「おばちゃん、一瞬困った顔したよね」
枝美ちゃんも気付いていたようだ。
「やっぱり、何かあるのかな?」
二人は探索をしながら町を歩いた。
「あそこの雑貨屋の店、古そうじゃない?聞いてみようか?」
すると、店主は若い人だった。
「若い人だと、知らないかもね。」
「とりあえず聞いてみよう」
「あのぅ、そこの角を曲がってずっと行くと、布団屋さんがあると思うんですが…」
「はい」
「そこの向かいのアパートって、過去に何かありましたか?」
「何かって?」
「事件とか、孤独死とか…」
「ここの建物は古いけど、私、ここへ来てまだ新しいんです。だから、ここら辺の昔のことは、よくわからなくて…」
「そうですか…ありがとうございます」
ついでに雑貨屋さんで、買い物をして、お店を後にした。
そのあとも、あちこち古そうなお店を物色して入ってみては、厳ついおじさんで聞きにくくて諦めたり、やっぱり若い人だったりと…なかなか情報を得ることは出来ずに、うろうろしていると、もう夕方。
「お酒でも飲もう!」
ということになった。
駅前の居酒屋に入って、ビールで乾杯。