「まりちゃんがね~」
枝美ちゃんは酔っている。
次男さんは、烏龍茶を飲みながら、深刻な顔をして枝美ちゃんを見ている。
「まりさんとは…?同居している人ですか?」
次男さんは、知っているのにわざと質問した。
「そうなの。失恋したらしくて、ひとりで居たくない…って言ってて、かわいそうなの。」
「そのまりさんは、どうして失恋したんですか?」
次男さんは、グイグイと質問してくる。
「彼氏に浮気されたんですって。しかも、浮気の相手は、まりちゃんの友達。ひどい男だよね~!そのあと、まりちゃんは、メンタルの病気が悪化して…。」
「まりさんは、ずっと枝美さんの家に居る予定ですか?」
「わからない。たぶんそうだと思いますよ。だって、もともとまりちゃんが住んでたところに私が後から入ったんだし…、私が決められないことですよね。」
枝美ちゃんは、酔いながらも、淡々と答えていく。
「まりさんが住んでいるところに枝美さんが後から入ったなら、枝美さんは、出た方がいいですよ。」
「う~ん…。」
枝美ちゃんは、眠そうだ…。
「もう、今日は帰りましょう。」
次男さんが立ち上がった。