そして、3度目に目撃したのは、もう、かなり年月が経ってからです。
長屋を引越して、トイレは共同ではなく、ほんの少しだけ文化的な暮らしになった頃でした。
お風呂上がりの私は髪を乾かしていると、父が玄関先で、
何やら騒いでいる…。
比較的寡黙な父だったので、
「めずらしいなぁ…何ごと?」
と玄関先に行くと、父が空を指さし、
「UFO!UFO!」と連呼している。
時間は夜。
夜空を見上げても、星とごっちゃになって、見分けがつかない…💦
「あれ、UFOじゃないか?!」と第一発見者の得意げな父。
よく見ると、確かに、少し大きめな光りが不自然に右に左に…と旋回している。
物体を確認したとたんに、思い出したかの様に、
耳の側で「トン…トン…トン…」と言う音…。
父に「この音なに?」と聞くと、
「何が?」と、父には全く聞こえていない。
「トン…トン…トン…」が聞こえていたのは、私だけの様でした。
そして、光る物体は、星に紛れていつの間にか、いなくなってしまいました。
あの音を聞いたのはソレっきりでしたが、UFOが消えた方角には『よくUFOが目撃される』と町起こし的に有名になった森がありました。