海王星、発見からようやく“1周年”(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) - goo ニュース
7月12日、海王星は発見からようやく“1周年”を迎えた。太陽から平均45億キロ離れた海王星の公転周期は約165年。1846年の初観測から初めて公転軌道を1周し、長い1年が終わった。正式な時刻は世界時午後10時27分(日本時間13日午前7時27分)である。
◆発見を逃したガリレオ
巨大な氷惑星、海王星の存在は、発見の数年前から近傍の天王星に及ぼす重力の影響に基づいて数学的に予測されていた。
19世紀のイギリスの天文学者ジョン・クーチ・アダムズとフランスの同ユルバン・ルヴェリエは、天王星軌道の理論と観測データのずれを研究し、それぞれ独自に未知の惑星の質量と位置を計算した。
ついに確認されたのは1846年9月23日、ドイツの天文学者ヨハン・ゴットフリート・ガレが望遠鏡で予測位置を捜索し、小さな青緑色の円盤を発見したときだった。この惑星はやがて、ローマ神話の海神ネプトゥーヌスにちなんで「海王星(Neptune)」と命名された。
ガリレオ・ガリレイも200年以上前に海王星を観測していたが、単なる恒星だと誤解していたという。
アメリカ、テネシー州ブレントウッドにあるヴァンダービルト大学ダイアー天文台(Dyer Observatory)台長ロッキー・アルビー氏は、「ガリレオは海王星を見つけ、背後の星に対して動いていると考えたが、空が曇ってそれ以上観測できなかった。雲がなければ発見者になっていた可能性もある」と語る。
◆海王星の神秘的な嵐
1989年には、NASAのボイジャー2号が北極から5000キロ付近まで最接近した。だが、1世紀半以上の研究を経ても、太陽から最も遠い惑星である海王星には多くの謎が残ったままだ。
例えば、大気上にさまざまな変化が観測されているが、その原動力として必要な熱をどうやって調達しているのかは解明されていない。
アリゾナ大学の天文学者エリック・カルコシュカ(Erich Karkoschka)氏は、「地球のわずか0.1%の太陽光しか届かないのに、嵐が発生し、時間とともに外観が変化している」と話す。
1970、80年代の海王星は現在よりもかなり暗かった。ボイジャー2号やハッブル宇宙望遠鏡によって、巨大暴風雨に相当する大暗斑(だいあんはん)も観測されている。
「これほど太陽光の少ない惑星に活動的な大気がある理由を解明できれば、地球や500個以上の太陽系外惑星の大気についても、さらに理解が進むだろう」とカルコシュカ氏は述べる。
◆夏の夜空で海王星を観測
海王星は肉眼では観測できないが、正しい位置さえ知っていれば、アメリカ国内では7月中の早朝に望遠鏡で見つけることができる。8月一杯まで、夜明け前のみずがめ座付近で、水平線のすぐ上に淡い姿を見せるはずだ。
ダイアー天文台のアルビー氏は、「おすすめは中部標準時で午前0時から午前4時までの早朝だ。肉眼では無理だが、小型望遠鏡や双眼鏡があれば大丈夫だろう」と話している。
まだ太陽系内の惑星についても分かっていないことが多いようです。
これらの事柄が今後解明されていくのが楽しみです。
7月12日、海王星は発見からようやく“1周年”を迎えた。太陽から平均45億キロ離れた海王星の公転周期は約165年。1846年の初観測から初めて公転軌道を1周し、長い1年が終わった。正式な時刻は世界時午後10時27分(日本時間13日午前7時27分)である。
◆発見を逃したガリレオ
巨大な氷惑星、海王星の存在は、発見の数年前から近傍の天王星に及ぼす重力の影響に基づいて数学的に予測されていた。
19世紀のイギリスの天文学者ジョン・クーチ・アダムズとフランスの同ユルバン・ルヴェリエは、天王星軌道の理論と観測データのずれを研究し、それぞれ独自に未知の惑星の質量と位置を計算した。
ついに確認されたのは1846年9月23日、ドイツの天文学者ヨハン・ゴットフリート・ガレが望遠鏡で予測位置を捜索し、小さな青緑色の円盤を発見したときだった。この惑星はやがて、ローマ神話の海神ネプトゥーヌスにちなんで「海王星(Neptune)」と命名された。
ガリレオ・ガリレイも200年以上前に海王星を観測していたが、単なる恒星だと誤解していたという。
アメリカ、テネシー州ブレントウッドにあるヴァンダービルト大学ダイアー天文台(Dyer Observatory)台長ロッキー・アルビー氏は、「ガリレオは海王星を見つけ、背後の星に対して動いていると考えたが、空が曇ってそれ以上観測できなかった。雲がなければ発見者になっていた可能性もある」と語る。
◆海王星の神秘的な嵐
1989年には、NASAのボイジャー2号が北極から5000キロ付近まで最接近した。だが、1世紀半以上の研究を経ても、太陽から最も遠い惑星である海王星には多くの謎が残ったままだ。
例えば、大気上にさまざまな変化が観測されているが、その原動力として必要な熱をどうやって調達しているのかは解明されていない。
アリゾナ大学の天文学者エリック・カルコシュカ(Erich Karkoschka)氏は、「地球のわずか0.1%の太陽光しか届かないのに、嵐が発生し、時間とともに外観が変化している」と話す。
1970、80年代の海王星は現在よりもかなり暗かった。ボイジャー2号やハッブル宇宙望遠鏡によって、巨大暴風雨に相当する大暗斑(だいあんはん)も観測されている。
「これほど太陽光の少ない惑星に活動的な大気がある理由を解明できれば、地球や500個以上の太陽系外惑星の大気についても、さらに理解が進むだろう」とカルコシュカ氏は述べる。
◆夏の夜空で海王星を観測
海王星は肉眼では観測できないが、正しい位置さえ知っていれば、アメリカ国内では7月中の早朝に望遠鏡で見つけることができる。8月一杯まで、夜明け前のみずがめ座付近で、水平線のすぐ上に淡い姿を見せるはずだ。
ダイアー天文台のアルビー氏は、「おすすめは中部標準時で午前0時から午前4時までの早朝だ。肉眼では無理だが、小型望遠鏡や双眼鏡があれば大丈夫だろう」と話している。
まだ太陽系内の惑星についても分かっていないことが多いようです。
これらの事柄が今後解明されていくのが楽しみです。