完全に迷ってしまったようだ…。
あんなに小さい子ども向けの山だったはずなのに、沢があり、沼があり、大きな樹もある。
…だけど、不思議なことに怖さはない。
まぁ、それにしても、ぺキ…ぺキ…と、謎の存在が追ってきている限りは、長居はしたくない。
正直、ぺキぺキの存在もあまり怖さは感じない。
…不思議だ…。
しかしとりあえずは、山を降りた。
下降している方向へ黙々歩いた。
ぺキぺキは、まだ着いてくる。
思いきってぺキぺキの正体見てみようか…。
勇気がいったが、立ち止まらずにそっと振り返ってみた。
ハッキリとではないが、小柄な子どもみたいな影が見えた。私よりは小さい。
私が振り返ったのを知ったのか、ぺキぺキは立ち止まった。
あきらかに、謎の"何者か"が後ろに居るのに、やはり怖さは無い。
…かと言って"仲良く出来る"気はしないので、とりあえず山を降りるしかない。
どんどん降りた。
帰り道かどうかは定かではないが、何となく帰り道に着いている気がしていた。
…しばらく歩くと、見慣れた景色が見えてきた。
基地だ!
やっと基地に、たどり着いた。
とりあえず基地に逃げ込んだ。