寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

デザインのアイデアと独創について

2015年08月14日 13時24分47秒 | 日記・エッセイ・コラム

 2020年東京オリンピックの大会エンブレムをデザインした

S氏の他のデザインを巡り、新聞を賑わせている。大会エン

ブレムは見ようによっては似ているように見える。S氏のデ

ザインした他のものにも問題になる物が見つかったと言うこ

とです。

 S氏の発想はどういう構造になっているのでしょうか。例え

ば「似て非なるもの」といっても似ていると言うことは独創性

に欠けると言うことになるのではないでしょうか。もちろん類

似した発想の元に考案すれば似たような作品が出来ること

もあるでしょう。その場合には先に登録した物が優先される

のは当然ですよね。後から出した物は登録できないし、その

まま流通に出せば問題になることは当然でしょうね。

 場合によっては訴訟に発展することもあるでしょう。その結

果によっては高額の賠償金を支払うことにもなり、更に信用

も失うことになる場合もあるでしょう。

 さて、デザインにしろ開発研究にしろあるいは学術研究にし

ろ新しい物を作りだそうとする場合には、先ず類似した物が

あるか無いかを調査するのが一般的ですね。過去にないこ

とが分かれば研究をあるいはデザインを始めます。後は登

録までの先陣争いになります。時には情報合戦もあるかもし

れません。

 昔、「ノーベル賞の決闘」という書籍がありました。これはイ

ンスリン発見に関わる学者間の競争の様子をドキュメンタリ

ー風に書いた物です。一人は牛膵臓を材料として研究をす

すめ、もう一人は豚膵臓を材料として研究を進めました。最

終的には両人ともほぼ同時に別々の専門誌に論文として投

稿し両者ともに受理された。私の記憶が定かではないので

すが、一人は論文投稿する前に特許申請をしていました。

その結果将来に大きな変化が生じました。しかし、その後両

者ともにノーベル賞を同時に受賞しました。 これは一つの

例ですが、デザインにしても研究にしても目的を達成するた

めに何が重要か考えることも必要でしょうね。

 過去にあったことを少しだけ変えてそれを売り物にするとい

のはいただけませんし、もう止めてほしいものです。

 S氏にはもしかしたら厳しい将来が待っているのかもしれま

せんが、本当に自分独自のものを作り出してくれるでしょう。