レイちゃんと姫の信頼が消えてしまって、姫が怪我をした。
ダンスで支え合うシーンで、レイちゃんが手を滑らせたようだ。
姫は腰を強く打ったようだが、怪我をしたのは手のようだ。
次の稽古の日、姫は手首に包帯を巻いて来た。
「たいしたことないの。ちょっとひねっただけ」
レイちゃんは、すでに何度も姫に謝ったと思われるが、やはり元気もなく、とても申し訳なさそうにしている。
姫は稽古を少し休んだだけで、すぐに復活して、元気に稽古に復帰した。
姫は、今までと何も変わらずレイちゃんと仲良くして、また、何事も無かったかのように戻ったようだった…が、あきらかにレイちゃんは姫に気遣い…、一挙手一投足、姫の様子を窺い…、まさに姫とお付きの子分のようだった。
ただ、私は見てしまっていました。
姫は、怪我をした翌日、痛々しく包帯をして、怪我をした手を庇って痛そうにしていました。
その日の帰り道、駅までの道のりを私の好きな遠回りをしたのですが…(当時、目的地までの慣れた道のりを遠回りをして、新しい店などを発見するのが好きだったんです)
ふと、前を歩いている人の姿を見ると…
「…姫?」
姫は彼氏(?)らしき人に車で迎えに来て貰っているらしく、意外な道のりを歩いていて、停まっている車に駆け寄った。
その時、怪我をしているハズの手に重い荷物を軽々と持ったのだ。
う~ん…、これは…、本当に怪我してる?