「これがいいんじゃない?」
隊長、たけし君は、新聞紙を広げて、基地の屋根部分に乗せた。
いい感じに3本の木が寄り添っているその木の上に小枝や木切れを集めて来てたくさん乗せて、少し太陽の光を遮断できた。
少しは屋根らしくなったけど、風が吹き抜ける。
そこへ、隊長は新聞紙を乗せた。
「う~ん、いいけど…。でも、これだと、雨降ったら、破けちゃうよ」
「それじゃ、こうしたら?」
隊長は、ビニールも持ってきていた。
新聞紙の上にビニールを乗せる。
ビニールの端を木に結びつける。
これで、雨もしのげる。
壁になる横の部分も、入り口を残して同じようにふさいだ。
そして、さらに、床部分にも、ビニールと新聞紙。
子供が作ったにしては、なかなかの仕上がりだ。
「できた~❗」
優秀な隊長のもと、立派な基地ができた。
そこで、さっそく、おやつを食べる。
これがまた、満足度の高い時間だった。
…もう、すっかり暗い。
もう、撤収しなきゃ❗
「こわす?」
「このままでいいよ❗ここには他の人が来ることは無いから。」
「そうだね」
撤収せず、もちろん、基地はそのまま。
この山に来るのは自分たちくらいなものだから、次に来た時にまた、ここで過ごせる。
「楽しかったね~❗」
…ざざざ…。
風も無いのに、山の奥の方から木々を揺らす音がした。
「誰かいるのかな?」
「いないよ。風だよ」
また、ここで遊べるのを楽しみに、基地をそのままにして、山を降りた。