「行くぞ~!」
「お~!」
隊長はたけし君。
里美ちゃんと私の何も出来ない足手まといな隊員を二人引き連れ、山道を登ります。
緩やかな坂道が続く細道から徐々に険しい道になる。小さめな山とは言え、登るにはそれなりに険しい場所もある。
山道に伸びるツルに足を取られて、転ぶ隊員たち。
それでも、ひるますにどんどん坂を登る。
「まだ、登るの~?」
里美ちゃんが弱音を吐く。
「まだまだだよ~!」
たけし君は、程よい長さと強度のある木切れを拾い、里美ちゃんと私に手渡す。
「あんまり、奥に行くと迷っちゃうよ~!」
それでも、隊長は、容赦なく山の奥へ奥へと進んで行く。
…と言っても、小学生レベルの奥深くなので、大人からしたら、たいした事はありません。
「疲れた~!ここで、お菓子食べよう!」
その日はおやつを持って来ていた。
座れそうな石に腰をおろすと里美ちゃんがポシェットからお菓子を出した。
「なんか…虫が居るかも知れないよ💦」
座り込むには、なんとなく虫の存在が気になる私。
「あ、いいこと考えた!」
隊長のたけしくんが、何かしらの名案を思い付いたらしい!
※ポシェットって、ご存知ですか?
小さめなバックのことです。最近、あまり、ポシェットって言わないですよね。