議員を目指す人は、手っ取り早くできそうなことを政策として掲げることが極めて多い。やれ最低賃金を上げる、だの、教育の無償化、だの、軽減税率だの、もろもろだが、政治家の仕事を”ねずみ小僧次郎吉”と勘違いしていないだろうか?政府がねずみ小僧だとしたら、真面目に働く人はそれこそバカを見るということになる。”仕送り”と称し、政府が”ねずみ小僧”と化して、働く人から懐の金を強奪して貧しい人に配る。やっていることはこういうことだろう。ねずみ小僧は一回ならあってもいいが、何回も続くことではない。働く人の労働意欲を削いでどうするつもりなの?と、正論を述べる候補者がいないことが残念で仕方がない。
選挙公約で国民の歓心を買う、いわゆる衆愚政治が花ざかりだ。最低賃金の引き上げが参議院の争点の一つになっているが、まさに衆愚政の最たるものというべきだろう。政治家には経済原理がよく見えていないし、この政策が社会主義政策そのものだということにも気がついていないらしい。長らく貧困化してきた国民を豊かにしたいという気持ちはわかる。しかし政治が経済活動に口を挟みすぎることは、それは全てを政治が決めるということになってしまう。計画経済そのものである。最低賃金引き上げは何を起こすか?それは、企業が効率化を行うということである。人員を減らし固定経費を少なくする。まずは切りやすい派遣社員から人員削減になる。障害者雇用が減る。「稼ぐ社員のみ残す」傾向が強まるのが、この最低賃金の引き上げである。