アシナガバチは別名便所蜂とも言う。何故かというと日陰の軒下《こういう所には大方便所がある》に巣を作ることが多いからである。身体は明るい茶色で、羽を広げると4cm、体長25mmほどの足の長い蜂である。この蜂の巣は普通は20くらいの巣穴を作りそこに卵を産んで繁殖する。その卵がふ化してさなぎになると甘く美味しいといわれていた。私の子供の頃は極端に甘みが無く、春にはツツジの花の蜜を吸ったり、木イチゴの実を食べたり、夏には自然に生えているグミの木のきれいな赤い実をたべたり、秋になるとアケビや栗をとって食べたりしたものである。中でも美味いのは蜂の子であった。地蜂の巣を見つけると枯れ葉をいぶして蜂を追い出し、腐葉土の下にある巣を掘り出して袋に入れて持ち帰る。家の外でみんなで蜂の子を分けて食べるのである。そのとき顔や手を蜂に刺されて腫らしている子もいた。その頃どこから風聞として蜂の巣をとるときは白い布を頭から被ると良いなどと言われ試してみたら少しは効果があったように思えた。
私はわが家の軒に着いていたアシナガバチの巣を見つけ友人と2人でとった。そのとき親蜂を追い払ったのに左手の指を刺されたしまった。その後は今でも残っている。巣の中はまだ少し大きくなった卵の状態で食べることは出来なかった。
最近の話では、蜂に刺されると2度目には気を付けている。何故かというとアナフィラキシーショックを起こすことがあると言うことを聞いたからである。真偽のほどは不明であるが、蜂の生活圏には近づかないに越したことは無い。