

 福島県以外にも約150キロ離れた宮城県北部で肉用牛の餌となる稲わらから放射性セシウムが検出されるなど“汚染”が拡大する中、対策の「盲点」が次々と浮かび上がっている。

 汚染された稲わらを食べた42頭を出荷した福島県浅川町の農業生産法人が国の通達を「知らなかった」と話しているように、飼料の保管方法の周知徹底はなされていなかった。

 農林水産省は4月、放射性セシウムについて牧草の暫定基準値(肉用牛の場合、1キロ当たり300ベクレル)を設定。ところが、同じ肉用牛の飼料となる稲わらの基準値は定めず、ここでも対策が見落とされた。

 農水省の担当者は「秋から野外に放置されたものを春に使うことは想定外だった」と頭を抱える。今後は指導が行き届くよう、飼料供給を担う商社や獣医なども通じ、周知徹底を図る。

 厚生労働省は汚染された肉用牛の流通を食い止めるため、福島県産の検査対象地域の拡大についても検討を始めた。ただ、福島県から出荷される肉用牛の約9割は県外の食肉処理場で解体後、抽出検査されている。各地で検査できる数にも限りがあり、関係自治体との調整には相当時間がかかりそうだ。

 「内部被曝(ひばく)を調べるべきだった」と憤るのは福島県内の畜産農家。7月初め、自治体の担当者らが出席した会議で、牛の内部被曝検査の実施を訴えたが、受け入れられなかったという。

 民間の放射線検査機関の関係者によると、稲わらの汚染が発覚する前から、不安を抱いた福島県の畜産農家からは「飼育している牛の肉を検査してほしい」との依頼が相次いでいた。しかし、高い数値が出たときの影響を恐れ、多くの農家は結局検査を見送った。

 東京大の唐木英明名誉教授(食品安全)は「牧草の基準値をつくった際、稲わらについても指導していれば問題なかった。ただ食品の暫定基準値は非常に厳しい。肉に含まれる放射性セシウムの暫定基準値は1キロ当たり500ベクレル。10倍の汚染があっても、大量に食べなければ、健康に影響するリスクは小さい」と話す。

事故から4カ月以上たっても放射能汚染の全容は解明されておらず、いわゆる「想定外」の事態が今後も発生するかもしれません。
改めて原発事故の深刻さを思い知らされます。