それから、しばらく、私が他の用事が増えてしまって、枝美ちゃんに会うことが出来ずにいた。
枝美ちゃんとは、ある劇団&プロダクションの仲間。当時週に1~2度、レッスンなどで会う。
私は、少し仕事らしきものをもらったので、しばらくレッスンには行っていなかった。
1ヶ月ぶりくらいのレッスン。
いつも元気に「アンコおはよ~!」
と、私より先に来ている…のに、今日はまだ来ていない。
どうしたんだろう…。何かあったのかな?
レッスンが終わったら電話してみよう…。
「遅れました…」
レッスンが始まってギリギリに枝美ちゃんは入って来た。
え?枝美ちゃん…?
1ヶ月ぶりに見た枝美ちゃんは、目の下にクマをつくり、痩せている。
それに、何より、元気が無い…。
レッスンが終わって、真っ先に枝美ちゃんの元に駆け寄った。
「枝美ちゃん…!大丈夫?」
「え?何が?」
「少し会ってない間に痩せたし…やつれたね…」
「そう?そんなことないよ。」
「仕事、大変なの?」
「ううん、むしろ、先日、仕事辞めたから、のんびりしてるよ。」
枝美ちゃんの口調もパワーが無い…。