物件 10

2021-11-05 09:32:03 | 日記
日曜日、私は枝美ちゃんの家に行ってみた。

幽霊さん?は、居るのだろうか?

いきなり見えてしまったらどうしよう…💦

パチッパチッと家鳴りくらいは聞けそうな気がする…と、こわいながらも、少し期待していた。

日曜日の昼は、静かで、同じアパートの住人は、出掛けているんだろう…。

私の頭の中の想像は、少し古びた薄暗いアパートの印象だったが、実際は明るく、思っていたより新しい。
とりあえず、怖さが半減した。

枝美ちゃんに出されたコーヒーを飲みながら、TVも点けていない静かな環境だったので、とにかく家鳴りが聞いてみたくて、耳を澄ませていた。

…が、家鳴りは、全く鳴らず、枝美ちゃんだけの特権かも知れないと思った。

「とりあえず、近所のお店に聞いてみる?」

「そうだね。ちなみに、大家さんには聞けないよね…。」

「うん、大家のおばちゃん、気難しそうな人だし、まだしばらくはここに住みたいから、嫌われたくないし…。大家には聞けないなぁ…。」

「…そうだよね。まず、本当のことを言ってくれなさそうだよね。」

「一つ通り向こうの駄菓子屋のおばちゃんに聞いてみようかな?何度か行っていて、世間話しもしたことあるし。駄菓子屋さん、古そうだし」

「それ、いいね。」

二人は、駄菓子屋に向かった。